最終節オビエド戦 意地の3ゴールで勝利

マルティン・デミチェリス監督率いるマジョルカは、すでに降格が決まっている最下位レアル・オビエドをホームのソン・モイシュに迎え、勝利が絶対条件の最終節に臨んだ。前半は緊張からか堅さが見られ、決定機を逃す場面もあったが、前半42分に右サイドのパブロ・マフェオのクロスをパブロ・トーレがボレーで合わせて先制する。後半に入ると、38分にマヌ・モルラネスがこぼれ球を拾ってミドルシュートを突き刺し2点目。さらに後半43分には、ベダト・ムリキがダメ押しの3点目を決めて3-0と快勝した。自力でできる唯一の条件であった勝利を収め、最後まで戦い抜く姿勢は見せた。(via Estadio Deportivo)

無情の結末 5シーズンぶりの2部降格が決定

オビエドに完勝し勝ち点を42に伸ばしたマジョルカだったが、奇跡の逆転残留は叶わなかった。残留には他会場の結果が必須だったが、その条件が全て揃うことはなかった。ジローナがエルチェと引き分け、レバンテはベティスに敗れたものの、勝ち点42で複数チームが並ぶ形となり、直接対決の成績等によりマジョルカの降格が確定した。試合終了を告げる笛が鳴り響くと、ピッチ上の選手たちは泣き崩れ、絶望に包まれた。5シーズン戦い続けたスペイン1部の舞台から去ることが決定した。(via SPORT)

浅野拓磨 先発出場も不安定さを露呈し厳しい評価に

浅野拓磨は運命の最終戦に右ウイングとしてスタメン出場を果たした。ヤン・ビルジリやジト・ルヴンボとのポジション争いを制しての抜擢だったが、試合前のスタメン発表時、スタジアムからは彼に対して大きなブーイングが浴びせられた。試合では、前半にサム・コスタからのパスを受けて右サイドから鋭いシュートを放つ決定機があったものの、惜しくもファーポストの枠外へ。また、カウンターからムリキのパスを受けてシュートを狙う場面もあったが、相手DFにブロックされてしまった。後半16分にヤン・ビルジリと交代してピッチを退いている。現地メディアは彼に対し、10点満点中5.5という及第点ギリギリの厳しい評価を下し、前半は活発に動き、決定的な得点機もあったが、今シーズンの彼を象徴するように不安定さが露呈した。彼にはもっと多くのことが期待されていた、と伝えている。(via ElDesmarque)

エース・ムリキ 23ゴール到達もピチチには届かず

絶対的エースのベダト・ムリキは、後半43分にチームの3点目となるゴールを記録し、今シーズンのリーグ戦得点数を23に伸ばした。歴史的なゴール数を叩き出したものの、レアル・マドリードのキリアン・エンバペが最終節でゴールを決めて25ゴールに到達したため、惜しくも2ゴール差で得点王のタイトルを逃した。コソボ代表としてワールドカップに出場できないことに加え、マジョルカの2部降格が重なり、彼にとって最も残酷なシーズンの結末となってしまった。試合終了間際のゴールにもかかわらず、全く喜ぶ様子は見せなかった。(via MARCA)

セルジ・ダルデル 涙ながらにファンへ謝罪

試合後、セルジ・ダルデルは涙を流しながらインタビューに応じ、チームを代表して全責任を負う姿勢を見せた。彼は言葉を詰まらせながら、『まだスタジアムに残ってくれている全ての人々、プレス、用具係、理学療法士、調理スタッフなど、我々のために働き、夢のような生活を与えてくれるすべての人に謝罪しなければならない』と口を開いた。『38試合を戦い終えて、リーグは我々をあるべき場所に置いた。降格したのは、前半戦が悲惨だったからだ』と振り返り、『フロントでも監督でもなく、責任はピッチに立っていた我々選手にある』と潔く責任を認めた。また、『困難な時期にも顔を上げて戦ったチームメイトを誇りに思う。通常なら勝ち点42あれば残留できるが、今年は十分ではなかった。この偉大なクラブのエンブレムの期待に応えられなかった』と無念さをにじませた。最後に、『今はファンに何も求めることはできない。我々は、1日でも早く1部へ戻るために持てるすべてを捧げなければならない。来年はこのエンブレムは1部にはないが、2年後には必ず戻ってくると確信している』と力強く復活を誓った。(via SPORT)

マスカレル 不運な負傷により涙の途中退場

中盤の要であり、この日はセンターバックとしてディフェンスラインを支えていたオマール・マスカレルを不運が襲った。後半8分、サンティ・カソルラとの偶発的な接触により負傷。自力でプレーを続けることができず、顔を覆い涙を流しながらアントニオ・ライージョとの交代を余儀なくされた。契約が残り1ヶ月となっている彼にとって、非常にほろ苦い形でのシーズン終了となってしまった。(via Estadio Deportivo)

怒れるソン・モイシュ フロントと選手へ痛烈なブーイング

ファンからの怒りは頂点に達していた。試合前、チームバスを出迎えたファンはわずか200人弱にとどまり、スタジアムのゲート付近には、フロント辞任、VIP席のリーダーたち、といった抗議の落書きが見られた。試合中も、ファンの怒りの矛先はビジネス部門のCEOであるアルフォンソ・ディアスと、スポーツディレクターのパブロ・オルテスに向けられた。スタンドからは『アルフォンソ、今すぐ出て行け』『フロント辞任』『オルテス、ソン・モイシュから出て行け』といった強烈なチャントが響き渡った。さらに選手たちに対しても『傭兵たち』『このシャツを着る資格はない』と厳しい声が飛び交った。スタジアムのVIP席にいたオーナーのアンディ・コールバーグと株主のスティーブ・カーも、この抗議の声を直接耳にすることとなった。度重なる補強の失敗や、終盤戦にBチームの選手に頼らざるを得なかった層の薄さが、スポーツ部門の管理能力の欠如として痛烈に批判されている。(via SPORT)

選手採点 パブロ・トーレとムリキがチーム最高評価

現地メディアによるオビエド戦の選手採点では、先制点を挙げたパブロ・トーレと、前線で奮闘したベダト・ムリキが8点のチーム最高評価を獲得した。パブロ・トーレは、積極的にプレーを創り出した、と称賛されている。追加点を決めたマヌ・モルラネスは7.5点、守備で奮闘したマルティン・バリエントには6.5点が与えられた。一方で、古巣対決となったGKレオ・ロマン、アシストを記録したパブロ・マフェオ、トニ・ラト、サム・コスタ、セルジ・ダルデル、オマール・マスカレルらは6点にとどまった。途中出場のアントニオ・ライージョとアントニオ・サンチェスは5点と厳しい評価となっている。(via ElDesmarque)

来季の見通し 熾烈を極めるセグンダの戦いへ

マジョルカを待ち受ける来季のセグンダは、かつてないほど過酷な環境となる。今季降格したマジョルカとジローナ、オビエドに加え、カディス、バジャドリード、グラナダ、スポルティング・ヒホン、アルバセテ、コルドバ、エイバル、レアル・サラゴサなど、近年1部で戦っていた歴史ある強豪クラブがひしめき合っている。現地でも、1年で1部へ復帰するのは決して簡単なことではない。クラブにとっても、選手にとっても、そして最悪のシーズンに耐え完全に失望しているファンにとっても、困難な戦いになるだろう。ここからあらゆる種類の未知の課題が始まる、と今後の厳しい道のりが予測されている。(via SPORT)

【本日の総括】

最終節で意地の3-0の快勝を収めたものの、他会場の結果により無念の2部降格が決定しました。浅野拓磨を含む選手たちやフロントに対しファンから激しい怒りの声が飛び交う中、ダルデルは涙ながらに1部復帰を誓っています。