【CL初戦に暗雲
本拠地サンティアゴ・ベルナベウで行われるチャンピオンズリーグ(CL)開幕戦のインテル戦を前に、大きな試練が立ちはだかりました。アルダ・ギュレル、エドゥアルド・カマヴィンガ、そして新加入のベルナルド・シウバの主力3選手が、出場停止処分のためこの大一番を欠場することが確定しました。
この欠場はUEFAの厳格な規律規程によるものです。3選手は昨シーズンのCL最終出場試合においてそれぞれレッドカードを提示されており、この処分はシーズンをまたいでも消滅しません。カマヴィンガとギュレルはバイエルン・ミュンヘン戦での退場処分、ベルナルド・シウバは前所属のマンチェスター・シティ時代にレアル・マドリード戦で受けた退場処分が適用されています。UEFAの規定(第63.01条および63.05条)により、一発退場による出場停止処分は自動的に翌シーズンに引き継がれ、移籍先の新クラブでも適用されます。過去にもオクスレイド=チェンバレンがベシクタシュ在籍時の処分を、3年後にセルティックで消化せざるを得なかった前例があります。
これにより、中盤の要である3人を一度に失うことになり、指揮官のジョゼ・モウリーニョは頭を悩ませています。特にギュレルとベルナルド・シウバは開幕からチームのゲームメイクを担ってきた存在であり、カマヴィンガも守備に強度をもたらす貴重なピースでした。インテルというイタリア王者を迎える開幕戦に向け、中盤の構成をチュアメニの回復を待ちながら、バルベルデを中心に再編成する困難なタスクに直面しています。(via MARCA)
【ベリンガム復活の戦術
ジュド・ベリンガムが今シーズン、早くも3試合で2ゴール2アシストを記録し、前節のマラガ戦でも圧巻のゴールと追加点の起点となるなど完全復活を果たしています。公式戦40試合で8ゴール5アシストに留まり、ピッチ上で戸惑いを見せていた昨シーズンからの劇的な変化を支えるのは、ジョゼ・モウリーニョの明確な戦術配置です。
モウリーニョは、ベリンガムが昨シーズン、守備の穴を埋めるために「もう一人の左サイドバック」のように過度な守備奔走を強いられ、ゴールから遠い位置で疲弊していた問題を見抜いていました。この確信は、モウリーニョが昨シーズンにベンフィカを率いてレアル・マドリードと3度対戦した際、ベリンガムが左深くまで戻って守備をする弱点を戦術的に徹底して突きまくった経験から得たものです。指揮官はベリンガムと対話し、お互いに『もう左サイドバックのような守備はさせない』と約束しました。
ベリンガムは今、中盤の深い位置ではなく、完全にFWと連携するトップ下(メディアプンタ)に固定されています。モウリーニョは「もし彼を6番や8番で起用すれば、ゴールへの脅威という最大の武器を失うことになる」と語り、攻撃にその走力を特化させています。先日のエスパニョール(コルネリャ)戦でも、ギュレルのクロスに飛び込んで開始9分で先制ゴールを決めるなど、その効果は抜群です。昨シーズンは後ろに下がって諸問題を解決せざるを得ませんでしたが、今シーズンのベリンガムが後ろに下がるのは「攻撃のために勢いをつける一瞬」だけであり、もう完全にゴール前に君臨しています。(via SPORT)
【B・シウバの新境地
今夏に加入したベルナルド・シウバが、早くもレアル・マドリードの心臓として機能しています。本来は右ウィングを主戦場としていたポルトガル人MFですが、ジョゼ・モウリーニョの強い要望により、2024年にトニ・クロースが退団して以来空席となっていたゲームメーカーの役割を託され、ダブルボランチの一角(ピボーテ)として起用されています。
この新境地でのコンバートが大成功を収めており、隣で並び立つフェデ・バルベルデとの絶妙な補完関係により、チームに圧倒的なポゼッションと完璧なバランスをもたらしています。専門家であるフリオ・マルドナード(マルディーニ)氏も、ベルナルド・シウバがボールを持った際の圧倒的なスピードとパスの精度を大絶賛し、彼のビルドアップから生まれた美しいゴールを『まるで芸術作品のようだ、彼はチームの鍵を握る存在だ』と語りました。また、レジェンドであるホルヘ・バルダーノ氏の言葉を引用し、『ベルナルド・シウバがこのままゲームの組み立てを担い続ければ、今のレアル・マドリードには実質的に一切の死角がない』と評しています。
かつてクラブは同ポジションの補強候補としてロドリ(バルセロナへ移籍)やエンソ・フェルナンデス(マンチェスター・シティへ移籍濃厚)も検討していましたが、ベルナルド・シウバの獲得こそが最高の正解であったことが証明されています。(via SPORT)
【新星エスピの裏話
レバンテから2500万ユーロ(契約期間は2031年6月30日まで)で加入し、エスパニョール戦では終了間際の90分に決勝ゴールを挙げた21歳、1.94メートルの大型FWカルロス・エスピ。その謙虚で献身的な姿勢から、守護神クルトワからはすでに親しみを込めて「ホセル・ジュニア」と呼ばれています。
エスピは現在、ジョゼ・モウリーニョや同じく新加入のマーク・ククレジャ、コーチスタッフらと共に、クラブの練習施設バルデベバスの宿舎で寝食を共にするという異例の同居生活を送っています。モウリーニョは『彼はスターだらけのチームに人間らしさをもたらす存在だ。夢の中に生きているようでありながら、決して地に足が浮いておらず、5分でも95分でもチームのために戦う準備ができている』と絶賛し、他の選手たちへの完璧な模範としてエスピの名を挙げています。
この若き怪物のマドリー移籍は、わずか4日間という驚異的なスピードで決定しました。エスピ自身も『マドリーからの電話に断るなんて不可能だった。とても嬉しく思っている。しかし誰にも言えず、友達や祖母たちにも一切内緒で、一人でスーツケースを持ってマドリーへやってきた』と、当時の電撃的な裏側を振り返っています。また、エスピを温かく見守る祖母マリアとコンチンの存在も話題です。マジョルカ戦でレバンテを救うゴールを決めた際、スタンドへ駆け上がってハグを交わしたほど仲が良いものの、マリアは非常に厳格で、エスピがゴールを決めて活躍した日であっても『何もできていなかった』とミスを容赦なく指摘するそうです。この厳しい祖母マリアとコンチンとのプレゼンテーション時のスリーショット写真は、常に初心を忘れないエスピの生き方を表しています。(via SPORT)
【リュディガー極貧の記憶
今夏に契約を1シーズン延長し、今やチームの守備に欠かせない闘将アントニオ・リュディガーが、自身が育ったベルリンのノイケルン地区での壮絶な幼少期を明かしました。現在は華やかなプロフットボールの頂点に立つ彼ですが、そのルーツは極貧の中にありました。
シエラレオネからの移民である母親とドイツ人の父親のもとに生まれ、当時はまだ治安が悪く荒れていたノイケルンで育ったリュディガーは『私の幼少期は貧困そのものだった。食べ物と飲み物があること自体が裕福な証拠で、テーブルの上にチキンが一皿載っていれば、その日はまるでお金持ちになったかのような気分だった』と語っています。また、路上での喧嘩は日常茶飯事の厳しい環境でした。
特に彼の胸に深く刻まれているのが、8歳のときのエピソードです。学校の課外授業に行くために母親に数ユーロのおねだりをした際、母親は何もくれませんでした。リュディガーは『傷ついたのはお金をくれなかったことではなく、お金をあげたいのにどうしてもあげられない母の悲しそうな顔を見たことだった。胸が張り裂けそうになり、このときから、自分は今すぐ男にならなければならないと心に誓った』と振り返っています。
幼少期の彼の夢は、特定のビッグクラブでプレーすることではなく、ただ『一生懸命働いて、家族を助け、育ててくれた恩を返すこと』だけでした。当時はレアル・マドリードの白いユニフォームに袖を通すことなど想像すらしていなかった少年が、今や世界最高のクラブで戦い、ドイツ代表としてワールドカップの舞台に立つという美しいシンデレラストーリーを体現しています。(via Estadio Deportivo)
【ククレジャへの厚遇
今夏のワールドカップ直前に加入し、スペイン代表の2つ目の星(世界制覇)獲得に貢献したマルク・ククレジャ。前節のマラガ戦で見事スタメンデビューを果たした彼とその家族に対し、クラブから驚くほど手厚い歓迎のプレゼントが贈られていたことが、パートナーであるクラウディア・ロドリゲスの公式YouTubeチャンネルで明らかになりました。
クラウディアは『マラガ戦の当日の朝は自宅でバタバタと大変な時間を過ごしましたが、息子のマテオが午後には希望を失わない素晴らしい体験を味わせてくれました』と振り返り、クラブから贈られた詳細なギフトを紹介しました。
そのプレゼントの数々は実に豪華絢爛です。
・子供たち全員へ:父親の「CUCURELLA」のネームと背番号、そしてククレジャの加入合意日である「2026年6月15日」が刻印されたマドリーの公式ファーストユニフォームの特製フルキット
・クラウディアへ:彼女用の公式ユニフォームと、高級ブランド「Loewe(ロエベ)」の小銭入れ(財布)
・家族全員へ:新スタジアム・サンティアゴ・ベルナベウの精巧なミニチュア模型
・ククレジャ本人へ:彼の名前、レアル・マドリードのクラブエンブレム、そして「2026年6月15日」の契約記念日が美しくパーソナライズされて刻印された「Hublot(ウブロ)」の特注限定高級腕時計
このあまりにも粋で細部まで行き届いたクラブの計らいに、クラウディアも興奮を隠せず『本当にこのクラブが大好き。私は細かなディテールを大切にするタイプなので、これは運命であり、素晴らしいファンタジーです』と喜びのコメントを残しています。(via SPORT)
【モウリーニョ会見の持論
リーグ3連勝を飾ったマラガ戦の前後に行われたジョゼ・モウリーニョ監督の記者会見では、ピッチ内外における指揮官の含蓄あるコメントが並びました。
まず、多くの負傷者を抱えるチームの最新状況について、中盤の要であるオーレリアン・チュアメニが最も復帰に近い状態であることを明かしました。ただしモウリーニョは『本人は強く出場を望んでいるが、感情をコントロールし、100%の状態で復帰させるために焦らず少し待つのが賢明だ』と話し、慎重を期す考えを示しています。一方でミリトン、ロドリゴ、アセンシオの3選手に関しては、復帰までさらに厳しい時間を要する見込みです。
また、メディアによる試合メンバーの事前漏洩(リーク)問題についても、モウリーニョならではの泰然とした持論を述べました。『メンバーが事前にメディアに漏れたとしても、大きなドラマではない。心配なのは、3バックへの変更や2トップの採用など、通常と全く異なる構造的・戦術的な大幅変更を施す試合で漏洩することだ。ククレジャが先発か、それともカレラスかといった程度の違いが事前に知られても、私にとっては何の痛手でもない』と語りました。
さらに代表ウィークへの懸念について、『代表戦で長期間選手が離脱することは非常に心配だ。特に代表に行って試合に出場しない選手たちのコンディション管理が難しい。イタリア代表を率いる親友のカルロ(アンチェロッティ監督)とは、密に連絡をとってデータを共有できるから安心だが、友情や信頼関係のない他の代表監督の場合は非常に複雑になる。選手たちのプロ意識を信じるしかないが、怪我が多発するこの時期は気が気でない』と本音を吐露しました。
最後に、マドリー所属選手たちのバロンドール獲得の可能性について問われると、熱いベリンガム支持を表明。『うちにはバロンドールを狙える最高峰の選手が3、4人はいるが、その中で歴史を作るのはやはりジュド(ベリンガム)だ。バロンドールはロナウジーニョ、ロナウド、メッシ、ジダンのように、引退した後に永遠にその不在が惜しまれるような“真の価値を持つ選手”に与えられるべきもの。ただワールドカップやユーロで勝ったからというだけで与えるべきではない。それなら、素晴らしいチームを作り上げた監督のルイス・エンリケやデ・ラ・フエンテに与えるべきだ。世界最高の選手はPSGやスペイン代表ではなく、ここ(マドリー)にいる』と言い切り、ベリンガムを強く後押ししています。(via MARCA)
【カスティージャの激変
今夏の移籍市場の最終盤、レアル・マドリードの育成組織「カスティージャ」でも激しい血の入れ替えと再建ドラマが巻き起こっています。
まず、クラブはカスティージャの再建を完遂させるため、セントラルMFのラティフ・イスマン(Latif Issman)の獲得交渉を急ピッチで進めています。報道によれば、イスマンの契約解除金は50万ユーロに設定されていますが、両クラブは移籍金の交渉による完全移籍での決着に向けて非常に進んだ段階にあります。今夏のカスティージャは、セサール・パラシオス、マヌエル・アンヘル、ハコボ・オルテガといった昨季の主力級がこぞって退団し、チアゴ・ピタルチがトップチームに昇格したことで中盤の再構築が急務となっていました。すでに獲得済みのセルヒオ・マルティネス、オスカル・ナーセイ、ラヤン・ジネビに続き、イスマンが加入すればこの夏の「4人目の補強」としてラストピースになります。
また、22歳のDFダビド・ヒメネス(David Jiménez)がレアル・オビエドへ完全移籍(2029年までの契約)することも正式発表されました。移籍金はゼロのフリー移籍ですが、マドリーは将来の売却時に50%の移籍金を受け取れる権利(保有権の半分)を確保しています。昨季はコパ・デル・レイのタラベラ戦でシャビ・アロンソ監督のもとでトップチームデビューを果たし、ラ・リーガのメスタージャでのバレンシア戦でも先発出場、カスティージャでは30試合1ゴール8アシストを記録した実力派の右サイドバックです。
そして、多くのマドリディスタから愛された「お守り」こと、プエルトリコ代表FWジェレミー・デ・レオン(22)が1部RFEFのサン・アンドレウへ完全移籍することが決定し、涙の別れを告げました。デ・レオンは2024年の15回目のCL制覇時、大会メンバー未登録でありながら、アンチェロッティ監督の迷信深い性格(お守り・招き猫のような役割)から、シティ戦やバイエルン戦、ウェンブリーでの決勝などすべての欧州遠征に帯同し、お祝いのピッチ上でも選手たちと喜びを爆発させたことで有名です。
デ・レオンはInstagramにて、ジュド・ベリンガムやルーカス・バスケスからエールを受ける中、感動的な別れのメッセージを投稿しました。
『プエルトリコにいた頃からこのユニフォームを着ることを夢見ていました。いつも心にあるクラブでした。実現できたことは一生感謝しきれない特権です。痛まないと言えば嘘になります。夢に見たクラブを離れ、私にとって非常に大きな意味を持つ場所を去るのは辛いです。それでも、このエンブレムを胸に戦い、世界最高のチームの一員であれたという誇りは誰にも奪えません。それは一生私と共にあります。この道のりで特に誇りに思うのは、かつてプエルトリコで夢を見ていた少年がそれを成し遂げたと振り返られることです。私の物語が、島にいる子供たちに「やればできる」ということを示すきっかけになれば幸いです。どこから来たか、夢がどれほど遠く見えるか、不可能な理由を何度言われようが関係ありません。大きく夢を見てください。自分を信じ、自分の限界を他人に決めさせないでください。想像もできない場所にたどり着けるはずです。忘れない夢もあります。ただ別の道を歩むだけです。どんなことがあっても愛し続けます。Hala Madrid 今日もこれからも。』と、故郷の子供たちへの熱い希望を語り、マドリーへの深い感謝を示しました。(via SPORT / Mundo Deportivo / MARCA)
【本日の総括】
チャンピオンズリーグ開幕戦を控える中、ギュレルやカマヴィンガ、ベルナルド・シウバの出場停止という「知られざる出場停止問題」が発覚した一方で、モウリーニョ体制下でのベリンガムの戦術的完全復活や、ベルナルドのアンカー適応など、ピッチ上では確かな手応えが掴まれています。また、カスティージャでもイスマンの獲得交渉が進むなど、未来に向けた再構築の手綱を緩めないマドリー。新加入ククレジャへの厚いサポートや、エスピやリュディガーの人間味あふれるバックストーリーも、この最強チームの「ピッチ外の調和」を象徴しています。
