パラグアイ上院議員のエムバペに対する人種差別暴言とレアル・マドリードの声明

フランスがパラグアイを1-0で破ったW杯の決勝トーナメント1回戦の試合後、パラグアイの野党・真正急進自由党のセレステ・アマリージャ上院議員が、X(旧Twitter)上でキリアン・エムバペに対して人種差別的およびゼノフォビア(外国人嫌悪)的な暴言を投稿する騒動が発生した。アマリージャ議員はエムバペを『ひがみっぽく、成金で、傲慢で醜い』と中傷し、『この野蛮人は読み書きすら学んでいない。母乳の代わりにココナッツを吸って育ち、これまで聞いた中で最も教養のある生き物はチンパンジーだ。植民地化されたカメルーン人で、フランス人のふりをしている。彼らは試合中ずっと怯えていて、運良くペナルティを得るまで1点も取れなかった』などと発言した。

これに対し、エムバペは自身のSNSで即座に反論。『あなたは軽蔑すべき女性であり、その職にふさわしくない。あなたはパラグアイを代表しておらず、あなたの恥知らずな人種差別のおかげで、パラグアイの選手たちがこの大会で成し遂げた歴史的な努力が忘れ去られ、自国の最悪のイメージを世界に発信している』と切り捨て、『彼女のような人々が世界中に憎悪と人種差別を広める自由を持つことを決して許さない』と強い意志を示した。

騒動が国際的な批判を呼ぶ中、アマリージャ議員はエムバペに宛てた公開書簡を発表。熱くなっていた時に書いたものだと弁明しつつも、『アフリカ系の人々はアフリカ人と呼ばれると泣き出す。国籍の書類に何と書かれていようと、私が日本で子供を産んでも、その子はパラグアイ人だ。日本人の特徴を持つわけでも、日本食を食べるわけでもない』と自説を展開した。さらに『あなたが文字を読めるなら、私の手紙を読みなさい。私を軽蔑すべき女性だと言う権利はあなたにはない。私もあなたの暴力を容認しない。パラグアイの上院議員を侮辱しているのだから、私に謝罪し、発言を撤回すべきだ。まだエムバペを告訴するつもりでいる。どこまでやれるか見てみよう』と、逆にエムバペを訴えると脅迫し、さらにはFIFAによる政治介入の陰謀だとまで主張した。

この事態を受け、レアル・マドリードは公式声明を発表。『パラグアイの上院議員セレステ・アマリージャ氏が当クラブの選手キリアン・エムバペに対して行った、悲惨な人種差別的およびゼノフォビア的な発言を最も断固として拒否する。政治的代表者にはふさわしくないこれらの発言を強く非難し、世界中の数百万人の子供たちの模範であるエムバペを全面的に支持する。憎悪を煽るこのような行動は社会に居場所がない。我々は人種差別や暴力が永遠に根絶されるよう取り組み続ける』と表明した。フランスサッカー連盟もこの発言をヘイトクライムとみなし、検察へ告訴することを発表。フランスのエマニュエル・マクロン大統領やスポーツ大臣もエムバペへの支持を表明し、パラグアイ政府と外務省は上院議員の個人的な意見であるとして距離を置く声明を出している。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長も『サッカー界と社会全体がフランス代表キャプテンと連帯している。明確な形で人種差別的コメントを非難する』とメッセージを発信した。(via SPORT)

ペドロ・ネトのスパイクの穴の正体はハグルンド症候群の痛み対策

スペイン対ポルトガル戦で、ポルトガル代表のペドロ・ネトが試合中にベンチへ向かい、スパイクを履き替える一幕があった。その際、彼が新しく履いた右足のスパイクのかかと部分に、意図的に開けられたとみられる大きな穴があることがテレビカメラに捉えられ、SNS上で大きな話題となった。この奇妙なスパイクの理由は、ペドロ・ネトがハグルンド症候群を患っているためである。これは、かかとの骨が異常に成長して出っ張りができ、アキレス腱を圧迫することで、靴との摩擦によって腱や滑液包に痛みを伴う炎症を引き起こす症状である。歩くだけでも激しい痛みを生じる場合があり、スパイクによる摩擦や圧迫を物理的に逃がすため、かかと部分に穴を開けてプレーしていたのだ。ジュード・ベリンガムなどがふくらはぎの筋肉の緊張を和らげるためにソックスに穴を開けることがあるが、それとは全く異なる医療的な理由によるものである。症状が進行したプロスポーツ選手の場合、最終的には異常に成長した骨を削る手術が必要になることが多いという。(via MARCA)