クラコヴィアとの親善試合は豪雨の中で0-1の惜敗

セビージャFCは、ポーランドのKSクラコヴィアの創立120周年記念試合に臨み、0-1で敗れた。試合は前半30分、相手のアイディン・ハシッチによる30メートル以上の距離からの見事なサインプレーによる直接フリーキックで先制を許した。セビージャも反撃を試み、キケ・サラスのヘディングがクロスバーを叩き、ミゲル・シエラの鋭いシュートがポストに嫌われるなど、同点に追いつくチャンスを幾度となく作っていた。

後半に入るとピッチ状況は豪雨により一変。ボールが転がらないほど劣悪なコンディションとなり、肉弾戦やセカンドボールの拾い合いへとゲームの性質が変化した。その中でもアルナ・サンガンテがゴールライン上でのバイシクルクリアを含む2度の決定的な守備を見せ、イブラ・ソウもライン上でクリアするなど追加点を防いだ。また、終了間際にはホセ・アンヘル・カルモナのクロスからヘスス・クルスが決定的なヘディングシュートを放つも、相手の若手GKのスーパーセーブに阻まれた。負傷者が出なかったことだけが最大の収穫となっている。 (via Estadio Deportivo, Mundo Deportivo)

ガルシア・プラサ監督がチームの現状と若手の起用について言及

KSクラコヴィア戦後、ルイス・ガルシア・プラサ監督がクラブ公式メディアで試合を総括し、現在のチーム状況について率直に語った。指揮官は『相手は開幕まであと1週間だったが、我々はまだ15日しか練習していない。前半は秩序を保ち、良いプレーができていたと思う。クロスバーに2回、ポストに1回シュートを当てた。素晴らしいゴールを決められたが、チームはよく戦った。後半は豪雨の影響でボールが転がらなくなり、力とセカンドボールの試合になってしまった』と振り返っている。

また、トップチームの選手層の薄さからカンテラーノ(若手)を多く起用せざるを得ない状況についても触れ、『カンテラの子たちが全員いて、彼らにはとても満足している。チームはまだ構築中でプレシーズンが厳しく難しいものになることは明らかだ。それは論理的なことで問題ない。市場が閉まるまでまだ1ヶ月半ある。若手選手たちは多くの時間プレーすることになるだろう』と述べた。さらに次週のコルドバ戦とセウタ戦については、『各グループが45分間プレーする試合と、トップチームの選手たちが70分から75分プレーする試合を分けるのが我々の辿るべきプロセスだ。筋肉系の怪我のリスクがあるため、無理はさせられない。市場が終わるまでの1ヶ月半、仕事を蓄積し、ラージョ戦に向けて準備を進めながら、チームを修正し続けなければならない』と、フロントへ暗に補強の必要性をアピールしている。 (via Estadio Deportivo, ElDesmarque, Marca)

クラコヴィア戦の選手個別評価と新戦力の印象

新戦力4人が揃って先発し、それぞれの持ち味を発揮した。オディッセアス・ヴラホディモスは失点シーン以外では安全なプレーを見せ、フアン・イグレシアスは右サイドバックやセンターバックとしてインテリジェンスと活力のあるプレーを披露した。リュシアン・アグメは質の高さを見せつつも好不調の波があり、アルナ・サンガンテはアグレッシブなマークとライン上でのクリアで守備を支えた。

カンテラーノたちもアピールに成功している。トップ下で先発したミゲル・シエラはポストを叩くシュートを放つなど前半最も活発に動き、マヌエル・アンヘルも激しい試合展開の中で奮闘した。一方、最前線を任されたイサク・ロメロはシュートの精度を欠き、ペナルティエリア付近で手詰まりになる場面が目立ち、ストライカー補強の必要性を改めて浮き彫りにしている。久々に出場したアドリア・ペドロサも不正確なプレーが散見され、チデラ・エジュケはピッチコンディションの悪さにドリブルを阻まれて見せ場を作れなかった。 (via ElDesmarque, Estadio Deportivo)

オソが不可解な判定に激昂し退場処分、オリンピアコス移籍が加速

親善試合の後半84分、途中出場したホアキン・マルティネス(通称オソ)が退場処分を受ける波乱があった。地元クラコヴィア出身のセバスティアン・クラスニー主審による不可解な判定が続く中、激しいプレッシャーを受けてファウルを得られなかったオソが激昂し、副審の近くに向けてボールを蹴り飛ばしてしまった。オソはすぐに自身の過ちに気づき、主審を見ることなくベンチへと下がっている。ガルシア・プラサ監督はオソの過ちを認めつつも、相手選手のラフプレーが退場にならなかったことに強く抗議した。

このイライラの背景には、彼の移籍問題が影響している。2027年までの契約延長オファーを拒否しているオソに対し、ホセ・ルイス・メンディリバル監督率いるオリンピアコスやノッティンガム・フォレストを所有するエヴァンゲロス・マリナキスのグループが獲得に動いている。オリンピアコスは先日提示した600万ユーロからオファーを増額し、セビージャの要求額(ボーナス込みで最大1000万ユーロ)に大きく近づいており、クラブ間合意は間近に迫っている。フィオレンティーナやチェルシー・ストラスブール連合も関心を示しているが、オソ本人はオリンピアコス行きに同意している。 (via Estadio Deportivo, ElDesmarque)

フリオ・ディアス獲得へ猛プッシュ、レバンテを出し抜く

オソの退団が濃厚となる中、セビージャはアトレティコ・マドリードの21歳の左サイドバック、フリオ・ディアスの獲得を急ピッチで進めている。ディアスはレバンテへの移籍(保有権の50%を約150万ユーロで買い取り、4年契約)でほぼ合意していたが、セビージャが代理人に接触したことで状況が一変。選手本人がセビージャでのプレーを強く望んだため、レバンテは獲得レースから撤退した。エルチェも関心を示しているが、セビージャ行きが最有力となっている。

ディアスは昨季アトレティコのトップチームでラ・リーガ4試合に出場し、サンチェス・ピスフアンでのセビージャ戦ではアシストも記録している。ガブリエル・スアソの残留やアドリア・ペドロサの処遇が不透明な中、ディエゴ・パブロ・シメオネ監督の構想外となった若き才能を迎え入れ、左サイドバックの再編を図る。 (via ElDesmarque, Estadio Deportivo)

タンギ・ニアンズのLOSCリールへの完全移籍が公式発表

セビージャは、フランス人センターバックのタンギ・ニアンズがLOSCリールへ完全移籍したことを公式に発表した。過去の度重なる負傷歴から、リール側は非常に徹底的なメディカルチェックを実施したが、無事にこれをクリアした。移籍金ゼロのフリートランスファーだが、パフォーマンスに応じた将来のボーナスが設定されており、ニアンズ自身も給与の70%を放棄してこの移籍を実現させた。

1600万ユーロで獲得され、現在のスカッドで最高給を受け取っていたニアンズの放出により、約550万ユーロのサラリーキャップの空きが生まれ、これまでに獲得した新戦力3名の登録が可能になる。ニアンズはセビージャでの4年間で公式戦62試合に出場(フル出場は29試合のみ)、3ゴールを記録し、7度目のヨーロッパリーグ優勝にも貢献した。

ニアンズは移籍に際して『今日私を包んでいる感情は純粋な喜びです。キャリアの次のステップに理想的で、成長するための完璧な環境を提供するリールと契約する機会を得て信じられないほど幸せです。最も重要なのは完全な自信、笑顔、出場時間を取り戻し、チームの勝利に貢献することです。母国フランスに戻れて嬉しいですし、早くチームメイトやファンに会いたいです』と意気込みを語っている。 (via ElDesmarque, Estadio Deportivo)

アコル・アダムスのヴェネツィア移籍が最終段階へ

ストライカー陣の整理も進んでおり、アコル・アダムスのイタリア・セリエA、ヴェネツィアへの完全移籍が間もなく完了する見込みだ。アダムスは復帰後チームのトレーニングには参加していたものの、今回のポーランド遠征のメンバーからは外れていた。

移籍金は固定1680万ユーロに加え、670万ユーロのボーナスという条件でクラブ間合意に達しており、現在は選手との個人合意の最終段階に入っている。獲得時のコストが550万ユーロだったため、クラブにとって非常に大きな利益をもたらすオペレーションとなる。この売却で得た資金は、早急に必要とされている新たなストライカーの獲得に充てられる予定だ。 (via Estadio Deportivo, Marca)

中盤の新たな補強候補としてルーマニアのヴィクトル・ディカンが浮上

バティスタ・メンディのレンタル移籍やグデリの契約満了による退団で手薄になっている中盤の補強として、ルーマニアのファルルに所属する25歳のピボーテ、ヴィクトル・ディカンがセビージャに逆オファーされている。

ディカンはこれまで母国でのみプレーしてきたが、今夏によりレベルの高いリーグへのステップアップが確実視されている。移籍金は4万ユーロ前後と非常に安価で、セビージャの厳しい財政状況でも年俸を含めて十分に引き受け可能な条件となっている。現在55万ユーロの市場価値を持つディカンは、昨季36試合に出場して2ゴールを記録し、今季のルーマニア・スーパーリーグ開幕戦でもフル出場している。代理人はオサスナ、アラベス、ラシン、マジョルカなどにも売り込んでいるが、セビージャのホセ・イグナシオ・ナバーロSDからの返答を待っている状態だ。クラブはパトリック・メルカドの獲得の可能性もまだ完全に排除してはいない。 (via Estadio Deportivo)

スペイン代表のW杯優勝におけるセビージャの珍しい記録

2026年ワールドカップでスペイン代表が優勝を果たしたが、セビージャFCにとっては珍しい記録となった。今回の代表メンバーにはセビージャの選手が1人も選出されておらず、セビージャの選手が不在の状態でスペイン代表が主要タイトルを獲得したのは歴史上初めてのことである。

ルイス・デ・ラ・フエンテ監督はセビージャでのプレー経験があるが、選手としてはカウントされない。過去を振り返ると、1964年のEUROではパコ・ガジェゴ、2008年EUROはアンドレス・パロップ、2010年W杯はヘスス・ナバス、2012年EUROはヘスス・ナバスとアルバロ・ネグレド、そして2023年と2024年のネーションズリーグでもヘスス・ナバスがメンバーに名を連ねていた。セビージャは今後の国際大会に向けて、再び代表に選手を送り込めるようクラブとしての競争力を高める必要がある。 (via ElDesmarque)

103年越しのクラコヴィアへの恩返しと歴史的背景

今回セビージャがクラコヴィアの120周年記念試合に参加した背景には、1世紀以上前の歴史的な繋がりがある。セビージャは2006年にも同じ街のヴィスワ・クラクフの100周年記念試合に招待されているが、クラコヴィアとの対戦は103年ぶりの「お返し」となる。

1923年、クラコヴィアがスペイン遠征を行った際、セビージャの旧本拠地カンポ・デ・ラ・レイナ・ビクトリアで2試合を戦った。第1戦はセビージャがキンケの2ゴールとスペンサーのゴールで3-0で勝利し、翌日の第2戦はクラコヴィアが3-2で勝利を収めた。当時のセビージャはアイルランド人のチャールズ・オヘイガンが率いており、クラブ史上初の専任監督とされている。クラブの歴史部門は、当時の通信記録などの貴重な資料を公開し、SNSやインターネットがなかった時代の両クラブの深い絆を強調している。 (via Estadio Deportivo)

第3ユニフォームが異例の形でお披露目

ポーランドでの親善試合において、今週公式発表されたばかりの第3ユニフォーム(黒地にピンクと紫の蛍光ディテール)が、第2ユニフォーム(赤黒)よりも先に実戦デビューを果たした。これは、ホームのKSクラコヴィアが伝統の赤白の縦縞シャツに暗い色のパンツを着用していたため、カラークラッシュを避けるための措置であった。目を引くデザインのこのユニフォームは、シーズン開幕に向けてファンからの人気を集めることが予想されている。 (via Estadio Deportivo)

【本日の総括】

クラコヴィアとの親善試合は悪天候と不可解な判定に泣かされ0-1で敗れたが、新戦力のフィットや若手の台頭という収穫もあった。ニアンズやアダムスといった高給選手の売却によりサラリーキャップに余裕が生まれ、オソの退団も迫る中で、フリオ・ディアスやヴィクトル・ディカンといった新戦力獲得への動きが加速している。開幕に向けたガルシア・プラサ監督のチーム再構築は、いよいよ本格化していく。