W杯決勝のハーフタイムショーと長すぎる休憩問題

当初FIFAから両チームに伝えられていた17分というハーフタイムの予定は完全に無視され、27分以上という異例の長さとなった。スーパーボウル形式のショーが強行され、マドンナがロナウドとロナウジーニョが運転するオープンカーに乗って登場するという衝撃的な幕開けとなった。続いてオーケストラの指揮者グスターボ・ドゥダメル、K-POPグループのBTS、ジャスティン・ビーバーが弾き語りを披露。最後はシャキーラとバーナ・ボーイが登場し、今大会の公式ソングを英語で熱唱した。しかし、長すぎるショーのステージ設営と撤収のせいでピッチへの散水もできず、SNSでは両国のファンから『選手たちのことなんて誰も気にしていない』『ショーのせいで30分も待たされている』と批判が殺到した。(via MARCA)(via SPORT)(via Mundo Deportivo)

メットライフ・スタジアムの劣悪なピッチ状態

決勝戦の舞台となったメットライフ・スタジアムのピッチ状態は最悪だった。ボールの転がりが遅く、バウンドも不規則で、選手のコントロールに多大な影響を与えた。FIFAは事前に17日間試合を入れず芝の保護に努めたものの効果はなく、ハーフタイムの音楽ショーによって芝生が巨大な布で覆われたため、さらなるダメージを受けた。ハーフタイムの終わりにスペイン代表のベンチスタッフがスプリンクラーの向きを手動で直して水を撒こうとする一幕もあったほどだ。元エルチェ監督のエデル・サラビアはSNSで『給水タイムにピッチに水をまくべきだ』と激怒し、ファンからも『ボールが全く走らない』『W杯の決勝にふさわしくない恥ずべき芝生だ』と不満が噴出した。(via SPORT)(via MARCA)(via Estadio Deportivo)

トランプ元大統領とサンチェス首相のVIP席での遭遇とトロフィー掟破り

VIP席では政治的なライバル関係にあるドナルド・トランプ元米大統領とスペインのペドロ・サンチェス首相が顔を合わせ、短い言葉を交わして握手した。トランプは防衛費問題や通商問題でスペインを厳しく批判し、関係を断つとまで脅した経緯があるが、この日はプロトコルに従い友好的に振る舞った。トランプは試合前、FOXスポーツに対して『お気に入りは選ばないが、メッシに逆張りするのは難しい。アルゼンチンの大統領は私の良き友人で素晴らしい仕事をしている』と語った。さらに、試合中にFIFAのインファンティーノ会長の指示で、トランプのいるVIP席までW杯のオリジナルトロフィーが運ばれ、トランプが実際に触り、叩くというプロトコル無視の異例の場面もあった。FIFAの規程では元首などの限られた人物しか触れることが許されない神聖なトロフィーの特別扱いに、SNSで大きな議論を呼んだ。(via SPORT)(via MARCA)(via Mundo Deportivo)

ヤマルの家族の話題:弟ケイン君のフィーバーと、自宅待機の父への侵入事件

ラミン・ヤマルの弟、ケイン君がスペイン代表の非公式マスコットとして大人気となっている。決勝戦でもパウ・パトロールの帽子をかぶり、青く染めた髪でスタンドから応援する姿がカメラに抜かれた。ヤマルは『弟が幸せそうにしているのを見るのが本当に感動する。彼は僕にとって全てで、息子みたいなものだ』と深い愛情を語り、試合後にはスタンドに駆け上がって抱きしめた。一方で、ヤマルの父ムニル・ナスラウイはてんかんの持病があるためアメリカには渡航しなかった。ムニルは『私はてんかん患者で、毎日たくさんの薬を飲まなければならない。興奮で発作が起きるかもしれないから、家で見るのが一番だ』とテレビ番組で明かした。さらに大会中、バルセロナにあるヤマルの自宅(ピケとシャキーラが以前住んでいた家)に目出し帽をかぶった侵入者が現れ、警備員が通報して警察が介入する事件が発生。ムニルは弁護士に対応を依頼し、侵入者を『恥知らず』と非難した。(via MARCA)(via SPORT)

メッシとヤマル、19年前の奇跡のユニセフカレンダー

決勝前のピッチで、メッシとラミン・ヤマルが握手を交わし、言葉を交わして笑顔を見せる感動的な瞬間があった。この2人の関係は19年前の2007年に遡る。SPORT紙、バルサ財団、ユニセフが共同企画した2008年用のチャリティカレンダーの撮影で、当時20歳でブレイクし始めていたメッシが生後数ヶ月の赤ちゃんだったヤマルを抱き抱える写真が撮影されていた。このカレンダーの販売収益はユニセフに全額寄付され、恵まれない子供たちへの支援に充てられた。ヤマルが選ばれたのはキャスティングではなく、近隣住民から無作為に選ばれた偶然の巡り合わせだった。ヤマルの父親が大会中にSNSでこの写真を公開したことで世界中で話題となり、今やサッカー界の歴史的な一枚として語り継がれている。(via SPORT)(via Mundo Deportivo)(via Esport3)

高騰するチケット価格とボルハ・イグレシアスの苦言

決勝戦のチケット価格が異常な高騰を見せた。公式の最安値でも約8,000ドル、VIP席の転売では50,000ドルを超える価格がつけられ、アメリカのスポーツ界で最も高価とされるスーパーボウルを凌ぐプラチナチケットとなった。この状況に対し、スペイン代表メンバーでありセルタに所属するボルハ・イグレシアスが自身のSNSでチケット価格のスクリーンショットを共有し、『恥ずべきことだ』と強い言葉で批判した。労働者階級の娯楽として始まったサッカーが、一般のファンをスタジアムから遠ざけ、富裕層向けのビジネスになりすぎていることへの怒りを代弁した形となった。(via ElDesmarque)(via Esport3)

決勝戦アクセス大混乱とメディア同士の争い

メットライフ・スタジアムの周辺では、キックオフの数時間前から大混乱が発生した。トランプ元大統領やサンチェス首相、スペイン国王フェリペ6世などのVIPが多数来場したため、FBIやシークレットサービスによる厳重なセキュリティチェックが敷かれた。しかし、金属探知機ゲートが6つ、荷物用スキャナーが3つしか稼働しておらず、ジャーナリストやスタッフが2時間以上も列に並ぶ事態に。さらに、別のゲートに誘導された数百人が結局入場できずに元の列に戻った際、割り込みとみなされて怒鳴り合いや小競り合いに発展し、世界最大のスポーツイベントらしからぬ無秩序な状態となった。(via MARCA)(via Estadio Deportivo)(via ElDesmarque)

エムバペの誤爆投稿とトゥヘル監督との談笑炎上

3位決定戦でイングランドに敗れたフランス代表のキリアン・エムバペが、ピッチ外で二つの騒動を起こした。試合の数時間後の深夜、エムバペは自身のInstagramストーリーに、スペイン人女優エステル・エクスポジトがフランス代表のキャプテンマーク付きユニフォームを着ている写真を投稿。数秒で削除したものの、スクリーンショットが急速に拡散した。親しい友人限定で投稿しようとして誤爆したのではないかと推測されている。さらに、試合のハーフタイムには、0-4で大敗している状況にもかかわらず、かつての恩師であるイングランドのトーマス・トゥヘル監督と笑顔で冗談を言い合いながらロッカールームに下がる姿がカメラに捉えられ、フランス国内のファンから激しい怒りを買った。(via Mundo Deportivo)(via ElDesmarque)

ラビオがフランス代表のチームメイトを公然と批判

3位決定戦でイングランドに敗れた後、フランス代表のアドリアン・ラビオがチームメイトの態度を公然と批判した。ラビオは『前半の恥ずかしい入り方だった。今まで見たこともないような一部の選手の振る舞いを見た。大会の最後にこんな姿を見せるなんて容認できない』と語気を強めた。さらに『ハーフタイムに話し合い、プライドを見せなければならないと意見が一致した。後半は改善したが、前半の態度は受け入れがたいものだった』とロッカールームでの内情も暴露し、手酷い敗戦のショックとチーム内の亀裂を浮き彫りにした。(via MARCA)(via Estadio Deportivo)

エンソ・フェルナンデスのメッシへの手紙と退場劇

決勝戦の後半アディショナルタイム、パウ・クバルシへの悪質な足裏タックルで2枚目のイエローカードを受け、退場処分となったアルゼンチン代表のエンソ・フェルナンデス。彼は10年前にメッシが代表引退を示唆した際、SNSで『代表をやめないで』という長文の手紙を公開していた。エンソは今大会中のインタビューで、『小さい頃にあの手紙を書き、いつか彼と一緒にプレーできる日を夢見ていた。神様が彼と一緒にプレーする瞬間をプレゼントしてくれた』と語っていた。憧れのメッシと共に戦う決勝の舞台で、皮肉にもレッドカードで自らピッチを去る結末となった。(via MARCA)(via SPORT)

アグエロとラポルテのSNSでのイジり合い

決勝前、アイメリク・ラポルテがアルゼンチンのプレースタイルを『許されるべきではないほどアグレッシブだ。レフェリーが見逃している行動がある』と批判した。これに対し、マンチェスター・シティ時代の元チームメイトであるセルヒオ・アグエロがSNSで即座に反応。『何を驚いてるんだ? 会った時はビビってるくせに、いきがるなよ』と挑発的なメッセージを投稿し大きな話題に。しかし、アグエロはすぐに『冗談が通じないのか? ラポルテと僕は友達だよ』と釈明し、単なる仲の良い友人同士の悪ふざけであったことを強調した。(via ElDesmarque)

フリアン・アルバレス移籍を巡るアトレティコCEOとバルサ会長の舌戦

フリアン・アルバレスのバルセロナ移籍を巡り、場外乱闘が勃発した。アトレティコ・マドリードのミゲル・アンヘル・ヒル・マリンCEOは、バルサのジョアン・ラポルタ会長を痛烈に批判。『彼は完全に自分のサーカスのために行動している。ファンやメディアとのゲームを楽しむ軽薄な人間だ。一番ひどいのはフリアン本人まで巻き込んでいることだ』と非難し、1億ユーロや2億ユーロのオファーでも売らないと断言した。一方、フリアン・アルバレス本人は、以前アトレティコ側が『適正なオファーがあれば放出を認める』と約束していたにもかかわらず、それが守られていないことに激怒している。ラポルタ会長は『大クラブは不満を持つ選手を抱えておく余裕はないはずだ。我々のオファーの期限は月末までだ』と応戦し、事態は泥沼化している。(via SPORT)(via MARCA)

ジョアン・カプデビラのビザ拒否騒動からの大逆転

元スペイン代表で2010年W杯優勝メンバーのジョアン・カプデビラが、決勝を観戦するためにアメリカへ渡航しようとした際、思わぬトラブルに見舞われた。10年前にイランで元選手による親善試合を行った記録があったため、アメリカのESTA(電子渡航認証)が自動的に拒否されてしまったのだ。カプデビラはSNSで『ドナルド・トランプ、助けてくれ!』と懇願。有名シェフのホセ・アンドレスもアメリカ政府高官やFIFAに支援を求める投稿を行った。時間切れで絶望的と思われたが、最終的に何らかのルートで入国許可が下り、かつてのチームメイトであるマルコス・セナと共に無事にニューヨーク行きの飛行機に乗り込むことができた。(via ElDesmarque)(via Esport3)(via Estadio Deportivo)

スージー・コルテスの過激なタトゥー公約とマクレガーの巨額ベット

ピッチ外の熱狂は過激さを増している。ブラジル人モデルのスージー・コルテスは、『アルゼンチンが優勝したら、親密な場所にメッシの新しいタトゥーを入れる。世界中に衝撃を与えるだろう』とSNSで公約した。彼女はすでにメッシの顔やサイン、背番号10など7つのタトゥーを彫っている。一方、総合格闘家のコナー・マクレガーは、アルゼンチンが3-2で勝利するという正確なスコア予想に10万ドルをベットした。当たれば360万ドルの大金を手にする。マクレガーは、5年前にネットユーザーがこのスコアを予言していたことを信じて賭けたと明かしている。(via Mundo Deportivo)

政治的背景:イスラエルのアルゼンチン支持とパレスチナのスペイン支持

決勝戦を巡って中東の政治的背景も色濃く反映されている。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領に電話をかけ、『我々はあなたとアルゼンチンを様々な形で支持する。グッドラック!』とエールを送った。イスラエル大使とサッカーボールをヘディングでパス交換する動画も公開された。対照的に、パレスチナ側はスペイン代表を強く支持している。スペイン政府がパレスチナを国家として正式に承認したことや、ラミン・ヤマルがバルセロナのリーグ優勝パレードでパレスチナ国旗を身にまとっていたことが、パレスチナの人々がスペインに熱狂する大きな理由となっている。(via ElDesmarque)

バルセロナのメッシ&ヤマル壁画が地元クラブファンに落書きされる

バルセロナのグラシア地区にあるマヌエル・トレンテ庭園に、アーティストのAxe Colours氏によって描かれたメッシとラミン・ヤマルが見つめ合って微笑む美しい壁画が、完成からわずか数時間後に無残にも落書きで塗りつぶされた。『グラシアではCEエウロパだけ。モダンフットボール反対』というスプレー文字が上書きされており、グラシア地区を拠点とするプリメーラ・フェデラシオン所属のクラブ、CEエウロパの過激なサポーターによる犯行と見られている。エリートクラブや商業化されたサッカーに対する反発が、アート作品の破壊という形で表れた。(via Mundo Deportivo)

アメリカの絵本が決勝カードと結果を完全予言

アメリカの書店で、W杯開催の数ヶ月前に出版された子供向けの絵本が発見され、SNSで大反響を呼んでいる。その絵本には、なんとスペイン対アルゼンチンの決勝戦の様子が描かれており、さらには試合の最終結果まで明確に記載されていたのだ。動画で共有されたこの奇妙な偶然に、『予知夢だ』『タイムトラベラーが書いたのか』と、キックオフを前にオカルト的な盛り上がりを見せている。(via MARCA)

クリスティアーノ・ロナウドの自宅プールと亡き息子へのオマージュ

ポルトガル代表としてW杯を終え、サウジアラビアでのプレシーズン合流前に休暇に入っているクリスティアーノ・ロナウドが、自身のInstagramで超豪華な自宅の様子を公開した。室内プールとつながる広大な屋外プールや、快適なリラックススペースを披露。映像の中で特に注目を集めたのは、壁に描かれた天を指差す小さな天使の絵だった。これはジョージナ・ロドリゲスとの間に生まれ、生後間もなく亡くなった息子アンヘル君(スペイン語で天使の意味)への心温まるオマージュであった。(via Mundo Deportivo)

広告代理店dentsuの粋な計らい:アルゼンチン優勝ならアルゼンチン人社員は休みに

広告代理店のdentsuが、W杯決勝に向けて粋な社内キャンペーンを発表した。スペインが優勝することを願っているとしつつも、もしスペインが負けてアルゼンチンが優勝した場合、スペインのオフィスで働くすべてのアルゼンチン人従業員に対して、翌日の月曜日を特別休暇にすると決定したのだ。理由は『オフィスで長すぎるからかい合いを避け、ユーモアと良好な関係を保つため』というもので、勝敗に関わらずスポーツマンシップを大切にする配慮が話題となっている。(via SPORT)

【本日の総括】

ワールドカップ決勝という歴史的な舞台の裏側では、トランプ元大統領の掟破りな行動や、ハーフタイムショーによるピッチの破壊など、商業主義が引き起こした混乱が目立ちました。一方で、メッシとヤマルの19年越しの再会や、エンソ・フェルナンデスの手紙のエピソードなど、サッカーのロマンを感じさせる話題も尽きません。政治、SNSでの炎上、巨額のマネー、そして家族の愛。ピッチ外で起きたこれらすべての要素が、今回のワールドカップを単なるスポーツの大会以上の、世界規模のエンターテインメントへと押し上げています。