守護神の活躍で大敗を免れるも、1点差の局面でポストに阻まれる不運もありカンプ・ノウで完敗
✅ テルジッチ監督によるラミン・ヤマル擁護の異例コメント
敵の新星への過剰なプレッシャーや批判に対し、一人の人間として温かく静かに見守るべきだと主張
✅ 取材ボイコットの真相とウリアテ会長への選手会の深い反発
単なるチケット削減問題に留まらず、行き過ぎた商業主義や育成現場の予算削減への不満が爆発
✅ クラブが極端な商業化を急ぐ背景と赤字決算の見通し
今季の欧州カップ戦不参加による赤字予測が、なりふり構わない経営方針を招く事態に
✅ 次戦セルタ戦に向けたテルジッチ監督の覚悟と展望
連敗脱出を懸けて同じくスタートに苦しむセルタと激突、指揮官は結果を出すことへの必要性を自覚
バルセロナ戦での奮闘とウナイ・シモンの神セーブ連発
カンプ・ノウで行われたバルセロナ戦は、0対2というスコア以上に防戦一方の厳しい展開となりました。バルセロナに主導権を握られ、ハフィーニャとフェルミン・ロペス(ラポルトの守備ミスから失点)にゴールを許したものの、これ以上の大量失点を防いだのは守護神ウナイ・シモンの神がかり的なセーブ連発でした。特にバルセロナの若きエース、ラミン・ヤマルとの決定的な一対一を何度も阻み、最後までチームに望みをつなぎ続けました。攻撃陣は沈黙したものの、1対0の段階ではシュートがポストを直撃して同点に追いつきかける不運なシーンもあり、紙一重の展開でもありました。しかし結果的に開幕2連敗となり、2試合でわずか1得点5失点、勝ち点ゼロという極めて重い現実が突きつけられています。(via SPORT)
テルジッチ監督によるラミン・ヤマル擁護の異例コメント
敗戦という苦しい結果のなか、エディン・テルジッチ監督が試合後に見せた素晴らしい姿勢が大きな反響を呼んでいます。テルジッチ監督は、この試合でも大きな脅威となった敵のラミン・ヤマルについて、メディアやファンの過剰な期待と容赦ない批評に対して異例の擁護を行いました。
テルジッチ監督は、ヤマルが直面している異常なプレッシャーを和らげるべきだと訴え、『何よりもまず、彼らは一人の人間だということを忘れてはなりません。そして今回のケースで言えば、まだ非常に若い選手であり、この数週間の間に信じられないような経験をしたばかりの選手なのです』と語りました。
さらに、17歳の若者に対して毎週のように完璧なパフォーマンスを求める世間の風潮を諫め、『だからこそ、その後に一歩引いて、3週間の休暇を挟み、再びここで毎週5ゴールを決めるような準備が整っていることを期待するというのは……。彼は明日からでもそれができるでしょうし、私にとってはそれこそが最も重要なことです』と述べ、焦らずに成長を見守るべきだという見解を語っています。
最後に指揮官は、『改めて、チームやこれらの選手たちが見せているパフォーマンスに対して、私は深い敬意を抱いています。私たちは批評を行う際、もう少し慎重になるべきだと思います』と締めくくり、選手への温かい敬意と、メディア側の批評のあり方に警鐘を鳴らしました。(via SPORT)
取材ボイコットの真相とウリアテ会長への選手会の深い反発
バルセロナ戦の直後、アスレティックの選手全員がミックスゾーンや独占放送局、さらにクラブ公式メディアを含むすべての取材への対応を拒否(ボイコット)するという異常事態が発生しました。この決断は、単なる「招待券(チケット)の配布枚数の削減」に対する一時的な怒りだけではありません。
確かに、これまでは家族や関係者用に6枚(4枚が固定、2枚はチケット購入に紐づくもの)あったホームゲームの招待券を、経営陣が9月から一方的に撤回したことが直接的な引き金となりました。しかし、選手たちが怒っているのはチケットの有無そのものではありません。もしチケット問題だけを理由にボイコットしたと報じられれば、ソシオやサポーターから「わがままな選手たち」と見なされ、経営陣の言い分を正当化させてしまうため、選手側はこれまで沈黙してきたクラブの運営方針全体に抗議の声を上げています。
特に反発が強いのが、ジョン・ウリアテ会長が推し進める「極端な商業化路線」です。クラブはテレビ放映権収入を高めるため、リーグ側が設定したメディア協力度評価(最大500ポイント)の獲得を最優先しています。その結果、試合前の極めて神聖なロッカールームにカメラを潜入させ、伝統である『主の祈り』のシーンを撮影・配信。さらに、サン・マメスに最高700ユーロ(約11万円)の超高額なVIP体験プランを設置し、ピッチ脇でのウォーミングアップ見学や、試合後の「選手とのミート&グリート」に選手たちをビジネスの主役として動員しています。
さらに、育成組織レサマにおける過度な予算削減も不信感に拍車をかけています。下部組織では食事メニューの制限、食堂の利用ルールの改悪、スタッフの配置転換などが次々と実行されています。それにもかかわらず、高額な費用を要する練習場の拡張や、サン・マメスの座席を約2400席増設するための費用調査は並行して進んでおり、現場は強い矛盾を感じています。
今回のボイコットは、放映権配分の25%を左右する評価ポイントに打撃を与えるため、選手たちは「経営陣が最も嫌がる財布(経済的損失)」に直接プレッシャーをかけている状況です。すでに個別インタビューは全て無期限で延期されており、このボイコットを次回のセルタ戦でも継続するかは決定されておらず、ウリアテ会長との今後の直接会談が非常に重要視されています。(via MARCA)
クラブが極端な商業化を急ぐ背景と赤字決算の見通し
なぜクラブ経営陣はこれほどまでに現場に負担を強いる商業化や経費削減を推し進めているのでしょうか。その背景には、ウリアテ会長がかつて語った『欧州カップ戦に出場しないアスレティックは、長期的には持続可能ではない』という発言が象徴する、シビアな財政難があります。
今シーズン、アスレティックはヨーロッパでのコンペティション(チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなど)に一切出場できないため、2026-27シーズンの最終決算は「赤字」に転落することが確実視されています。この赤字転落を食い止め、なんとか新たな財源を確保しようとする焦りこそが、高額VIPプランの導入やレサマの予算削減、そして身内用チケットの削減といった極端な経営判断に繋がっているのです。(via MARCA)
次戦セルタ戦に向けたテルジッチ監督の覚悟と展望
開幕2連敗で最悪のスタートとなったチームは、中1日という非常にタイトなスケジュールのなか、8月30日21:30(現地時間)にアウェイのバライードスでセルタ・デ・ビーゴとの戦いに挑みます。対戦相手のセルタも開幕2試合で勝ち点1とつまずいており、お互いにこれ以上の足踏みは許されない崖っぷちの決戦です。
テルジッチ監督は、就任直後から過酷な風圧にさらされるなか、『結果を即座に求められるビジネスだということは自覚している』と述べ、プロの世界の厳しさを十分に理解しつつも、この窮地を脱するために今季初勝利へ不退転の決意で挑む意向を示しています。(via Estadio Deportivo)
【本日の総括】
バルセロナに完敗し開幕2連敗となったピッチ上の結果以上に、ウリアテ体制の商業主義に対する選手たちの怒りとメディア・ボイコットが、クラブを大きく揺るがしています。財政的な焦りから緊縮と商業化を強いるフロントと、プライドと環境を守ろうとする選手たち。この深い溝を解決するためには会長との直接会談が不可欠ですが、その前に中1日で訪れるセルタ戦で、チームが一致団結して結果を示せるかが今シーズンの運命を左右します。
