カルロス・アルバレス移籍の財政的裏側と消えたセビージャ復帰プラン

メキシコの強豪クラブ・アメリカへの移籍が正式に発表されたカルロス・アルバレスですが、この取引の裏側で元所属先であるセビージャに莫大な金銭的メリットがもたらされることが判明しました。

セビージャはかつてアルバレスをレバンテへ移籍金なしのフリートランスファーで放出した際、将来的な売却時に移籍金の一部を受け取る権利を留保していました。当初の取り決めでは40パーセントでしたが、最終的には30パーセントの権利を維持することで合意していました。今回のクラブ・アメリカへの完全移籍は、固定額600万ユーロ(約9億6000万円)に加え、最大150万ユーロ(約2億4000万円)の出来高ボーナスが含まれる大型契約です。これにより、セビージャの懐には分配金として約180万ユーロ(約2億8800万円)が確実に転がり込むことになります。さらに、レバンテが昇格した際に発生したボーナス50万ユーロ(約8000万円)を含めると、セビージャはアルバレスの売却によって最終的に約250万ユーロ(約4億円)もの大金を手中に収めることになり、財政難に苦しむ同クラブにとっては信じられないほどの救いの手となりました。

一方で、この移籍(現在もメキシコの市場は開いています)により、2027-2028シーズンにアルバレスがセビージャへフリーで復帰するというロードマップは完全に消滅しました。選手自身は古巣への愛着を隠したことはなく、セビージャ側も将来的にフリーで買い戻すプランを密かに描いていました。バレンシア方面からは、セビージャが今夏に前倒しで獲得オファーを提示するのではないかという噂が流れていましたが、実際のところセビージャにそのような高額の資金を投じる意思はなく、今夏にアルバレスがどこにも移籍しないことにすべてを賭けていました。しかし、レバンテ側にとっては今夏の市場が、利益を出すための「現金化の最後のチャンス」であったため、その強いプレッシャーからクラブ・アメリカの提案を迅速に受け入れました。選手自身も、高額な年俸や新たな冒険に魅力を感じて合意に達しました。復帰が叶わなくなった寂しさはあるものの、財政難のセビージャにとっては、200万ユーロ近いキャッシュが手に入ること自体は天からの贈り物として大歓迎されています。(via Estadio Deportivo)

エッタ・エヨン残留の舞台裏とバレンシアの不誠実なコンタクト

レバンテのスポーツディレクターを務めるヘクター・ロダス氏が記者会見に登場し、今夏の移籍市場の総括を行うとともに、最終盤に急浮上したFWカール・エッタ・エヨンのバレンシア移籍交渉の裏側を包み隠さず明らかにしました。

バレンシアは主力FWウーゴ・ドゥロ以外に健康なストライカーがいない中で、サディク・ウマルの重傷という緊急事態に見舞われ、カルロス・コベラン監督率いるチームとして移籍期限ギリギリでカメルーン人FWエヨンの獲得に動いたと報じられていました。しかしロダススポーツディレクターは、そのアプローチがいかに不誠実で形式的なものであったかを暴露しました。ロダス氏は当時の状況を次のように明かしています。

『バレンシアから彼の状況について問い合わせの電話があったのは事実だ。他の多くの1部リーグのクラブからも同様の連絡があった。しかし、彼らは私に情報を求めてきただけで、それ以降は二度と連絡をしてこなかった。その後、彼らが代理人や選手に直接アプローチしたかどうかは私には分からない』

また、エヨンを巡ってはバレンシアだけでなく、イングランド(プレミアリーグ)やドイツ(ブンデスリーガ)、さらには中東などのエキゾチックなリーグのクラブからも非常に高額なオファーが届いていました。クラブの財政的な安定や経営状況を考慮すれば、エヨンを売却することはクラブにとって大いにプラスになる選択肢でした。そのため、ロダス氏をはじめとするフロント陣も、なんとか交渉を仲介して移籍を成立させようと動いていたことを認めています。

『私たちスポーツディレクターは、時には営業マンとしての役割も果たさなければならない。クラブの大切な資産を売却することは決して容易ではない。実際にクラブの経営安定のために、非常に有利なこれらのオファーを彼に伝え、なんとか移籍をまとめようと試みた』

しかし、これらのすべての誘いを頑なに拒んだのは、エヨン自身でした。

『エヨンはクラブに届いたすべてのオファーを断固として拒否した。経営の安定を望むクラブとしては売却したかったのが本音だが、彼自身がここに残り、ここで自らの最高のパフォーマンスを発揮したいと強く望んだのだ。最終的に残留を決めたのは選手の意思であり、私たちはその決断を尊重し、受け入れなければならない』

エヨンは今シーズン開幕直後から驚異的な活躍を見せて注目を集め、アフリカネイションズカップ後にはカルロス・スピの台頭があったものの、依然としてチームにとって極めて重要な存在です。ロダス氏は彼への期待を次のように語っています。

『エヨンがチームに残留し、その得点力と高いパフォーマンスで、私たちが全員で目標に掲げている残留をもたらしてくれることを心から期待している』(via ElDesmarque)

【本日の総括】

カルロス・アルバレスの移籍によって元所属先セビージャに巨額の権利収入がもたらされた背景や、エッタ・エヨンの残留劇におけるバレンシアの不誠実なアプローチと本人の強い残留へのこだわりなど、市場最終盤の極めて濃密な裏側が明らかになりました。