テルジッチ新体制初のプレシーズン総括と見えた課題
エディン・テルジッチ新監督が初めて指揮を執った今夏のプレシーズンは、8月14日の金曜日にアタランタ戦での敗戦を喫する形で全日程を終えました。チームは今夏合計で8試合を消化し、その戦績は5勝2敗1分けとなりました。テルジッチ監督はこの準備期間を通じて多くの手応えを得たものの、チームに対して早くも明確な要求を突きつけています。特にロスト直後のリカバリースピードの遅さや、攻撃陣の決定力の低さについて、いくつかの不満点を隠そうとしませんでした。チーム攻撃の核となるニコ・ウィリアムズがプレシーズンの最終盤になって合流したこともあり、彼をアタランタ戦に招集せず、万全の状態で新シーズンの公式戦デビューを迎えさせるなど、焦らずに調整を進めている状態です。(via Estadio Deportivo)
アタランタ戦のテストを経て残留を勝ち取った新星ゲレナバレーナ
昨季はパブロ・エルナンデス監督が率いるカステリョンへレンタル移籍し、セグンダで39試合に出場して2ゴール2アシストをマークし一気に台頭したベニャト・ゲレナバレーナ。今夏はテルジッチ監督のもとで4つの親善試合を戦い合計180分以上のアピールを重ねていましたが、最終テストとなったアタランタ戦ではガラレタと中盤の底でペアを組み70分間プレーしました。その献身的なプレーが指揮官の心を掴み、今夏の放出プランを完全にストップさせてファーストチーム残留を掴み取りました。ゲレナバレーナは指揮官と直接「英語」で対話を行い、その場で『すべてを捧げるために戻ってきます』と強い意志を語っていました。カステリョンへの再レンタルを望む声や、アルメリア、さらにはバスク人若手を熟知するメンディリバル率いるオリンピアコス、イタリア、ベルギー、イングランド、スコットランドなどの複数クラブから問い合わせがあったものの、これら全ての移籍話を白紙に戻してサン・マメスでのデビューに備えています。なお、彼の現在の契約は2027年6月までとなっており、今後の交渉状況にも注目が集まります。(via Estadio Deportivo)
新シーズンの背番号決定と各ポジションの大移動
土曜日のセビージャとの開幕戦を前に、新生ビルバオの公式登録背番号が正式に発表されました。特筆すべき変化として、昨季は深刻な膝の重傷によってほぼ全てのシーズンを棒に振ったベニャト・プラドスが、アルメリアへと完全移籍したミケル・ベスガの後を継いで栄光の『6』を背負います。また、長年にわたりイニゴ・レクエ(現役を引退)が着用していた『15』は若き右サイドバックのウーゴ・リンコンが引き継ぎ、ファーストチームとしての一歩を大きく踏み出しました。これらに加え、アレックス・パディージャがゴールキーパーでお馴染みの『13』を、アレハンドロ・レゴが昨季の『30』から格上げされた『20』を、そしてゲレナバレーナが『24』を着用して正式にトップチーム登録選手としての名誉を得ています。また、23歳未満のペイオ・カナレスは規定に沿ってBチームの『28』を使用するものの、実質的に一軍の一員として稼働します。(via Estadio Deportivo, Mundo Deportivo)
開幕セビージャ戦へ向けた怪我人とコンディション調整の不確定要素
サン・マメスにセビージャを迎える今週末のラ・リーガ開幕戦を前に、テルジッチ監督はいくつかの懸念事項に直面しています。まず、プレシーズン得点王として大車輪の活躍を見せていたゴルカ・グルセタが、イタリア遠征前の練習中に打撃を受けてアタランタ戦を欠場しました。ただ彼の状態は深刻ではなく、間もなく全体練習へ戻る見込みです。一方で、右太もめの長内転筋付着部を痛めているダニ・ビビアンは、恥骨に大きな制限を抱えた状態が続いており、プレシーズンの親善試合を全休。現在も屋外練習にすら参加できていない深刻な状態にあります。また、合流が遅れたニコ・ウィリアムズとラポルトに関しては、スタメン起用されるための絶対的なコンディションが整っているか疑問視されており、テルジッチ監督の起用決断が待たれます。ウナイ・シモンは前述の二人と同じタイミングで合流しアタランタ戦で90分間プレーしましたが、キーパーというポジション特有の調整スピードがあるため、開幕戦に照準を合わせている状態です。(via Mundo Deportivo)
ウナイ・ベンセドールとアンドニ・ゴロサベルの厳しい放出劇
スポーツディレクターのミケル・ゴンサレスは、現在もチームの不要人員を整理するための交渉を進めています。その中でも、すでにテルジッチ監督の戦力構想から外れているウナイ・ベンセドールは、新シーズンのファーストチーム背番号を剥奪されるという厳しい扱いを受けています。ベンセドールは1部リーグでのプレーを最優先に待ち望んでいますがオファーが一切なく、このままでは要求を下げて2部へ移籍するか、契約解除の道を歩む他ありません。一方で、当初は『2』を背負うとされている右サイドバックのアンドニ・ゴロサベルについても、クラブは高給である彼の負担を減らしてウーゴ・リンコンを台頭させる目的から、オサスナやラシン・サンタンデールと粘り強い交渉を行っています。現時点で相手側からの提示額が希望額を下回っていますが、市場の最終局面に向けて安値で妥協せざるを得ない展開が予想されます。(via ElDesmarque, Estadio Deportivo, Mundo Deportivo)
アルバロ・ジャロの現状と不透明な去就
今夏、レサマに戻ってきたアルバロ・ジャロは、新シーズンに向けて非常に大きな疑問符(不透明な立ち位置)を突きつけられています。巨額の移籍金で獲得されたものの、パフォーマンスの低さから昨季はカタールのアル・ガラファへとレンタル移籍に出されていましたが、買い取りオプションは行使されませんでした。ジャロ自身は今夏にテルジッチ監督に直談判し、監督からも『落ち着いて自信を持て』と声をかけられましたが、プレシーズンでの出場時間は219分と、ロベルト・ナバーロ(417分)やアレックス・ベレンゲル(328分)の後塵を拝しています。クラブとしては彼の将来について未だ頭を痛めているものの、現在は他の主力放出案件が最優先されているため、テルジッチ監督は彼をチームに残留させるか、あるいは再び市場に出すかを判断する時間を一時的に得ている状態です。(via Estadio Deportivo, ElDesmarque)
ビルバオ・アスレティックからスイスへの若手移籍と育成の動き
下部組織の動きも活発化しており、ビルバオ・アスレティック(Bチーム)の22歳ミッドフィールダー、マネックス・ギベラルデがスイスのグラスホッパーへ完全移籍することが合意に達しました。この契約には、将来的な売却時に移籍金の一部がビルバオに還元されるパーセンテージ留保の条項が含まれています。ギベラルデは昨季にレアル・ソシエダの下部組織から加入し、ヨキン・アランバッリ監督のもとで24試合に出場していました。また、同じくソシエダの下部組織からビルバオに加入したエデル・ガルシアについては、コルドバへのレンタル移籍が決定。さらにチームは今シーズン、Bチームからミケル・サントス、モンリアル、ヨハネコ、セルトン、ギフト、イエロの6名をラ・リーガに登録し、テルジッチ監督がいつでもトップチームで呼び出せるよう万全の体制を整えました。(via Mundo Deportivo, Estadio Deportivo)
【本日の総括】
エディン・テルジッチ新監督のもとでプレシーズンを終えたアスレティック・ビルバオ。ビビアンの恥骨トラブルやニコ・ウィリアムズのコンディション調整といった不安要素を抱えながらも、ゲレナバレーナの残留決定や若手の大胆な背番号昇格など、ポジティブな新陳代謝が進んでいます。ベンセドールやゴロサベルの放出作業を迅速に成立させつつ、新戦力ジャロの処遇をどう見定めるかが、今週末のセビージャ戦、ひいては市場閉幕に向けた大きな鍵となるでしょう。
