エスパニョール戦での劇的勝利

⚽ 今季ホーム開幕戦となったラ・リーガ第3節、アノエタに31,884人の観衆を集めたエスパニョールとの決戦は、2対1での劇的な勝利となりました。開幕2連敗という最悪のスタートから脱出を図るべく、必死の覚悟で挑んだ一戦です。

試合は立ち上がりの4分、アンデル・バレネチェアがペナルティエリア手前から見事な右足のシュートを放ち、先制に成功します。前半は終始、圧倒的なペースでゲームを支配。高い位置からの連動したプレスが機能し、何度もエスパニョールゴールを脅かしました。しかし、前半終了間際の45分、不用意なパスミスから一瞬の隙を突かれ、ハビ・エルナンデスのクロスからロベルト・フェルナンデスに完璧なボレーシュートを突き刺され同点に追いつかれます。

重苦しい空気で折り返した後半、エスパニョールの攻勢に耐える時間もありましたが、62分にOrri・オスカルソンが値千金の追加点を挙げて勝ち越します。試合終盤には不可解な新ルールの判定に翻弄され、数的不利になるアクシデントに見舞われましたが、集中力を切らさずに守り抜き、貴重な勝ち点3を獲得しました。最下位から抜け出し、ようやく本来の姿を取り戻す第一歩を踏み出しています。(via Mundo Deportivo)

オヤルサバルの世界一セレモニーとスタジアムの光と影

👑 試合キックオフ前、41日前にワールドカップを制覇した頼れるキャプテン、ミケル・オヤルサバルを称えるセレモニーが執り行われました。オヤルサバルは一人ピッチへ現れ、W杯のレプリカトロフィーと金メダルをサポーターに向かって掲げ、感謝を示しました。

スタジアムの大半を占めるファンから拍手喝采と愛情溢れるオマージュが送られる一方で、スタジアムにはピリついた緊張感も漂いました。サポーター団体であるBultzadaのいるゴール裏スタンドは、スペイン代表としての戴冠式典に対する政治的抗議として、キックオフから最初の5分間、座席を意図的に空席にするボイコットを敢行したのです。スタンドにはバスク代表の公式化を求める「Euskal Herriak ofizialtasuna!」の横断幕が掲げられ、抗議の声も上がりました。しかし、一般観衆の多くは彼らのボイコットに対して激しい指笛と口笛で反発し、キャプテンを最大限の拍手でバックアップしました。

ピッチに立ったオヤルサバルは、まさに絶対的なエースとしての風格を見せました。前半4分のバレネチェアの先制点、そして後半62分のオスカルソンの勝ち越し弾の双方において、神がかった天才的なアシストを供給しました。彼が後半89分にピッチを退く際には、スタジアム中から割れんばかりのスタンディングオベーションが送られました。

ペレグリーノ・マタラッツォ監督は試合後、キャプテンへの賛辞を惜しみませんでした。

『ミケル・オヤルサバルは試合を決定づけ、決定的な違いを生み出す力を持った偉大な選手です。それと同時に、彼が持つ素晴らしいプロフェッショナリズムとチームスピリットは、このチーム、クラブ、そしてサン・セバスティアンという街のためにすべてを投げ打つ準備ができています。彼と一緒に働けることは信じられないほどの喜びであり、私たちは感謝しかありません。今日も間違いなく、ロッカールームにおけるMVPでした』(via NoticiasDeGipuzkoa)

オルリ・オスカルソンのバースデー決勝ゴール

🎂 この日、22歳の誕生日を迎えたばかりのアイスランド代表フォワード、オルリ・オスカルソンが、最高のバースデープレゼントを自ら手に入れました。後半62分、オヤルサバルからの完璧な縦パスを流し込み、チームに勝利をもたらす決勝ゴールを決めました。

前半は守備を固めるエスパニョールを前に孤立しがちな場面もありましたが、スペースを見抜いて飛び出すdesmarques al espacio(相手守備から逃れる動き)や、裏への鋭い diagonal(対角線のランニング)で相手守備陣を引っ張り続けました。そして絶妙な瞬間、オヤルサバルのスルーパスに連動して加速。冷静に相手キーパーの逆を突くシュートを右下隅に流し込みました。

マタラッツォ監督もその勝負強さとインテリジェンスに感動を隠せません。

『フォワードというポジションはチャンスを迎え、ある日は外し、ある日は決めるものです。オルリ・オスカルソンは一度ブレーキをかけ、その後完璧なタイミングで加速して見事なフィニッシュを見せました。彼はこれからも私たちのために多くのゴールをもたらしてくれるはずです』

アレクサンダー・セルロートが退団して以来、クラブが3年間追い求めていた本格派の9番は、オヤルサバルという最高の相棒とともに輝きを増しています。(via DiarioVasco)

ヘクトル・フォルトの完全移籍が正式発表

✍️ エスパニョール戦の劇的勝利のわずか数分後、クラブはFCバルセロナから期待の20歳DFヘクトル・フォルトを完全移籍で獲得したことを正式に発表しました。契約は2030-2031シーズン終了となる2031年までの超長期契約です。

フォルトはすでにサン・セバスティアンに到着してメディカルチェックを終え、このエスパニョール戦をスタジアムのVIPロイヤルボックスで家族やパートナーと共に見守っていました。

獲得に至る背景には、激しい争奪戦がありました。ドイツの強豪ボルシア・ドルトムントが1500万ユーロ近いオファーを用意して獲得を進めていましたが、バルセロナとの合意交渉に時間がかかる中、フォルト自身の「レアル・ソシエダに移籍したい」という熱い想いが勝り、今回の移籍が決定しました。

取引条件は、フォルトの保有権の60%を取得するためにソシエダが850万ユーロの移籍金をバルセロナに支払います。バルセロナ側は将来の買い戻しオプションを留保しており、2027年と2028年の夏は2000万ユーロ、2029年以降は2500万ユーロでの買い戻しが可能。フォルトの他クラブ向け契約解除金(違約金)は6000万ユーロに設定されました。

フォルトは日曜日からマタラッツォ監督率いるトップチームの練習に合流し、来週木曜日のセルタ・デ・ヴィーゴ戦でのデビューに向けて調整を開始します。また、空き番号の状況から、名誉ある背番号6番を背負うことが確実視されています。(via MARCA)

新ルール適用を巡る大混乱と指揮官の退場劇

⚠️ 後半アディショナルタイム、ピッチ上とスタジアム全体が怒りと混乱に包まれる異様な事態が発生しました。発端は、キーパーのアレックス・レミロが相手選手と激しく交錯し、肩を痛めてピッチに倒れ込み医療処置を要請したことです。

ここで今シーズンからラ・リーガに導入された新ルールが適用されました。これは「キーパーが治療を受けるためにプレーが停止した場合、時間稼ぎを防止する目的で、同チームのフィールドプレイヤーが1分間ピッチから外に出なければならない」という規則です。さらに、「監督は10秒以内にピッチを出る選手を審判に指定しなければならず、指定がない場合は自動的にキャプテンが退出させられる」という厳しい条項があります。

ソシエダ側は若手のアレックス・マルシャルを退出させようと動いていましたが、主審のオレジャーナ・シドとのコミュニケーションが間に合わなかった(あるいは遅れた)と判断され、最終的に守備の要であるキャプテン、イゴール・ズベルディアに一時退出を命じました。

相手の決定的なセットプレー(コーナーキック)という数的不利が許されない場面で、守備リーダーをピッチ外に追いやられた選手たちは猛抗議。ズベルディアにはイエローカードが提示され、これに怒りを抑えられなかったマタラッツォ監督と、アシスタントコーチのオメル・トプラクに立て続けにレッドカードが下され、一発退場となる最悪の混乱劇となりました。

試合後、マタラッツォ監督は納得のいかない胸中を明かしています。

『その瞬間は、何が起きたのか、なぜ退場させられたのか理解できず信じられない気持ちでした。審判に不適切な言葉は一切言っていません。これは新しいルールですが、キーパーが実際に医療治療をそれほど受けていないにもかかわらず、フィールドプレイヤーが外に出る必要がありました。審判が5秒前からのカウントダウンをしてくれれば対応できましたが、それがなかったのです。そのせいで混乱と興奮が生まれ、イゴールがピッチを出ることになりました。試合後に主審と話し、テクニカルエリアで多すぎる人員が騒いでいたことが退場の理由だと告げられました。それなら事前に「監督、人が多すぎるのでベンチを落ち着かせてくれ」と一言言ってくれれば、座って対応できたはずです。事前の警告も対話もなく、感情が高ぶるルールを前にして一発退場を出すのはあまりに過酷な判定です。オメル・トプラクも同様に、セットプレーの守備位置を指示していただけなのに退場になりました。決定には同意できませんが、従うしかありません。なお、レミロは現時点では怪我の心配はなく良好です』(via DiarioVasco)

UEFAヨーロッパリーグ全日程とチケット制限数

🇪🇺 UEFAより、ヨーロッパリーグ・リーグフェーズの具体的な日程とキックオフ時間が公式発表されました。ソシエダのヨーロッパへの進撃は、9月17日のボーンマス戦からスタートし、来年1月28日のユヴェントスとの大一番で締めくくられます。

具体的な日程は以下の通りです。

第1節:9月17日 21:00 ボーンマス戦(ホーム)

第2節:10月15日 18:45 ユニオン・サン・ジロワーズ戦(アウェイ・ベルギー)

第3節:10月22日 21:00 リールストロム戦(アウェイ・ノルウェー)

第4節:11月5日 18:45 オリンピック・リヨン戦(ホーム)

第5節:11月26日 21:00 クリスタル・パレス戦(アウェイ・ロンドン)

第6節:12月10日 21:00 トレエンセ戦(ホーム)

第7節:1月21日 18:45 ヴィクトリア・プルゼニ戦(ホーム)

第8節:1月28日 21:00 ユヴェントス戦(アウェイ・トリノ)

アウェイチケットの割り当てについては、ファンによる熾烈な争奪戦が予想されます。トリノのユヴェントス・スタジアム(約2,075席)やロンドンのクリスタル・パレス戦(約1,274席)は十分な数が確保されますが、リールストロム戦(約527席)やベルギーのユニオン戦(約501席)は収容人数が少なく、極めてプラチナ化する見通しです。ただし、ファンへの経済的配慮から、UEFAの規定によりアウェイの入場チケット最高額は35ユーロ(約35ユーロ)に固定されています。

また、11月5日のリヨン戦が、宿敵アスレティック・ビルバオとの激しいバスク・ダービー(サン・マメス)のわずか数日前に行われるという厳しい連戦日程も明らかになりました。一方で、過酷な極寒期を避けた10月のノルウェー遠征は、気候の面で有利な条件となっています。(via DiarioVasco)

久保建英の起用とテーピングへの懸念

🇯🇵 久保建英は今季初のベンチスタートとなり、後半78分にルカ・スチッチとの交代でピッチに入りました。しかし、すでにチームが2対1で勝ち越して逃げ切る時間帯であったため、攻撃での決定機に絡むシーンはほぼありませんでした。

試合終盤は右サイドバックのアラムブルをサポートするために守備のタスクを多くこなし、献身的な姿勢は見せました。しかし、ファンやメディアを心配させているのが、久保がピッチで巻いていた非常に大きなテーピング(包帯)の存在です。ワールドカップ以降、まともな休息やコンディション調整が進んでいない中、怪我や痛みを抱えたまま無理にプレーしているのではないかという懸念が強まっており、今後のコンディション管理が不透明であるとして、現地メディアから怪我の再発や不調に対する不信の声が出始めています。(via NoticiasDeGipuzkoa)

復活を遂げた選手たちと個別評価

📝 エスパニョール戦で勝利を収めたチームは、個々の選手たちにも大いなる復活の兆しが見られました。

守備を支えたセンターバックのイゴール・ズベルディアは、文句なしの最高評価「8」を獲得。チェルシーから期待の新戦力ママドゥ・サールが加入したことで高い競争意識が芽生えたのか、ハビ・エルナンデスやドランの決定的なシュートを完璧なタックルで阻止する神がかったプレーを連発し、守備をコントロールしました。なお、サールの父親であるパプ・サール氏もアノエタのピッチを訪れており、息子に向けて『バスク人に対しては全力を捧げなければならない。ファンが期待するのはそれだけだ。ピッチで楽しんで戦い抜け』と、愛のある金言を送っています。

右サイドを制圧したアラムブルは評価「7」で、持ち前の闘志で何度も競り合いを制しました。左サイドのセルヒオ・ゴメスは評価「6」で、完璧なトラップと美しいクロスでいくつもの得点チャンスをお膳立てしました。

今季初先発を飾ったカルロス・ソレールは評価「6」。31分に完璧なコーナーキックからズベルディアのヘディングシュートを導いたものの、まだ本来のベストフォームには遠く、本来のスピードを取り戻すには試合数をこなす必要があります。

一番の朗報は、恥骨結合炎(pubalgia)による4ヶ月の長期離脱を乗り越えたジョン・ゴロチャテギの復活です。後半90分にピッチに立つと、守備の局面で頭でクリアするなど元気なプレーを披露しました。また、カンテラ出身の若手アレックス・マルシャルもアノエタで初デビューを飾り、高い戦術理解度と冷静な「静かな自信」を随所で見せ、オスカルソンの決定機を演出しました。マタラッツォ監督も『マルシャルは非常に完成度が高く、技術的で守備もしっかり走る。まるで新しい戦力を手に入れたかのように心強い存在だ』と絶賛しています。(via ElDesmarque)

【本日の総括】

宿敵エスパニョール戦を2対1で勝利し、ついに今シーズン初勝利を収めたレアル・ソシエダ。ミケル・オヤルサバルの天才的かつ圧巻の2アシスト、オスカルソンの価値あるバースデー決勝弾、そして若い新鋭マルシャルの鮮烈デビューなど、非常に明るいニュースが多い特別なホーム開幕戦となりました。試合後にはバルサからヘクトル・フォルトの獲得も正式決定。新ルールを巡る判定トラブルや久保のテーピング、監督らの退場といったアクシデントはありましたが、ここからチームは最下位を脱出し、ラ・リーガとヨーロッパリーグに向けて大きな飛躍を遂げる準備が整いました。