コスタ・デル・ソル杯での前代未聞の退場・ボイコット劇:アルベロア監督の激昂とフルアムのPK戦拒否、無人のゴールに沈んだ決勝点

ラ・ロサレダで開催された伝統のプレシーズンマッチ、コスタ・デル・ソル杯のマラガ対フルアムの一戦は、親善試合の枠を完全に超えた前代未聞の超現実的な結末を迎えました。

試合は2-2の同点で終わり、本来であればトロフィーの行先を決めるためにPK戦が実施される予定でした。しかし、試合終了間際にフルアム側にハンドの判定が下り、これによってマラガが同点に追いついたことにフルアムを率いるアルバロ・アルベロア監督が激怒。審判団に猛烈な抗議を行い、最終的にレッドカードを提示されて退場処分となりました。ラ・ロサレダのスタンドを埋めたマラガのサポーターからは、ピッチを去る元レアル・マドリードのディフェンダーに対して『バカ、バカ』という大ブイングの合唱が浴びせられました。

この退場劇の直後、さらなる異常事態が発生しました。フルアムの選手たちがサポーターへ挨拶を済ませた後、PK戦を行わずにそのままロッカールームへと引き揚げてしまったのです。フルアム側は後に、PK戦を行う合意は事前の試合契約書には含まれておらず、もしPK戦を行えばイギリスへの帰国便に間に合わなくなる恐れがあったためと説明しました。

この突然のボイコットに対し、ピッチ上に残されたマラガの選手たちやサポーターは困惑するしかありませんでした。フルアムに今夏新加入したフォワードの選手は、メディアの問いかけを避けて『おやすみなさい』とだけ言い残してスタジアムを去り、レアル・マドリード・カスティージャからフルアムに加わったセサール・パラシオスも『本当に何が起きたのか分からない。何も知らないんだ』と戸惑いを隠しませんでした。

マラガのミッドフィールダー、ラモン・エンリケスもまた、驚きを隠せない様子で以下のように心境を吐露しました。

『私たちも何が起きたのか分からない。一部の人はこう言っていたし、他の人は別のことを言っていた。ペナルティキックを蹴りたかったし、残り時間をプレーしたかったので、私たちはポカンとしてしまった。みんなと同じように驚いている。このようなことが起きたのは人生で初めてだ』

この前代未聞のドタバタ劇に対し、マラガ側はユーモアを交えて対応することを選択しました。相手ディフェンダーもゴールキーパーも誰もいない無人のピッチで、エネコ・ハウレギがからっぽのゴールに向かってPKを蹴り込み、見事ネットを揺らしました。マラガはフルアムのボイコット(試合放棄)に伴い、自らコスタ・デル・ソル・セバダス・ビクトリア杯の優勝を宣言し、駆けつけた大勢のサポーターとともにトロフィー獲得を笑顔で祝福しました。(via ElDesmarque)

プレシーズンの伏兵エネコ・ハウレギの大躍進:圧倒的な得点効率と開幕戦スタメン争いへの電撃浮上

チームが1部昇格を決めたセレモニーの最中には構想外の立場に置かれていたバスク人ストライカー、エネコ・ハウレギが、プレシーズンを通じて驚異的な大躍進を遂げ、チームの絶対的な主役に躍り出ました。

1部昇格に伴い、ハウレギの立場はそれほど大きく変わらないと見られていましたが、クラブは昨シーズンの2部でのパフォーマンスを評価して残留を選択。この決断が、プレシーズンに完璧な形で報われることになりました。彼は今夏行われた5試合の親善試合で、チーム最多となる合計3ゴールを記録し、プレシーズンの得点王(ピチーチ)に輝いたのです。

彼の残したスタッツの価値は、ピッチ上に立っていた時間の短さを考慮するとさらに凄まじいものになります。ハウレギが今夏のプレシーズンで得た出場時間はわずか157分間であり、これはファーストチームに所属する3人のストライカーの中で最も短い数字です。それにもかかわらず、じつに52分に1ゴールという極めて高い得点効率を叩き出しました。アル・アラビ戦で2ゴールを挙げ、前述のフルアム戦での無人ゴールへのPKで3点目をマークしています。

競合する他のストライカー陣と比較しても、チュペテが216分間の出場で2ゴール(108分に1ゴール)、アドリアン・ニーニョが183分間の出場で2ゴール(91分に1ゴール)となっており、ハウレギの効率性は群を抜いています。

さらに、後述するアドリアン・ニーニョの右脚の負傷によって、8月19日に控えるアトレティコ・マドリードとの開幕戦では、ハウレギがチュペテに次ぐセカンドストライカーとして先発、または重要な切り札として起用されることが確実となりました。当初の序列を実力で完全に覆し、最高の状態で真剣勝負の開幕を迎えます。(via MARCA)

開幕直前に押し寄せる深刻な負傷ドミノとCB陣の危機:アドリアン・ニーニョの肉離れとフネス監督の戦術的苦悩

8月19日の水曜日21時00分に敵地シビタス・メトロポリターノで行われるアトレティコ・マドリードとのラ・リーガ開幕戦をわずか数日後に控える中、マラガのロッカールームに深刻な負傷の暗雲が立ち込めています。

先日発生したフェルナンド・カレロおよびカルロス・ドトルの負傷離脱に続き、今度は期待の若きアタッカー、アドリアン・ニーニョが戦線を離脱することになりました。ニーニョはフルアムとの親善試合に先発出場したものの、前半わずか11分に右脚のふくらはぎ(ヒラメ筋)に激しい痛みを訴えて途中交代。その後の精密検査の結果、ヒラメ筋の肉離れが確認され、回復までに数週間の離脱が必要であると診断されました。これによりアトレティコとの開幕戦を欠場することが確定しました。

木曜日に行われたトレーニングでは、ミッドフィールダーのフアンペ・ヒメネスとアアロン・オチョアが別メニューによる部分的な調整を行うに留まりました。また、カルロス・ドトル、フェルナンド・カレロ、ディエゴ・ムリージョ、ムサ・ディアラの4選手については、グラウンドに姿を現すことなく、施設内での回復・治療プロセスに専念しました。

特にセンターバックのポジションにおける人員不足は致命的であり、フネス監督は開幕の守備陣の構築に向けて頭を悩ませています。監督は会見で、以下のように守備のやり繰りに対する本音を吐露しました。

『現在のディフェンスラインの状況は、私たちが決して望んでいたものではない。しかし、私たちは強い意志と決意を持ってこの現実に立ち向かわなければならない。プレシーズンでレシオとエイナールは非常に素晴らしい安定感を見せてくれたし、いざとなればイサンをセンターバックにコンバートしてプレーさせる選択肢もある』

また、指揮官は今回のプレシーズン期間全体の短さについても、以下のように悔しさを滲ませています。

『今回の準備期間は本当に短かった。しかし、1部の高い競争力にリズムを合わせるための良いステップは踏めている。本音を言えば、あと6週間はプレシーズンが欲しかったし、今回のフルアム戦のような高いインテンシティの親善試合をあと4、5試合はこなしたかった。なぜなら我々は別のカテゴリーに足を踏み入れたのであり、これから対戦する相手はこれまでとは比較にならないほどフィジカルが強靭だからだ』(via Mundo Deportivo / ElDesmarque)

2連続昇格の功労者ダニ・サンチェスの電撃退団とカディス移籍交渉:フネス監督が贈った愛と感謝の別れの言葉

マラガの左サイドバックとしてチームの躍進を支え、ファンからも絶大な愛を集めていた地元出身のダニ・サンチェスが、フルアム戦を最後にクラブに別れを告げることが正式に決定しました。

サンチェスはマラガの下部組織で育ち、3シーズン前にチームが3部(プリメラ・フェデラシオン)に所属していた苦しい時期に復帰。そこから驚異的な粘り強さでチームを引っ張り、2部への昇格、そして今夏の1部(ラ・リーガEAスポーツ)昇格という、奇跡的な2連続昇格の偉業を達成した功労者です。

しかし、フネス監督の構想からは外れており、新シーズンに向けた選手登録や枠の確保のために放出されることになりました。監督はフルアム戦後の記者会見において、自らの教え子であり熱狂的なマラガファンでもある彼に対し、最大限の賛辞と感謝の言葉を贈りました。

『彼は真のマラギスタであり、マラガという街の息子だ。ロッカールームにこれ以上ないほどの多大な喜びとポジティブな雰囲気をもたらし続けてくれた彼に対し、クラブ全体が永遠に感謝し続けるだろう』

サンチェスとマラガの契約は2027年まで残されていますが、すでにセグンダ(2部)の複数のクラブから彼に対して熱心なアプローチが届いています。その筆頭が、左サイドバックのレギュラーであるアリバスが長期離脱となる大怪怪を負い、緊急で左サイドバックの補強を必要としているカディスCFです。カディス側はすでにダニ・サンチェスを最優先ターゲットに定めており、数日中にも移籍交渉が正式に合意に達し、新天地でのキャリアをスタートさせる見込みです。(via ElDesmarque / Mundo Deportivo)

新シーズンに挑むマラガのプレシーズン総括と収穫:フィジカルの壁に立ち向かう指揮官の確かな手応え

激動のプレシーズンを終えたマラガは、今夏の準備期間において計5試合の親善試合を消化しました。

その戦績は、サウジアラビアのアル・イテハドに2-2、イングランドのレスターに3-3と引き分け、カタールのアル・アラビに4-2で勝利、フルアム戦は2-2からの相手ボイコットによる変則的な勝利となり、敗戦はセウタにキープされた1敗のみという、非常に安定的で高い得点力を示した準備期間となりました。チームは5試合でじつに12ゴールを挙げており、その内訳はハウレギが3ゴール、チュペテが2ゴール、アドリアン・ニーニョが2ゴール、アアロン・オチョアが2ゴールを記録し、アイタム、ドトル、ホアキン・ムニョスがそれぞれ1ゴールずつを記録しました。

フネス監督は、フルアムとのプレシーズン最終戦について、以下のように戦術的な分析と今後の1部リーグへの手応えを語っています。

『前半の立ち上がりと後半の立ち上がりの時間帯において、相手のプレッシャーに大きく苦しめられた。フルアムは非常に強靭なフィジカルを持つ優れたチームだった。それでも、選手たちが見せてくれた献身的な仕事とパフォーマンスには大いに満足している。1部のピッチでは、このような高いフィジカルの壁に毎週末ぶつかることになるが、私たちはしっかりと良いプロセスをたどって準備を整えている』(via ElDesmarque)

【本日の総括】

マラガCFの男子チームは、プレシーズン最終戦となったフルアム戦での前代未聞のPK戦拒否・ボイコット劇という異常な珍事に見舞われながらも、コスタ・デル・ソル杯を制して夏の準備を終えました。しかし、功労者ダニ・サンチェスの退団決定や、アドリアン・ニーニョ、フェルナンド・カレロ、カルロス・ドトルらの相次ぐ負傷離脱、そして深刻なセンターバック陣の不足は、8月19日に控えるアトレティコ・マドリードとの開幕戦に向けてフネス監督に極めて過酷な試練を突きつけています。それでも、プレシーズンで52分に1ゴールという驚異的な得点効率を示した伏兵エネコ・ハウレギの大躍進や、5試合12ゴールを叩き出した攻撃の破壊力を武器に、伝統の青白の軍団は強靭なフィジカルを誇る1部ラ・リーガの壁に不屈の闘志で挑みます。