ルイス・カストロ監督による奇跡の1部残留と長期契約更新
レバンテにとって今シーズンはまさにジェットコースターのような激動の1年となりました。昨年12月の時点では、シウダ・デ・バレンシアに冷たい風が吹き荒れ、2部降格の恐怖がチームを包み込んでいました。第17節終了時点で獲得した勝ち点はわずか10にとどまり、残留ラインからは6ポイントも離された絶望的な状況にありました。
そんな中、スペインサッカー界では無名だったポルトガル人のルイス・カストロ監督が就任します。彼の穏やかで落ち着いたキャラクターは、うつむきかけていたチームを再び立ち上がらせるのに最適な特効薬となりました。カストロ監督は的確な決断力でチームをまとめ上げ、奇跡的な巻き返しを見せて1部残留という偉業を成し遂げました。この歴史的な逆転劇はグラノータの歴史に金文字で刻まれることになります。クラブはこの素晴らしい手腕を高く評価し、カストロ監督との契約を2028年まで自動更新しました。これにより、来季以降のプロジェクトにも大きな安定がもたらされることになります。
(via SPORT)
カンテラ出身カルロス・エスピの大ブレイクと代表候補入り
カストロ監督の偉業をピッチ上で牽引した最大の立役者が、背番号19を背負うカンテラ出身の若きストライカー、カルロス・エスピです。彼は今シーズンなんと11ゴールを叩き出す大活躍を見せ、自らの力でスターダムへの扉をこじ開けました。
彼の快進撃は、カストロ監督の初陣となったセビージャ戦でのトップチーム初ゴールから始まりました。そこからの成長スピードは凄まじく、最終的にはスペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督が作成する代表候補の予備リストに名を連ねるまでに至っています。カンテラを最大限に活用した指揮官の信頼に見事に応えた形となりました。
(via SPORT)
指揮官の戦術にフィットした選手と明暗が分かれた選手たち
監督交代を機に、多くの選手が劇的にパフォーマンスを向上させました。ケルビン・アリアガ、ホン・アンデル・オラサガスティ、マティアス・モレノ、マヌ・サンチェス、パブロ・マルティネス、オリオル・レイ、そしてデラといった面々が指揮官の戦術を体現し、奇跡の残留に大きく貢献しました。
一方で、すべての選手が恩恵を受けたわけではありませんでした。エッタ・エヨンとカルロス・アルバレスの2人は、残念ながら新監督の戦術にはうまくフィットすることができず、チームが上昇気流に乗る中で厳しい立場に置かれることとなりました。
(via SPORT)
厳しい財政事情を支えた2人のスポーツディレクター
今季のレバンテを語る上で欠かせないのが、ピッチ外でチームを支えたフロント陣の尽力です。レバンテのサラリーキャップはラ・リーガで最も低く、資金面で非常に厳しい制約を強いられていました。
その過酷な条件の中で、1年前にクラブがチーム編成の全権を託したのが、エクトル・ロダスとホセ・ヒラという2人のスポーツディレクターでした。彼らアーキテクトが限られた予算の中でやりくりし、12月にルイス・カストロ監督を招聘するという最大のギャンブルに勝ったことが、今シーズン最も羨望を集める成果へと繋がりました。
(via SPORT)
最終節ベティス戦の敗北と勝ち点42での劇的な残留決定
自力での1部残留を確定させるためには引き分け以上が必要だった最終節、レバンテはホームにレアル・ベティスを迎え撃ちました。しかし試合は1-2で敗北を喫してしまいます。
それでも運命の女神はレバンテを見放しませんでした。他会場の結果により、レバンテは勝ち点42で並んだオサスナと共に、当該チーム間の直接対決の成績で上回ったため、土壇場で1部残留を果たすことになりました。今シーズンの総失点は61と、守備面での課題を露呈する1年となりましたが、最後まで諦めない闘争心と誇りが報われる結果となりました。
(via Estadio Deportivo)
レンタル移籍イケル・ロサダの躍動と指揮官からの大絶賛
ベティスからレンタルで加入していたイケル・ロサダも、シーズン途中で劇的に運命が変わった選手の一人です。前半戦、フリアン・カレロ前監督の下ではほとんど出場機会を与えられず、ベティス側が価値の下落を恐れて冬にレンタルを打ち切ることも検討するほどでした。
しかし、カストロ監督の就任が彼の状況を一変させます。今季は公式戦26試合(うちリーグ戦23試合)に出場し、合計1158分間プレーして3ゴールを記録しました。最終節のベティス戦でも最後の12分間ピッチに立っています。
カストロ監督はロサダの貢献について次のように大絶賛しています。
『彼は非常に質の高い選手だ。我々のチームでやったように、複数のポジションでプレーできる。非常に重要な存在だった。最初の2試合、セビージャ戦での勝利とエスパニョール戦での引き分けは、彼のゴールによるものだ。彼はベティスのプレースタイルに合った特徴を持っている。とても攻撃的で、連携に優れているからだ。試合に出ていない時でも、とてもよく練習に取り組む選手だ。私はイケルに対してこれ以上ないほど高い評価をしている。世界中のすべての選手がそうであるように改善すべき点はあるが、選手としての彼が好きだ』
なお、ロサダはベティスの選手たち(イスコやチミー・アビラなど)と現在も非常に良好な関係を築いており、イスコからはシーズン中にゴールを祝福するメッセージをもらっていたとのことです。レンタル期間満了に伴い、彼は来季ベティスへ復帰する予定となっています。
(via Estadio Deportivo)
カストロ監督が語るベティスへの敬意とリーグ日程への苦言
激闘のシーズンを終え、カストロ監督は最終節で対戦したベティスの姿勢を称賛しつつ、スペインサッカー界全体に対する問題提起を行いました。すでに目標を達成して消化試合となっていたにもかかわらず、主力をしっかりと起用して真剣勝負を挑んできたベティスのプロ意識を高く評価する一方で、目標達成後に気が緩んでしまう他のチームの姿勢や、リーグの日程そのものについて苦言を呈しています。
『我々には多くの不利な状況があった。ベティスが主力メンバーでプレーしたことは、すべての試合で普通であるべきだ。ラ・リーガは非常にレベルが高いが、変えなければならないこともある。コパの決勝をラ・リーガの終了前に開催することはできない。これは建設的な批判だ。その後、バルセロナがタイトルを祝った3日後に負けるのは普通のことだ。起きてはならないことがある』
指揮官の言葉には、より公平で高い競争力を保つリーグであってほしいという強い願いが込められていました。
(via Estadio Deportivo)
【本日の総括】
前半戦の絶望的な状況から、ルイス・カストロ監督の就任を機に奇跡の復活を遂げたレバンテ。カンテラのエスピの台頭やロサダの躍動など、指揮官のタクトとフロントのやりくりが見事に噛み合い、勝ち点42での劇的な1部残留を掴み取りました。2028年までの監督契約延長も決まり、来季のさらなる飛躍に期待が高まります。