幻に消えたジェズス獲得計画

現在、バルセロナへの電撃移籍が本日中にも正式発表されると見られているブラジル代表FWガブリエル・ジェズスですが、かつて彼がレアル・マドリードへ加入する一歩手前まで迫りながらも、予想だにしない「パスポートの壁」によって移籍が消滅していた歴史が明らかになりました。

2022年の夏、マンチェスター・シティからの退団を希望していたジェズスは、複数のビッグクラブに獲得の打診がなされていました。その中にはマドリードの2大クラブ(アトレティコとレアル)も含まれていました。アトレティコは獲得を見送りましたが、当時のレアル・マドリードのカルロ・アンチェロッティ監督はジェズスのプレースタイルを高く評価し、クラブのスカウト陣のレポートも極めて優秀であったため、獲得に向けて本格的に動き出していました。

しかし、その移籍は技術面や経済的な理由ではなく、当時のチーム事情による「EU圏外枠」の制限によって断念せざるを得ませんでした。

当時、ラ・リーガで認められている3枠のEU圏外枠は、ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴ・ゴエス、エデル・ミリトンのブラジル人3選手によって完全に埋まっていました。彼ら3人は数年前からスペインのパスポート(二重国籍)を取得するための申請手続きを進めていたものの、官僚的な手続きが遅々として進まず、外国人枠に空きを作る見通しが立っていませんでした。そのため、マドリーはジェズスの選手登録が不可能であると判断し、獲得交渉から手を引きました。

歴史の皮肉なところは、ジェズスが獲得を諦めたマドリーをよそにアーセナルへの移籍を決定したわずか数ヶ月後の2022年9月、ヴィニシウスに念願のスペイン国籍が下り、その直後にはロドリゴとミリトンにもパスポートが発給された点です。あとわずか数ヶ月手続きが早ければ、ジェズスは白いユニフォームを着てベルナベウのピッチに立っていたはずでした。そんな彼が、数年の時を経て宿敵であるバルセロナの新しいフォワードとして加わろうとしている運命の巡り合わせに、現地も大きな関心を寄せています。(via Mundo Deportivo)

【本日の総括】

モウリーニョ監督のもとで素晴らしい連勝スタートを切ったレアル・マドリードですが、移籍市場の最終盤を迎え、若き才能の加入やレジェンドの去就、そしてピッチ内外での劇的な変化など、多くの注目トピックが渦巻いています。今シーズン、常勝軍団の復活に向けて、チーム全体の要求水準は極めて高く保たれており、今後の戦いから一瞬たりとも目が離せません。