ビニシウスの葛藤 契約延長の停滞とエスパニョール戦での暴言
ビニシウス・ジュニオールは、マドリードのロッカールームで確固たるリーダーとしての地位を築き、チームメイトから最も愛される選手の一人となっている。今季ベルナベウで大きなブーイングを受けた際も、決して逃げ隠れせず、4月のアラベス戦でゴールを決めた後にはファンに向けて謝罪のジェスチャーを見せた。チームの調和を取り戻すため、自身のレストラン「Sixtyone」を貸し切ってチーム全員で夕食会を開いたり、自宅でのパデル大会を宣伝したりと、第4キャプテンとしての責任を全うすべく尽力している。エンバペの加入も心から喜び、最近もそれぞれのパートナーを交えて一緒に夕食をとるなど、二人の関係は非常に良好だ。
しかし、ピッチ上でその良好な関係が十分に反映されていないのも事実である。マドリードに深い愛情を持ち、ピッチ外でも健康的で幸せな生活を送っているビニシウスだが、親しい関係者には現在の状況に対する「うんざり感」を漏らしている。公にはマドリードに長く残りたいと語っているが、あと13ヶ月で切れる契約の延長にサインするためには、給与以外の部分でも変化が必要だと感じている。アメリカでのプレシーズンからシャビ・アロンソとの関係は「有害」だったと定義しており、アルベロアはマジョルカ戦で休ませるなど彼の健康に気を配っているものの、来季の監督が誰になるか不透明な状況が彼を不安にさせている。
現在、契約延長交渉は完全にストップしている。ビニシウスはエンバペと同額の給与と莫大な契約延長ボーナスを要求しているが、クラブ側はそれを支払うつもりはない。フロレンティーノ・ペレス会長は彼の最大の擁護者であり、市場に彼のような選手はいないとして残留を強く望んでいるが、一部のクラブ関係者はチーム再建のためにこの夏、ビニシウスかエンバペのどちらかを売却すべきだと考えている。
ピッチ上での彼の態度は相変わらず議論の的となっている。エスパニョール戦(ビニシウスの2ゴールで2-0で勝利)では、相手サイドバックのオマル・エル・ヒラリと試合開始直後から激しく衝突した。「Movistar Plus+」のカメラが捉えた映像には、ビニシウスが放った数々の暴言が記録されている。
『馬鹿げたことはやめろ。後でユニフォームを交換してくれと頼んでこい。お前はバカだ。喧嘩したいのか?』
『ちょっと待て、ボールが止まっているのにもう俺を掴んでいるじゃないか。なぜ押す必要があるんだ?いつも押してくる。俺は落ち着いているぞ、兄弟』
『お前は本当に下手くそだな。セグンダ(2部)に逆戻りだぞ、兄弟』
『お前はバカだ、本当にバカだ。バカだ』
さらにカルロス・ロメロに対してもオマルのことを指して『テレビに映りたくてバカなことをしている』と指摘し、エスパニョールのマノロ・ゴンサレス監督には『彼を交代させろ、退場になるぞ。退場になる』と叫んだ。
極めつけは、ヒル・マンサーノ主審がオマルにレッドカードを提示した際(後にVARの介入でイエローカードに訂正)、ビニシウスはピッチ上で『ハハ!よし!』と叫んで大喜びしたことだ。これに激怒したエスパニョールファンからは「ビニシウス、ビーチボール」というチャントを浴びせられたが、ビニシウスは笑顔でそれに応え、最終的に2ゴールを決めて見せた。彼の才能とコミットメントは疑いようがないが、その行動は常に火種を生み続けている。(via MARCA)(via Mundo Deportivo)(via SPORT)