試合結果と残留争いの状況

デポルティーボ・アラベスは本拠地メンディソロサ・スタジアムに19,138人の超満員の観衆を集め、すでにリーグ優勝を決めているFCバルセロナを1-0で下した。残留に向けて計り知れない価値を持つ勝ち点3を獲得したアラベスは、試合前の19位から一気に15位へとジャンプアップを果たした。勝ち点を40に乗せたことで、残留を争うライバルであるエルチェ、マジョルカ、レバンテ、ジローナが勝ち点39でひしめく大混戦の降格圏から一歩抜け出す形となった。残るリーグ戦は2試合であり、次節はすでに降格が決定しているレアル・オビエドとアウェイのカルロス・タルティエレで対戦し、最終節はホームでラージョ・バジェカーノを迎え撃つ。自力での1部残留が現実味を帯びる、極めて大きなターニングポイントとなった。 (via MARCA)

決勝点と試合展開

前半アディショナルタイムの45+1分、デニス・スアレスのコーナーキックから劇的な瞬間が生まれた。マーカス・ラッシュフォードの短いクリアをペナルティエリア手前で拾ったアントニオ・ブランコが、ヘディングで再びゴール前へ折り返す。これに反応したイブラヒム・ディアバテが、バルセロナのマルク・ベルナルとの競り合いを制して至近距離から強烈なボレーシュートを突き刺し、GKシュチェスニーを破って先制点を奪い取った。

試合全体を通して、アラベスはバルセロナにボール支配を許したものの、5-4-1の強固な低いブロックを敷いてスペースを与えず、王者に対して枠内シュートを1本も許さなかった。後半は自陣に押し込まれて耐える展開が続いたが、GKシベラを中心に集中力を切らさず、昨年12月6日のレアル・ソシエダ戦以来、実に約5ヶ月ぶり(20試合ぶり)となるクリーンシートを達成して逃げ切った。 (via Estadio Deportivo)

25周年記念ユニフォームとパシージョ

この試合でアラベスの選手たちは、2001年にドルトムントで行われた歴史的なUEFAカップ決勝(対リバプール戦)から25周年を迎えたことを記念する特別なデザインのユニフォームを着用してピッチに立った。また、試合開始前には、今シーズンのラ・リーガ優勝を決めているFCバルセロナの選手たちを称えるため、パシージョ(ガード・オブ・オナー)を作って王者をピッチへと迎え入れた。最大の敬意を示した直後に、ピッチ上では残留を懸けた気迫あふれるプレーで真っ向から王者に立ち向かう姿が印象的な夜となった。 (via Estadio Deportivo)

キケ・サンチェス・フローレス監督の総括

見事な采配で大金星を導いたキケ・サンチェス・フローレス監督は、試合後のインタビューで誇らしげに試合を振り返った。

『我々は後戻りできない試合に直面している状況にある。すべてを出し切ったという感覚で試合を終えなければならない。エルチェとバルセロナという、ポゼッションを重視するチームに対して、非常にインテリジェントな試合の読み方ができたし、選手たちはピッチの1メートル1メートルを守ることに非常にコミットしてくれた。このコミットメントと試合の読み方があれば、我々が望む結果に近づくことができる』と選手たちの戦う姿勢を称賛した。

また、無失点に抑えた戦術については、『後半は相手ペナルティエリアに到達する回数が減り、バルセロナのビルドアップに対してマンツーマンでプレッシャーをかけることができなくなった。前半は5-3-2から5-4-1へと変化したが、ハーフタイム以降は内部のスペースを閉じることをよりよく理解できた。相手に決定機をほとんど作らせず、枠内シュートを1本も打たせずに終わらせることができた』と詳細に分析している。

さらに、20試合ぶりのクリーンシートについては、『チームがこれほど長く失点を続けていると、また失点してしまうのではないかと思い込んでピッチに出てしまうものだ。その悪い流れを断ち切るのは非常に難しい。そして、それをバルセロナ相手に達成したことは、我々が果たした二重の必要性だった』と安堵の表情を見せた。

そして、満員のスタジアムについては、『ファンは今日もまた並外れていた。試合の難しさとその瞬間を理解してくれた。バルセロナがボールを持ったときには非常に敵対的な雰囲気を作り出してくれた。彼らには大きなハグを送りたいし、シーズン最後まで彼らを必要としている』と熱い感謝の言葉を送っている。 (via MARCA)

トニ・マルティネスの喜びの爆発

献身的な前線からの守備で勝利に貢献したストライカーのトニ・マルティネスは、試合直後に興奮を隠しきれない様子で語った。

『言葉が出ない。残された決勝戦の1つで、信じられないような努力だった。我々は12人の選手で戦ったし、とても幸せだ』と、ファンの大声援を12人目の選手に例えて喜びを表現した。

『我々にはそれが必要だった。バルセロナが何を提案してくるか、我々が何に直面しているかは分かっていた。我々は常に試合の戦い方を知っていた。こういう試合が命を与えてくれるんだ。まだ何も決まっていないが、大きな一歩だ』

『この3試合でクリーンシートを達成することが非常に重要だった。後半は包囲網を敷かれたが、うまく耐えることができた。こういう試合ではこういうことも起こるし、ようやく無失点に抑えられた』と守備陣の奮闘を称えた。

次節に向けては、『オビエドでの決勝戦がある。今夜からリカバリーを始めなければならない。勝って、他の結果を見ながら残りの2節にこの感覚を持っていけることは、我々に命を与えてくれる。得点できなくても勝ち点3を取れるならそれにサインする。血でサインしてもいい』と、なりふり構わず残留を掴み取る強い決意を表明した。 (via MARCA)

選手たちの個人評価とスタッツ

この試合でピッチに立った選手たちは、各方面から高い評価を受けた。

GKのシベラはバルセロナの枠内シュートがゼロだったため直接的なセーブの機会は少なかったが、安定した対応で無失点に貢献した。

右サイドのアンヘル・ペレスは序盤こそラッシュフォードに苦しんだものの、徐々に順応してサイドに鍵をかけた。ハーフタイムには「ファンがゴールを決めてくれた」とスタジアムの雰囲気を称賛している。

右センターバックのテナグリアは守備で絶対的な壁となり、カバーリングでも大車輪の活躍を見せた。13回の守備アクション、8回のクリア、6回のボール奪取という驚異的なスタッツを記録している。

中央のコスキも時間の経過とともに安定感を増し、後半にはフェラン・トーレスの決定機になりそうな場面でアクロバティックなクリアを見せて同点のピンチを救った。

左サイドのレバシュは攻守にわたって並外れた運動量を披露した。対面のルーニーを抑え込むだけでなく、攻撃時には力強いドリブルでエリア内に侵入し、強烈な右足のシュートでゴールを脅かした。監督からも「ウインガーとしての動きと、いつセンターバックの背後をカバーすべきかを完璧に理解している」と絶賛されている。

中盤ではアントニオ・ブランコがアンカーとして気の利いたポジショニングを見せ、決勝点となるディアバテへのヘディングでのアシストを記録した。グリディは豊富な運動量でピッチを駆け回り、前半にはオフサイド判定ながらポストを叩くミドルシュートを放った。

一方で、デニス・スアレスは守備に奔走した影響かボールを持った際の存在感が薄く、ボールロスト12回を記録して64分に退いた。

殊勲のディアバテは64分間の出場でボールタッチわずか10回だったが、そのうちの1回で値千金の決勝ゴールを奪い取った。後半にも追加点となるヘディングのチャンスがあったが、シュートはGKの正面を突いた。

交代出場のパブロ・イバニェスとアイトール・マニャス、そして終盤に投入されたプロテソニも、割り当てられた守備のタスクを忠実にこなし、チームの完封勝利に貢献している。 (via ElDesmarque)

負傷者および欠場者情報

この大一番で、アラベスは攻撃の重要なオプションであるルーカス・ボジェを負傷により欠いた。また、ディフェンスラインのファクンド・ガルセスも長期の出場停止処分(11月まで)を受けておりメンバー外となっている。

試合中には、左センターバックとして先発し、レバンドフスキらをしっかりと抑え込んでいたビクトル・パラダが、80分に身体の違和感を訴えてプロテソニとの交代を余儀なくされた。最終盤の重要な時期だけに、パラダの今後の状態が懸念される。 (via ElDesmarque)

【本日の総括】

王者バルセロナを無失点で撃破するという最高のシナリオで降格圏を脱出したデポルティーボ・アラベス。スタジアムの熱狂的なサポートとチームの戦術的規律が見事に噛み合った歴史的な一夜となりました。次節のオビエド戦でこの勢いを持続し、1部残留を確実なものにしたいところです。