胃の中から散弾の跡?語り継がれるマタドール・ケンペスのデビュー当時の驚くべき小ネタ

エル・マタドール(闘牛士)の異名を持ち、バレンシアで7シーズンにわたりエースとして君臨したケンペスですが、1976年夏の加入当初はまだスペインでは無名の存在でした。当時のスポーツディレクターだったパシエギトが、アルゼンチンの名門スポーツ誌「El Gráfico」の情報をもとに彼の並外れた才能を見抜き、獲得に踏み切ったのがすべての始まりでした。

彼のバレンシアでの一歩目には、今でも語り継がれるユーモラスで驚くべきエピソードが満載です。メスタージャに到着したばかりのケンペスは、長時間のフライトによるひどい時差ボケが残ったまま強行出場させられました。さらに加入時の精密なメディカルチェックにおいては、彼の胃の中からなんと複数の金属製の「小さな散弾(ペルディゴネス)」が発見され、医師たちを大いに驚かせました。これは、バレンシアへ移動する途中のモティージャ・デル・パランカルという街で、彼が好物の「ヤマウズラの甘酢煮(ペルディス・エン・エスカベチェ)」を夢中で平らげた際、肉の中に残っていた散弾を骨ごと飲み込んでしまったためでした。

このようにドタバタの中で迎えたプレシーズンマッチのデビュー戦は、お世辞にも良いとは言えない「大惨事」の内容となり、PK戦の末にソ連のクラブにタイトルを奪われる最悪の滑り出しとなりました。しかし、そのわずか2週間後にラ・リーガが開幕すると、時差ボケもすっかり解消されたケンペスは爆発的な得点力を発揮。あっという間にメスタージャのファンの心を鷲掴みにし、風になびく髪をなびかせながらゴールを量産する無敵のストライカーとしての黄金時代を築き上げました。(via SPORT)