モウリーニョ体制の核「バルベルデの右SB固定」が生んだ戦術的連鎖反応と攻撃陣の相乗効果

アテネでの欧州戦で途中出場から勝ち越しゴールを決めたフェデ・バルベルデが、メスタージャでのバレンシア戦では再び右サイドバック(SB)として先発出場し、チーム全体を再構築する「システム・プレイヤー」としての存在感を不動のものにした。

バルベルデの右SB起用は、トレント・アレクサンダー=アーノルドやデンゼル・ダンフリースといった専門職SBの能力をハイブリッドで兼ね備えている。強力な守備の安定感に加え、前線への爆発的な推進力、そして最後尾からの高精度なビルドアップ性能を同時にチームへもたらす。アテネ戦やバレンシア戦で見せた強烈なミドルシュートは、敵地の封鎖を破る最大の武器となっている。

さらに、バルベルデが右SBに入ることで中盤の構成に劇的なドミノ効果が生まれている。中盤に技術系プレイヤーの枠が空き、1ゴール1アシストと輝きを放つアルダ・ギュレルや、スムーズなパス回しでテンポを生むベルナルド・シウバの先発起用が可能となった。これによりオーレリアン・チュアメニは奪還と守備タスクに特化でき、真価を発揮している。

攻撃の左右バランスにおいても、右サイドのバルベルデとアルダ・ギュレルのコンビが、これまで左偏重だったチーム構造を補正。左サイドではヤン・ディオマンデがヴィニシウス・ジュニオールと同等以上の攻撃性能と圧倒的な守備貢献度を示して台頭しており、左SBのマルク・ククレラも守備の負担から解放されて攻撃参加の精度を高めている。バルベルデの位置変更こそが、モウリーニョ率いるマドリードの変貌を支える最大の鍵となっている。 (via MARCA)