イニゴ・ペレス新体制の開幕戦展望とエル・サルディネロの呪い

ビジャレアルは、イニゴ・ペレス新監督のもとでラ・リーガEAスポーツの新たなシーズンをスタートさせます。目標は、昨シーズンの3位という素晴らしい成績を維持、あるいはそれを上回り、チャンピオンズリーグ出場権を再び獲得することです。プレシーズンでのチームの仕上がりは非常に良く、新指揮官の戦術が浸透しつつあります。

開幕戦は8月16日日曜日17:00から、アウェイのエル・サルディネロで行われるラシン・サンタンデール戦です。このスタジアムはビジャレアルにとって相性の悪い呪われた地として知られています。

過去12回のエル・サルディネロでの1部リーグ対戦成績は4勝4分け4敗と完全に五分ですが、2回連続で勝利したこともなければ、2回連続で引き分けたこともありません。最後の1部での対戦は15年前の2011年12月3日に行われた2011/12シーズン第15節で、当時ファン・カルロス・ガリード監督に率いられたチームは、ウルグアイ人FWクリスティアン・ストゥアーニにヘディングゴールを決められて0-1で敗北し、結果的に2部降格へと繋がる暗い影を落としました。

さらに昨シーズンには、当時2部に所属していたラシンにコパ・デル・レイで敗れており、苦手意識を完全に払拭することが求められています。

今回の遠征にはフェルナンド・ロイグ会長やフェルナンド・ロイグ・ネゲロレスCEO、ミゲル・アンヘル・テナ・フットボールディレクター、マルコス・セナ大使らクラブを代表する重鎮たちが同行し、ホテル・サンテマールを拠点に置きました。現地では100人以上の熱烈なサポーターが出迎え、チームにエールを送っています。

イニゴ・ペレス監督は試合に向けて次のように語りました。

『プレシーズンを通じてチームが示してきた素晴らしい感覚と自信を、公式戦でもそのまま維持することが重要です。私たちは、高い位置からのアグレッシブなプレッシングと、昨シーズンよりもさらに主体的にボールを支配するプロポーシブなフットボールを展開し、どん欲に勝利を狙いにいきます』(via MARCA)

開幕戦の予想フォーメーションと期待される主力・新戦力

ラシン・サンタンデールとの初陣に向けて、イニゴ・ペレス監督は「4-2-3-1」のシステムを採用する見込みです。

ゴールキーパーのポジションは、ルイス・ジュニオールと、新加入で経験豊富なペーテル・グラーチが激しい定位置争いを展開しています。

ディフェンスラインは、右サイドバックにサンティアゴ・モウリーニョ、左サイドバックにはカルロス・ロメロが先発する予想です。センターバックはレナト・ヴェイガに加え、大怪我からの長い離脱を終えてプレシーズンで実戦復帰を果たした実力派のフアン・フォイスか、カンテラ出身の若きパウ・ナバロのどちらかが相棒を務めます。

中盤のダブルボランチには、新戦力のパペ・ゲイェとサンティ・コメサーニャがコンビを組む見込みですが、下部組織出身のカルロス・マシアも選択肢として控えています。

2列目の攻撃的ミッドフィールダー陣には、ニコラス・ペペ、アルベルト・モレイロ、そして絶対的な大黒柱であるジェラール・モレノがスタメンを飾り、今夏加わったアヨセ・ペレスもトップ下か最前線での起用を巡ってスタンバイしています。

最前線のワントップには、ジョージズ・ミカウタゼが配置される可能性が最も高いとみられています。(via ElDesmarque)

ジョージズ・ミカウタゼを巡るバルセロナからの関心と1500万ユーロ値上がりのリミット

昨夏の市場で3000万ユーロの移籍金でビジャレアルに加入したジョージズ・ミカウタゼに対し、FCバルセロナが熱烈な関心を示しています。バルセロナのデコスポーツディレクターは、アトレティコ・マドリードとの交渉が難航しているジュリアン・アルバレス獲得の代替案として、このジョージア代表ストライカーを最優先リストに加えています。

ミカウタゼは昨シーズン、ビジャレアルのユニフォームを着用して公式戦42試合に出場し、15ゴール6アシストをマーク。ユーロでも得点王に輝く大活躍を見せました。

彼の契約には現在6000万ユーロの契約解除金条項が設定されています。しかし、ビジャレアルのフロント陣は移籍市場の最終盤に主力を引き抜かれるリスクを避けるため、極めて賢明な防衛策を契約に盛り込んでいました。

それは、市場閉幕の残り10日間、すなわち8月22日の午前0時を迎えた瞬間から、この契約解除金が1500万ユーロ引き上げられて「7500万ユーロ」に跳ね上がるという特殊な条項です。

バルセロナが彼を当初の6000万ユーロという価格で獲得するためには、あと1週間足らず、具体的には8月21日の深夜までに交渉をまとめ上げ、解除金を支払わなければなりません。ビジャレアル側はこのタイムリミットを盾に、バルセロナに対して極めて強いプレッシャーを与えています。(via ElDesmarque)

ジェレミー・ピノの復帰を夢見るビジャレアルと選手の強い愛情

ビジャレアルは、昨夏にプレミアリーグのクリスタル・パレスへ売却したカンテラ出身のスペイン代表ウイング、ジェレミー・ピノの復帰というロマンあふれる計画を夢見ています。

ピノは2017年にビジャレアルの下部組織に加入し、2020年にトップチームでデビュー。公式戦170試合に出場して22ゴール23アシストを挙げ、2021年のヨーロッパリーグ制覇や2022年のチャンピオンズリーグ準決勝進出など、クラブの歴史的な栄光に直接貢献した、サポーターからも極めて愛されている選手です。

昨夏、エースのエベレチ・エゼをアーセナルに放出したクリスタル・パレスが、彼の後釜として3000万ユーロ(固定+変動含む)の巨額資金を投じてピノを獲得し、2030年までの長期契約を結びました。イングランドでの1年目は公式戦51試合に出場して5ゴール5アシストを記録。

ジャーナリストのマッテオ・モレット氏によると、ジェレミー・ピノ自身が、慣れ親しんだ我が家であり、数々の栄光を共にしたビジャレアルへの復帰を熱望しているというセンチメンタルな側面が存在します。ビジャレアルのクラブ側も、移籍時の公式お別れメッセージで『ここはいつでも君の家だ』と伝えており、強い絆は今でも残っています。

しかし、最大の障壁は「3000万ユーロ」とも評される獲得費用と、クリスタル・パレスとの2030年までの長期契約です。

唯一の好材料としては、今夏にダニ・パレホやトーマス・パーティといった高給取りの主力選手たちがクラブを離れたことで、ビジャレアルの給与計算(サラリーキャップ)に約450万ユーロに及ぶピノの給与を十分に受け入れるだけのスペースが確保されている点です。選手本人の意思が交渉にどのような変化をもたらすかが注目されます。(via Estadio Deportivo)

ビジャレアルBが親善試合でサラゴサに0-2で敗戦 決定力不足が響く

デビッド・アルベルダ監督率いるビジャレアルBは、ホームのミニ・エスタディでレアル・サラゴサと対戦し、0-2で敗れました。今夏のプレシーズンマッチで維持していた3連勝の好調な流れを止められる形となりました。

試合当日は強い風と激しい雨に見舞われる悪天候でしたが、ビジャレアルBはキナレイキンを守護神に置き、DFにはアルナウ・フォレス、ムサ・ディアロ、エネコ・オルティス、そして新加入のアルバロ・ガルシアが先発。中盤にセサール・ボナフェ、パブロ・パスクアル、ニコ・バラトゥッチ、ニサールを配置し、前線はホセリージョ・ガイタンとアルベルト・ガルシアの2トップで挑みました。

前半はビジャレアルBが終始試合を支配し、ボナフェ、パスクアル、バラトゥッチが流暢なリズムを作って相手陣内へ攻め込みました。特にガイタンが決定的なチャンスを何度も演出。35分にはニサールの鋭いクロスからボナフェが決定的なシュートを放ちましたが、サラゴサのDFにゴールライン手前で阻まれて得点には至りませんでした。

しかし、試合を支配しながらも得点を奪えずにいた32分、サラゴサの最初の決定的なシュート、パウ・サンスにペナルティエリア手前から見事な左足ボレーシュートを突き刺されて0-1と先制を許しました。

後半に入ってもビジャレアルBが支配率を高めましたが、交代選手を次々とピッチに投入したことで徐々に連携の流暢さが低下。カウンターを狙うサラゴサに押し込まれ、72分には相手のマルコス・クエンカにGKアレックス・ケベド(後半から途中出場)をかわされて2点目を奪われ、万事休すとなりました。

この試合では、アラベスBからローンで加入したばかりのセンターバック、アルバロ・ガルシアが先発デビューを果たして60分間プレーし、確かな存在感を示しました。

ビジャレアルBの次の親善試合は、8月19日水曜日19:00から、レギュラーシーズンでも対戦するライバル、ジムナスティック・タラゴナをホームのミニ・エスタディに迎えて行われます。(via SPORT)

【本日の総括】

イニゴ・ペレス新監督のもと、ラ・リーガEAスポーツ開幕のラシン・サンタンデール戦に向けて、過酷な「エル・サルディネロの呪い」に立ち向かうビジャレアルCF。ピッチ外では、絶対的なエースとしての地位を固めるジョージズ・ミカウタゼに対するバルセロナからの関心と、1500万ユーロ解除金引き上げのタイムリミットを巡る緊迫した駆け引きが展開されています。さらに、愛弟子ジェレミー・ピノの電撃復帰への夢や、アルベルダ率いるBチームのサラゴサ戦での決定力不足という課題など、新シーズンに向けた戦力再構築と覇権奪還への熱い闘志が満ち溢れています。