プレシーズン始動と指揮官の権限拡大
今日7月13日月曜日、シウタ・エスポルティバ・ジョアン・ガンペールにて、ハンジ・フリック3.0時代となる新たなプレシーズンが幕を開けます。朝9時から通常のメディカルチェックが行われ、今週はフィジカルに負荷をかける2部練習が予定されています。過去2年間でリーグ連覇を果たした実績から、フリック監督のクラブ内での権限は非常に強くなっています。今回の移籍市場ではスポーツディレクターよりも監督の要望が色濃く反映されており、左サイドの強化においてはマーカス・ラッシュフォードの買い取りオプション行使を拒否し、アンソニー・ゴードンの獲得を強く要求しました。さらにカリム・アデイェミの獲得を主導し、一方でアレッサンドロ・バストーニの獲得は拒否しています。フィジカル部門の改革にも着手し、フリオ・トウスの後任として、ドイツ代表で10年間共に働き2014年のワールドカップ優勝も経験したベンヤミン・クーゲルを新たな責任者として招聘しました。チームは7月24日にジョアン・ガンペールでエウロパとの非公開の親善試合を行い、7月27日からはイギリスのバーミンガムにあるセント・ジョージズ・パークで合宿を実施してバーミンガム・シティと対戦する予定です。初日の参加メンバーには、シュチェスニー、アレハンドロ・バルデ、アンドレアス・クリステンセン、ジェラール・マルティン、フェルミン(手術からの回復の最終段階)、マルク・ベルナルなどが名を連ねています。(via SPORT / Estadio Deportivo / Mundo Deportivo / MARCA)
カンテラと若手選手たちの合流と決意
プレシーズンには多くの若手選手が参加します。U-19欧州選手権で全勝無失点優勝を果たし、大会を通じて右ラテラルやピボテとして活躍したチャビ・エスパルトは、休暇を返上して初日から合流します。フリック監督は休暇前に彼と話し合い、プレシーズン開始時に万全であることを求めていました。彼はトップチーム定着を目指しており、エルチェへのレンタルから復帰したエクトル・フォルトとポジションを争います。もしレンタル移籍となれば、ラシン・サンタンデールなど1部リーグの複数のクラブが関心を示しています。また、ガンビア出身で7歳からカタルーニャで育った16歳の左利きメディアプンタ、エブリマ・トゥンカラも注目を集めています。彼はフィジカルとテクニックを兼ね備え、飛び級でプレーしてきました。非常に自己要求が強く謙虚な性格で、過去のインタビューでは『ラ・マシアで最も信じられないのは、ガビのようなトップチームの選手と共同生活をし、毎日一緒に朝食をとることだ』と語っていました。クラブ史上初のガンビア人選手となることを夢見ています。その他にも、アルゼンチン戦敗退後に休暇を切り上げたハムザ・アブデルカリムをはじめ、ギリェ・フェルナンデス、トニ・フェルナンデス、アルバロ・コルテス、イケル・ロドリゲス、エデル・アジェール(第3GK候補)、イブラヒム・ディアラ、トミー・マルケス、オスカル・ジスタウ、シェイン・クライファート、ランドリー・ファレなどが参加し、レンタルから復帰したGKのヤコも合流します。一方でジョフレ・トレンツは成長のためにレンタル移籍を模索しています。(via SPORT / Mundo Deportivo)
イングランド代表ウインガーの獲得完了
水面下で迅速に進められていたアンソニー・ゴードンのニューカッスルからの獲得が完了しました。移籍金は固定7000万ユーロに変動1000万ユーロが加わります。フリック監督が求めるハイプレス、縦への推進力、そして犠牲心を体現する選手として、監督自身の強い承認と後押しにより実現しました。ゴードンは現在ワールドカップのイングランド代表として活躍しており、ノルウェーとの準々決勝でもスタメン出場を果たしました。左サイドで相手ディフェンダーを苦しめ、後半立ち上がりにはジュード・ベリンガムの同点ゴールをアシストする決定的な働きを見せています。彼のスピードとドリブル突破、そしてスペースへのアタックは、今後のチームにとって大きな武器になると期待されています。(via SPORT / Estadio Deportivo / MARCA)
ドイツ代表快速アタッカーとの合意
カリム・アデイェミの獲得が最終段階に入っています。ボルシア・ドルトムントは、アデイェミが他クラブと交渉するため、プレシーズン初日のメディカルチェックを免除したと公式に発表しました。移籍金は固定2200万ユーロに加え、タイトル獲得などの条件を満たせば支払われる変動700万ユーロ、さらに将来の転売益の20%をドルトムントに支払うことで合意に達しています。契約期間は2031年6月30日までの5年間です。アデイェミはドルトムントからの契約延長オファーを断り、2021年にドイツ代表でデビューさせてくれたフリック監督との再会を熱望していました。順調にいけば7月15日か16日にメディカルチェックを受け、イギリスでの合宿からチームに合流する予定です。(via SPORT / ElDesmarque / MARCA)
アルゼンチン代表ストライカーへの執念
アトレティコ・マドリードに所属するフリアン・アルバレスの獲得に向けた動きが続いています。アーセナルが約1億2000万ユーロを上限に獲得に乗り出しており、状況は複雑化しています。しかし、アルバレス本人はスペインでのプレー継続を最優先しており、クラブも固定と変動を合わせて1億ユーロというオファーを維持しています。クラブ側は、ワールドカップ終了後に選手自身がアトレティコに対して退団を直訴し、移籍を強行してくれることを待っている状態です。(via SPORT / Mundo Deportivo)
ベルギーでプレーする長身ウインガーの獲得
ヨーロッパのビッグクラブが注目する18歳のジェシー・ビシウの獲得に向けて、約1000万ユーロを投資する予定です。身長約1.86メートルという恵まれた体格と長いストライドを持ち、ラファエル・レオンやウスマン・デンベレを彷彿とさせる圧倒的なドリブル突破力が魅力です。昨季はベルギー2部リーグで1014分間プレーし、ゴールやアシストこそありませんでしたが、ユースリーグやU-17欧州選手権での活躍が高く評価されました。フリック監督の求めるプレースタイルに合致しており、まずはリザーブチームで成長させつつ、トップチームのプレシーズンにも参加させる計画です。(via SPORT)
ドイツでの第2ストライカー候補と守備陣の補強難航
フェラン・トーレスの退団に備えた第2ストライカーとして、ホッフェンハイムの23歳、フィスニク・アスラニをリストアップしています。昨季は35試合で11ゴール10アシストを記録した逸材で、契約解除金は2900万ユーロに設定されています。ホッフェンハイムのスポーツディレクターも国内外のクラブとの交渉を認めており、ボルシア・ドルトムントへの移籍が濃厚とされていましたが、熱狂的なクレであるアスラニ本人がクラブからのアプローチを待つために交渉を保留しています。一方で守備陣の補強については、U-19欧州選手権で優勝したラシン・サンタンデールのホルヘ・サリナスを狙っていましたが、交渉は決裂状態です。クラブは800万ユーロでの獲得を提示し、カンテラーノとのトレードも提案しましたが、ラシン側は1部昇格を理由に移籍金を1600万ユーロに引き上げたため、合意には至りませんでした。(via SPORT / Mundo Deportivo)
スペイン代表FWのパリ行き交渉
フェラン・トーレスのパリ・サンジェルマン移籍が現実味を帯びています。ルイス・エンリケ監督が彼の献身性やメンタルの強さを高く評価し、獲得を強く要望しています。クラブ側は移籍金を5000万ユーロに設定していますが、契約が残り1年であることを理由に、PSGは4000万ユーロ未満での獲得を狙っています。PSGはゴンサロ・ラモスをミランに7000万ユーロで売却しており、その資金を活用する構えです。フェラン本人は残留を希望していましたが、新たなウインガー陣の加入によって出場機会が減少することを懸念し、チャンピオンズリーグ制覇という目標を掲げるPSGとの交渉に応じる姿勢を見せています。(via SPORT)
ドイツ人守護神のオランダへのレンタル移籍
34歳のマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンのアヤックスへのレンタル移籍が合意に近づいていますが、クラブ側の税務処理の確認が遅れており、すでにプレシーズンを開始しているアヤックス側が苛立ちを見せています。出場試合数に応じてクラブの給与負担額が変わるという条件で選手との合意は済んでいますが、手続きの遅れにより破談のリスクも生じています。テア・シュテーゲンは昨季ジローナへのレンタル中に左ハムストリングを負傷し、手術を受けたためワールドカップを欠場しましたが、7月13日のメディカルチェックで医療的許可を受ける予定です。契約は2028年まで残っています。(via Mundo Deportivo)
カンテラ出身ピボテの売却計画
フリック監督の構想外となったマルク・カサドは売却リストに載っています。クラブは彼を安売りするつもりはなく、2000万ユーロ(サウジアラビアのクラブが相手なら2500万ユーロ)を最低ラインに設定しています。アデイェミ獲得の取引に含める案もありましたが、ドルトムントとの評価額の折り合いがつかず破談となりました。代理人のジョルジュ・メンデスがプレミアリーグやサウジアラビアのクラブと交渉を進めていますが、カサド本人はスタメンとしてプレーできる環境を絶対条件としています。(via SPORT)
スウェーデン人ウインガーとカンテラーノの退団
昨夏に獲得したスウェーデン人ウインガーのルーニー・バルドグジは、出場機会の不足から退団を希望しています。サンダーランド、リーズ、ブライトン、フラム、アストン・ヴィラ、ユベントス、アヤックス、マルセイユ、ポルトなど10以上のクラブからオファーが届いています。300万ユーロの投資から価値が大幅に上昇しており、クラブは買い戻しオプション付きの完全移籍を優先しています。本人はフリック監督と面談した後に最終決定を下す予定です。また、20歳のカンテラーノであるブリアン・ファリーニャスのジローナへの完全移籍も間近です。移籍金は150万ユーロで、クラブは将来の保有権の50%を保持する見込みです。昨季はリザーブチームで33試合に出場し、5ゴール7アシストを記録していました。(via SPORT / Mundo Deportivo)
ポルトガル代表サイドバックの復帰交渉
現在アル・ヒラルに所属しているジョアン・カンセロは、復帰を強く希望しています。代理人のジョルジュ・メンデスがアル・ヒラル側と解決策を探っていますが、アル・ヒラルは最低でも1500万ユーロの移籍金を要求しています。アル・ヒラルは交渉の代替案としてハフィーニャの獲得を狙っていますが、ハフィーニャ本人がサウジアラビア行きを完全に拒否しているため、交渉は難航しています。(via Mundo Deportivo)
スペイン代表の若き至宝とフランス代表の場外戦
ワールドカップ準決勝でフランスと対戦するスペイン代表のラミネ・ヤマルが、ピッチ外でも火花を散らしています。彼は『僕たちはフランスを全く恐れていない。このためにここに来たのだから、今は彼らのことを考える番だ。彼らが3回の決勝に進むか、僕たちが彼らに3回勝つかだ。もし誰かが恐れるべきだとしたら、それは僕たちの方(彼らの方)だ。僕たちはすでに彼らを(ユーロで)敗退させたことがある』と強気な発言をしました。これに対し、フランス代表のイブラヒマ・コナテは『正直なところ、言われていることには耳を貸さない。誰も恐れる必要はないし、最初から持っている謙虚さを保ち、特に大会のこの時期にはその罠に陥らないようにしなければならない』『誰もが好きなことを言えばいい。私たちは可能な限り最高の準備をするよう努めるし、試合が終わった時に結果が私たちにとって有利なものになることを願っている』と冷静に応酬しました。同じくフランスのマクサンス・ラクロワも『彼を止めるにはベストを尽くして守るしかない。彼は非常に優秀でダメージを与えられることを証明しているが、私たちの守備陣もそのクオリティを備えている』と警戒を強めています。(via SPORT / Estadio Deportivo / Mundo Deportivo / MARCA)
スペイン代表の心臓と家族の想い
スペイン代表のペドリはベルギー戦でベンチスタートとなりました。ルイス・デ・ラ・フエンテ監督はその理由について、『ペドリはバルサでのようには我々と一緒にプレーすることはできない。なぜなら、我々のプレーのアイデアはバルサとは異なるからだ。ある程度の類似点はあるかもしれないが、異なっており、選手たちも違う』と戦術的な違いを説明しました。一方で、『彼とはサッカーについてたくさん話してきたし、彼だけが見えるラストパスがあり、シュートも打てて、ペナルティエリアへの進入もできるゾーンで、彼自身もとても快適に感じている』と、その圧倒的な才能への信頼も口にしています。ペドリの活躍の裏には家族の強い支えがあります。テネステのペーニャ会長を務める父フェルナンドは、『家族全員がそれを(ペーニャ設立を)きっかけにバルサファンになった。父(ペドリの祖父)にこのすべてを見せるためなら、お金を払ってもいいくらいだ』と感極まって語りました。兄のフェルナンドも常に厳しくアドバイスを送り、怪我に苦しんだ時期を乗り越えた今、父は『心は自由になり、顔つきまで変わった』と息子の復活を喜んでいます。(via SPORT / ElDesmarque / Estadio Deportivo)
クラブの財政状況と臨時収入、リザーブチーム監督の資格取得
クラブはテレビ放映権を担保とした社債発行により、今月7月に1億5000万ユーロ、11月にも1億5000万ユーロの計2億1000万ユーロを前借りする予定です。スポティファイ・カンプ・ノウで観客数制限付きながら試合を開催したことで、ラ・リーガの1対1ルールへの復帰を果たしましたが、2026-27シーズン終了後には屋根の設置工事のために4ヶ月から6ヶ月間スタジアムを閉鎖する必要があり、再びファイナンシャル・フェアプレーの制限を受けることが予想されています。一方で思わぬ臨時収入の可能性もあります。ディナモ・ザグレブへ120万ユーロで売却していたセルジ・ドミンゲスに対し、ラツィオなど複数のクラブが獲得に動いています。ザグレブ側は1400万ユーロ以上を要求しており、クラブは将来の転売益の20%を受け取る権利と27万ユーロの育成補償金を持っているため、移籍が成立すれば約250万ユーロの収入が見込めます。また、リザーブチームであるバルサ・アトレティックを率いるジュリアーノ・ベレッチ監督が、最高位であるUEFA PROライセンスを取得し、セグンダ・ディビシオン以上でも指揮を執ることが可能となりました。本人はSNSで『これは非常に重要な成果だ』と喜びを表現しています。(via Mundo Deportivo / ElDesmarque)
【本日の総括】
フリック新体制のプレシーズンが本格始動し、若手の台頭やゴードン、アデイェミといった実力者の獲得で攻撃陣の再編が急ピッチで進んでいます。財政面での工夫を続けながら、売却や新戦力獲得のパズルを完成させ、来たる新シーズンとワールドカップ後のチーム作りに向けてクラブは全力を注いでいます。
デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
フリック監督の権限拡大は、単なる人事権の行使ではなく、戦術的アイデンティティの再構築を意味します。ゴードンやアデイェミといった、縦への推進力とハイプレスでの献身性を備えたアタッカーの獲得は、彼が求める強度の高いフットボールを体現するための必然的な選択でしょう。一方で、守備陣の補強難航やピボテの整理は、チームの重心をどこに置くかという構造的な課題を浮き彫りにしています。プレシーズンでの配置転換が、単なる個の入れ替えに留まらず、攻守の切り替え速度をどう最大化させるか、その連動性に注目しています。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
クラブ全体がフリック監督のビジョンに強く傾倒している様子が伺えます。過去2年の実績を背景に、監督の要望が移籍市場の優先事項となっている現状は、クラブが明確な「フリック色」への転換を急いでいる証左です。若手選手たちの合流やカンテラへの期待感は、財政的な制約がある中でクラブのアイデンティティを維持しようとする姿勢の表れでしょう。サポーターやメディアの熱量も高いですが、この急激な変化がクラブ内の調和を乱さず、いかにして新たな成功体験へと繋がるか、その温度感を慎重に見極める必要があります。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
財政的な制約を抱えつつも、ゴードンやアデイェミの獲得に踏み切るなど、編成の優先順位は極めて明確です。特にフェラン・トーレスの売却交渉やカサドの放出計画は、サラリーキャップの最適化と、監督の構想外となった選手の整理を同時に進める合理的な判断と言えます。一方で、テア・シュテーゲンのレンタル手続きの遅れや、守備陣の補強難航に見られるように、契約の細部や評価額の乖離が足枷となる場面も散見されます。今後は、売却益の最大化と、限られた予算内での補強バランスをどう維持するかが編成の鍵となります。