アルテム・リバク 育成部門が下したユベニールB留任とインサイドハーフ定着の決断
ウクライナ国籍で16歳の攻撃的ミッドフィールダー、アルテム・リバクは、FCバルセロナの育成部門による明確な成長計画のもと、今季はユベニールBにとどまり着実な実戦経験を積むことが決まった。ラ・マシアでも屈指の逸材と評価されながら、あえて飛び級昇格を抑えて成長の土台を固めるクラブの慎重な姿勢は、育成哲学の好例として注目を集めている。
母国で続く軍事衝突の影響により家族とともにバルセロナへ避難してきたリバクは、名門シャフタール・ドネツクのアカデミーからラ・マシアに加入し、今季で5シーズン目を迎えた。インファンティルBから順調にカテゴリーを駆け上がり、昨季はカデーテのリーグ戦で圧巻のプレーを披露したうえで、上級カテゴリーにあたるユベニールBでも8試合に出場している。今夏のプレシーズンではユベニールAの練習や親善試合に参加し、高い技術と卓越した創造性で周囲を魅了したことから、飛び級昇格の可能性が取り沙汰されていた。
ユベニールAのポル・プラナス監督も彼の実力を高く評価したものの、アレサンコやアンドレス・マンサーノ、さらにコーディネーターのセルジ・ミラといった育成部門の責任者たちは、今季セスク・ボッシュ監督率いるユベニールBでフル稼働させる結論を出した。二つのカテゴリーを行き来させる中途半端な起用を避け、競争の激しいリガ・ナシオナル・ユベニールでチームの軸として責任とプレー時間をあたえることが、将来にとって最善だと判断されたためだ。過去に急激な飛び級によって成長速度が乱れた若手の経験を教訓とし、ユベニールAへの引き上げは負傷者が出た場合などの緊急時に限定するという方針が徹底されている。
さらにクラブは起用ポジションについても重要な決断を下しており、これまで務めてきた偽9番や右ウィングから、10番の位置にあたるインサイドハーフへ固定する方針を打ち出した。左足から繰り出される創造性や縦への推進力を生かし、中盤と前線をつなぐ司令塔としてゲームを支配する役割を担わせる狙いがある。高い技術と勝負強さを兼ね備えたウクライナU-17代表の才能は、2027年4月17日に17歳の誕生日を迎えるまで、さらなる進化を目指して研鑽を積んでいく。
今季すでにユベニールBで公式戦2試合に出場しているリバクは、日曜日12時から開催されるコルネジャ戦でもチームを勝利へ導くキーマンとして期待を集めており、試合の模様はバルサ・プレイを通じて生中継される予定だ。育成部門の手厚い管理のもとで着実にステップを登れば、シーズン後半戦にはユベニールAやバルサ・アトレティコへの扉が自然と開かれていくはずだ。つまり、目先の昇格よりも揺るぎない実戦力を養うことこそが、トップチームへの最短ルートになるということだ。(via SPORT)
