ホーム開幕戦はセビージャに1-3の敗戦!開始11分の退場劇に泣いたテルジッチ体制の初陣

エディン・テルジッチ監督の公式戦初陣となったラ・リーガ第2節。本拠地サン・マメスにセビージャを迎えた一戦は、開始早々の退場劇とミスが重なり、1-3という非常に手痛い黒星スタートとなりました。

アスレティック・ビルバオにとっては、前節のバルセロナ戦が延期されていたため、これが今シーズン初めての公式戦。ビルバオの伝統の祭りである Aste Nagusia (アステ・ナグシア)の時期とも重なり、スタジアムは大いなる熱気と興奮に包まれていました。しかし、開始わずか11分に左サイドバックのユリ・ベルチチェが一発退場となり、この数的不利がゲームプランを大きく狂わせました。

先制点を許したのは前半15分。ディフェンダーのアイトール・パレデスがキーパーのウナイ・シモンへのバックパスを躊躇し、そこへ相手の猛烈なプレスがかかります。シモンの不十分なクリアを拾われ、最後は Joaquín Martínez 'Oso' に無人のゴールへ押し込まれました。

後半に入ると、さらにセビージャの Chidera Ejuke に素晴らしいループシュートを沈められて2点目を失い、その10分後にはクリアミスから Isaac Romero に3点目を奪われました。

10人のアスレティック・ビルバオも最後まで意地を見せ、70分にコーナーキックから Yeray Álvarez が競り合ったこぼれ球をパレデスが鋭い右足ボレーで叩き込んで1点を返しました。しかし、反撃もそこまでとなり、テルジッチ監督の記念すべき初陣を白星で飾ることはできませんでした。(via Estadio Deportivo / Mundo Deportivo / MARCA)

「レッドカードは間違い」元審判員たちも一発退場の判定に疑問符!物議を醸す審判のジャッジ

試合の最大のターニングポイントとなったユリ・ベルチチェの退場処分を巡り、ピッチ外では大きな議論が巻き起こっています。

前半11分、相手の Miguel Sierra と接触したユリに対し、César Soto Grado(セサール・ソト・グラード)主審は迷わずレッドカードを提示しました。主審はユリを「最後方のディフェンダーによる決定的な得点機会の阻止」である DOGSO(ドグソ)と判断しましたが、この判定には多くの専門家が異を唱えています。

元審判員のイトゥラルデ・ゴンサレス氏やエストラーダ・フェルナンデス氏は、シエラがルーズボールに対してコントロールを完全に失っていたため、確実な得点機会には該当しないと分析しました。彼らは『これはファウルとイエローカードが妥当であり、ビデオ判定であるVARが介入してレッドカードを撤回すべきだった』と指摘しています。

さらに、15分のセビージャの先制点の場面でも、ウナイ・シモンが相手フォワードからの接触によりクリアを阻まれたとファウルを主張しましたが、専門家たちは『ウナイ・シモンの判断ミスであり、ファウルではない』と見ています。75分に相手がエリア内で Laporte を掴んだ場面についても、通常の競り合いの範囲内とされ、判定は終始アスレティックにとって厳しいものとなりました。(via Estadio Deportivo)

「敗戦の責任は私にある」テルジッチ監督が語るミスへの厳しい自己批判と次戦への闘志

審判の判定に不満が集まる中、エディン・テルジッチ監督は会見で主審への批判を一切口にせず、敗戦の責任は自分にあると語る潔さを見せました。

指揮官は公式戦初陣の敗北を受け、次のように厳しい自己批判を展開しました。

『主審の判定についてコメントするつもりはありません。私が語るべきなのは、自分たちのプレー内容と、ここからどのように改善していくかということだけです。今日の敗戦の責任は選手たちではなく、私にあります。試合に向けて準備は完璧に行いました。前夜には選手たちと個別の対話を持ち、マッチアップの指示を与え、今朝のミーティングでも高いモチベーションを共有していました。試合前の雰囲気もウォーミングアップ時も非常に素晴らしく、とても良い感触を得ていました。しかし、ピッチに立ってから最初の15分間、その期待した感触は消え失せてしまいました。私たちはボールを失いすぎ、不注意なミスを重ね、簡単に失点してしまいました。守備においては常に最悪の事態を悲観的に想定して対応しなければならないのに、不注意な単純ミスで自ら危険な状況を招いてしまったのです』

しかし、指揮官は次節に向けてすでに前を向いています。

『今夜の敗戦に対して大きなフラストレーションと失望を感じています。ですが、明日の朝になれば、私の中の楽観主義者が目を覚まし、次の試合で再び戦うための準備を整えているはずです』(via Estadio Deportivo)

輝きを放ったカンテラの若き牙!ベニャト・ゲレナバレーナとウーゴ・リンコンの公式戦デビュー

敗戦の中にあっても、カンテラ(下部組織レザマ)から這い上がってきた若き世代の躍動は、アスレティックに大きな光をもたらしました。

テルジッチ監督は、中盤のボランチにベニャト・ゲレナバレーナ(23歳)とペイオ・カナーレスの若手コンビを先発で起用するという大胆な決断を下しました。昨シーズンをカステリョンへのレンタル移籍で過ごし、他クラブからの関心を受けながらも復帰したゲレナバレーナにとって、これが待望のファーストチーム公式戦デビューとなりました。

ゲレナバレーナは83分に交代するまで、10人という数的不利の過酷なピッチで素晴らしいインテンシティを見せ、サポーターに大きな感動を与えました。試合後、彼は自身の記念すべきデビューを次のように振り返りました。

『このデビューに向けて期待と興奮が大きく、何年も夢見ていた瞬間だったので、まるで頭の中で何度も経験したことのように感じられました。このような瞬間は人生に一度きりです。ピッチに入る前、監督とは英語で「すべてを捧げるために戻ってきた」と話し、自分らしく、教わったことを信じてすべてを出し切れと背中を押されました。家族や恋人、友人たちからの温かいサポートを感じられた、本当に特別な日になりました。仕事は必ず報われます。これからも毎日戦い続けます』

また、74分には、昨シーズンはジローナへのレンタルを経験した23歳のDFウーゴ・リンコン(Hugo Rincón)も、パレデスの負傷交代に伴いピッチに投入され、嬉しいファーストチームデビューを果たしました。ラポルトやジェライ、ビビアンといった名手がひしめく厳しいポジション争いの中で、リンコンもまた存在感を示しています。(via Estadio Deportivo / Mundo Deportivo)

ダニ・ビビアンの負傷欠場と構想外メンバーの去就!中盤の序列変更と移籍市場の動向

チームのディフェンス陣の絶対的な要であるダニ・ビビアンは、7月6日のプレシーズン開始からわずか10日後に、右脚の長内転筋付着部炎を患ってしまい、今回の公式戦に向けても回復が間に合わず欠場を余儀なくされました。

また、中盤の要として期待されたベニャト・プラドスは、昨シーズンに膝の重傷を負ってほぼ全休した影響もあり、現在のテルジッチ監督の序列では5番手(カナーレス、ハウレギサル、ルイス・デ・ガラレタ、ゲレナバレーナの後ろ)まで下がっており、今回はベンチに甘んじ出場はありませんでした。

さらに、ピッチ外におけるチーム整理の動きも進んでいます。

テルジッチ監督は、今夏に加入したばかりのディフェンダー、アンドニ・ゴロサベル(Andoni Gorosabel)と、若手フォワードのニコ・セラーノ(Nico Serrano)の2名を完全に「構想外」とみなしています。ゴロサベルは負傷を抱えてプレシーズンマッチで一度も起用されず、セラーノもわずか60分の出場に留まっており、クラブは移籍市場の閉幕(デッドライン)までに彼らの放出を進めていく方針です。(via ElDesmarque)

誰もが恐れる負の金字塔!開幕戦の通算敗戦数でラ・リーガワースト単独トップを更新

アスレティック・ビルバオにとって、このセビージャ戦での黒星は、歴史的な不名誉な記録をさらに更新する結果となってしまいました。

今回の1-3の敗戦により、アスレティックはラ・リーガ1部(プリメーラ)の歴史において、開幕戦(初戦)の通算敗戦数が「37回」に達しました。これにより、お隣のライバルであるレアル・ソシエダ(36回)を上回り、ラ・リーガ史上最も開幕戦で黒星を喫したワーストクラブの単独トップに立ちました。

これまで歴代の新監督たちの多くが開幕戦で勝ち点を得ていましたが、今回の敗戦により、テルジッチ監督は不名誉な記録に名を連ねることとなりました。(via Mundo Deportivo / MARCA)

勝ち点0から始まる過酷なスケジュール!バルサ、セルタ、アトレティコとの試練の連戦

黒星スタートとなったアスレティックですが、ここから待ち受けるリーグ序盤の日程は、極めて過酷な試練の連続です。

次節は、ハンス・フリックが率いるバルセロナとの敵地モンジュイックでのアウェイゲーム(延期されていた第1節)を戦います。調整遅れから今回はベンチスタートとなった世界王者のアイメリック・ラポルトやニコ・ウィリアムズの先発復帰が待たれるところです。

さらにその次には、クラウディオ・ジラルデス監督が好スタートを切ったセルタ・デ・ヴィーゴとのアウェイ戦(バライードス)が控えており、8月の最後にはディエゴ・シメオネ率いるアトレティコ・マドリードをサン・マメスに迎えます。強豪たちとの過酷な連戦を前に、テルジッチ監督がどのようにチームを再建し、初勝ち点をもぎ取るか、真価が問われる戦いが始まります。(via Estadio Deportivo / Mundo Deportivo)

【本日の総括】

エディン・テルジッチ新監督の公式戦初陣は、開始11分におけるユリの不運な退場処分や、ウナイ・シモンらのクリアミスが重なり、セビージャに1-3で敗れる厳しいものとなりました。ユリへのDOGSO判定を巡ってはピッチ外でも大きな議論を呼んでいますが、指揮官は言い訳を一切排除し、自らの責任を認めて前を向いています。しかしその一方で、カンテラから昇格して大観衆の前で物怖じしないプレーを見せたベニャト・ゲレナバレーナとウーゴ・リンコンという「若き leones (ライオンたち)」の公式戦デビューは、敗戦の暗雲を振り払うほどに眩い輝きを放ちました。延期分のバルセロナ戦、そしてセルタ、アトレティコと続く過酷な死のロードに向け、チームの精神的なバウンスバックと再構築に注目が集まります。