かつてレバンテで大復活を遂げたアルノー・コネがセビージャへ仕掛けた18ゴール回避の復讐劇

移籍市場の最終盤における選手登録や交渉のドラマが語られる中で、レバンテの歴史における最も衝撃的で痛快なエピソードとして今も語り継がれているのが、元コートジボワール代表FWアルノー・コネが仕掛けた計画的な自動更新契約のボイコット事件です。

セビージャはかつて、PSVアイントホーフェンで圧倒的な輝きを放ち、アフリカで最も有望な9番と謳われたコネを獲得するため、当時のクラブ史上最高額となる約1500万ユーロという破格の投資を行いました。フレデリック・カヌーテやルイス・ファビアーノらと共に世界基準の強力なフォワードラインを形成することが期待されていましたが、悲劇的な怪我の連続と信頼の欠如から自信を完全に喪失。セビージャでの4年間で公式戦わずか49試合、2ゴールにとどまり、クラブ史上最悪の投資失敗例とみなされていました。ハノーファー96へのレンタルでも再起を果たせなかった彼に対し、セビージャのフロントはついに契約最終年となったシーズンに、レバンテへの期限付き移籍を決定しました。

しかし、レバンテの当時の指揮官ファン・イグナシオ・マルティネス監督は、フットボール界から消えかけていたこのストライカーの再生方法を見事に見つけ出しました。コネはレバンテのユニフォームを着て息を吹き返し、リーグ戦34試合で15ゴール、さらにコパ・デル・レイでも2ゴールをマークし、全公式戦合計17ゴールを叩き出す大爆発を見せました。

ところが、この大活躍の裏には、セビージャ側が設定していた『もし公式戦で合計18ゴールを奪った場合、セビージャとの契約が自動的に1年間延長される』という極めて特殊な契約条項が存在していました。16点目をサンチェス・ピスフアンでの古巣セビージャ戦で決めて相手の欧州カップ戦出場権を粉砕したコネは、第36節のグラナダ戦でついに17点目をマーク。あと1点決めてしまえば、再びセビージャに安い給与で拘束され、自由を奪われることを何よりも嫌ったコネは、この17点目の直後に信じられない行動に出ました。ゴールを祝う際に意図的にユニフォームを脱ぎ、累積警告による出場停止処分を自ら勝ち取ったのです。

これにより、残されたシーズンは最後の2試合のみとなりましたが、コネの周囲には奇跡的かつ非常にタイミングの良い右膝の負傷が発生。彼はその後の試合への出場を頑なに拒否し、18ゴール目に到達することなくシーズンを終了させました。

契約満了により完全なフリーエージェントとなったコネは、自らを再生してくれたレバンテと即座に違約金なしで正式契約を締結。そしてそのわずか数週間後、2012/13シーズンが始まる直前に、レバンテは彼をプレミアリーグのウィガンへ400万ユーロで売却することに成功したのです。

1500万ユーロの大金を投じたセビージャには1ユーロの移籍金も残らず、タダで手放す羽目となったこの完璧なまでの計画的復讐劇は、今もスペインフットボール界の伝説的な小ネタとして語り継がれています。 (via Estadio Deportivo)

【本日の総括】

レバンテUDはプレシーズン最終戦でカステリョンに1-3で快勝し、23歳の至宝カルロス・アルバレスが膝の重傷から完璧な2アシストをマークして完全復活を果たすなど、エスパニョールとの開幕戦に向けて素晴らしい仕上がりを見せました。ピッチ外ではセビージャが注視するアルバレスの2027年契約延長交渉や、歴史的なコネのボイコット劇が今もなおファンの間で熱く語り継がれており、ポルトガル人指揮官ルイス・カストロのもとで万全のスタートを切る準備が整っています。