開幕ラージョ戦で2-1劇的逆転勝利 5年ぶりの白星発進

サンチェス・ピスフアンで行われた今シーズンの開幕戦は、セビージャFCにとって5年ぶりとなるリーグ初戦での貴重な勝利をもたらしました。試合前にはスマートボールに搭載されたチップの不具合という技術的トラブルが発生し、キックオフが約8分遅れる異例の事態となりました。試合開始直後の前半4分、ディフェンダーのサガンテとキーパーのヴラホディモスの連携ミスによる致命的なエラーからラージョのアルバロ・ガルシアに先制点を許し、スタジアムに重苦しい空気が漂いました。しかし、後半に入るとセビージャが息を吹き返します。後半にミゲル・シエラが倒されて得たPKを新加入のグリディが決めて同点に追いつきました。その後、終盤にキケ・サラスが相手への強烈なスライディングで一発退場となり10人での戦いを強いられましたが、後半アディショナルタイム96分に劇的なドラマが待っていました。カウンターから獲得したペナルティキックをペケ・フェルナンデスが落ち着いて決め、2-1で逆転勝利を収めました。(via Mundo Deportivo)

新加入ジョン・グリディの衝撃デビュー PKによる同点弾と確固たる存在感

今夏デポルティーボ・アラベスから加入した31歳のミッドフィールダー、ジョン・グリディがこれ以上ない最高の形でセビージャでの一歩を踏み出しました。アラベス時代にガルシア・プラサ監督のもとでプレーしていた彼は、指揮官の戦術を完全に理解しており、この試合でもトップ下として先発した後、試合展開に応じてダブルボランチへと下がる柔軟性を見せました。後半には自らPKを成功させ、セビージャの21世紀におけるデビュー戦初ゴールを記録した21人目の選手として歴史に名を刻しました。かつてコルドバCF戦でファンから脱毛症を揶揄された際、人差し指を口に当ててスタンドを黙らせたほどの熱いパーソナリティを誇る彼は、試合後に『私にはラ・リーガでの十分な経験があり、自分の価値を信じています。セビージャのサポーターが私の獲得を狂喜乱舞して迎えたわけではないことは分かっていましたが、自信と自分の個性を持ってここに立っています。以前アウェーとしてここを訪れた時は常に威圧感のあるスタジアムでしたが、このファンの前で初戦を戦えたことは素晴らしい経験です』と力強く語りました。また、自身がチームのファーストPKキッカーであることも明かしています。(via Estadio Deportivo)

ガルシア・プラサ監督が語る「泥臭い闘い」の覚悟とプロ選手不足の現実

劇的な勝利に大満足の様子を見せたルイス・ガルシア・プラサ監督ですが、会見ではクラブのシビアな現状についても厳しい言葉を口にしました。監督は『非常に大きな勝ち点3だ。昨シーズン終盤に私がこのクラブを救うために来た時の最初の勝利と同じくらいの重みがある。チームは立ち上がりの個人のミスによる失点や、VARによるPKの取り消しなど精神的に苦しい局面が何度もあったが、交代選手たちが素晴らしい機能を見せてくれた。しかし、我々は現在、プロ登録の選手がわずか17名しかいない。今日の試合でも、昨季まで3部リーグ(1部RFEF)にいた選手が2名先発し、ベンチにも6名が座っていた。クラブもディレクターも認めている通り、一刻も早く実力あるプロ選手を補強してチームを完成させる必要がある。ファンもこのチームがかつてのような大物補強を繰り返すセビージャではなく、泥臭くハードワーク(pico y pala)で戦い抜くチームであることをよく分かってくれているはずだ。残留のために必要な残りの勝ち点40を泥臭く積み上げていきたい』と語りました。また、キケ・サラスの退場シーンについては『主審からキケの退場は私の見間違いによるものだったと直接謝罪を受けたが、スライディングのファウル自体は妥当なレッドカードだった』と振り返りました。(via Estadio Deportivo)

18歳の神童ギジェンが先発デビュー カンテラーノたちの目覚ましい躍動

厳しい選手層の中で、下部組織から昇格した若き才能たちが素晴らしい輝きを放ちました。特に18歳のニコ・ギジェンは、開幕戦というプレッシャーのかかる大舞台でダブルボランチの一角として先発デビューを飾りました。プロの激しいスピード感にまだ戸惑いを見せる場面もありましたが、臆することなく45分間を戦い抜き、将来の可能性を大いに感じさせました。さらに、後半から出場したミゲル・シエラは驚異的な突破力を見せ、エリア内で相手のファウルを誘って貴重な同点PKをもたらしました。昨シーズンはBチームにいたとは思えないほどの堂々とした振る舞いで、現地メディアからもチーム内最高となる7.5の評価を得ました。また、左サイドで先発したオソも、直感的な攻撃センスで前線に活力を与え、若手たちの台頭がチームに新しい風を吹き込んでいます。(via ElDesmarque)

合流後1回の練習で大仕事 劇的PKを勝ち取ったロビー・ウレの完璧な船出

今夏、スウェーデンリーグから固定650万ユーロ(変数250万ユーロ)の移籍金で獲得された19歳のスコットランド人FWロビー・ウレが、信じられないほどのインパクトを残しました。チームに合流してわずか1回しか練習をこなしていなかったにもかかわらず、後半開始からイサク・ロメロに代わってピッチへと送り込まれました。そして試合終了直前の96分、相手ディフェンダーのレジェーヌをエリア内で鮮やかにかわし、劇的な決勝PKを誘発。わずか45分間の出場でありながら、敵陣でのパスを6本すべて成功させ、地上戦のデュエルでも高い勝率を記録するなど、完璧なデビューを飾りました。試合後、ウレは自身のSNSで『温かい歓迎を本当にありがとう』とサポーターへの感謝を綴り、ニューヒーローとしての地位を早くも確立しました。なお、指揮官は『ペナルティを勝ち取ったプレーの8割はマヌ・ブエノの素晴らしいボール奪取と独走によるものだ』と話し、アシストを送ったカンテラーノの存在についても強く称賛しています。(via Estadio Deportivo)

ナバロSDの素晴らしい手腕と移籍市場最終盤のダブルボランチ補強計画

昨シーズンから高給取りや構想外となっていたニアンズ、ジョルダン、グデリ、メンディ、ソウといった選手たちの大量整理を次々と成立させているホセ・イグナシオ・ナバロSDの手腕に対し、サポーターからは『非の打ち所がない、最高評価に値する管理能力だ』と絶賛の声が上がっています。しかし、ナバロSDの仕事はまだ終わっていません。市場閉幕までの15日間で、チームの最大の課題であるボランチ(ピヴォーテ)を2名、さらにフォワードをもう1名確保するための交渉が急ピッチで進められています。最優先ターゲットとして、ポルトガル・スポルティングCPのジョルジ・コチョラシヴィリの獲得交渉が最終局面を迎えており、買い取りオプション付きのレンタル移籍での合意が間近に迫っています。また、ジローナとの契約を満了してフリーとなっている37歳のベルギー代表MFアクセル・ヴィツェルに対しても具体的なアプローチを行っています。ヴィツェルはフランスのニースとほぼ合意しているものの、ニースを所有するINEOSグループの最終承認が遅れており、万が一交渉が破談した場合にはセビージャが最大の移籍先候補として有利な位置につけています。中盤のさらなる選択肢として、レンジャーズのスコットランド人MFコナー・バロンへの問い合わせも継続しています。(via Estadio Deportivo)

エジュケの移籍破談の裏側と指揮官が寄せる戦力としての期待

今夏の移籍市場において、契約最終年を迎えたチデラ・エジュケは売却の筆頭候補とされ、クラブの財政的な理由から移籍金を得るためにカタールやサウジアラビアなどのクラブと最終合意に向けて動いていました。エジュケはプレシーズン中のオランダ遠征メンバーからも外され、売却完了は確実視されていました。しかし、この取引が最終局面で不成立となり、一転してセビージャに残留することになりました。これについてガルシア・プラサ監督は『オランダ遠征の時点で彼はほぼ移籍が確定しており、実はクラブ側はすでに彼の代替となる新戦力の確保まで済ませていた。しかしその取引が破談となってしまった。それでも私にとっては彼が残った以上、大切な私の選手だ。彼の実力はよく理解している』とコメント。開幕戦でも後半からエジュケを起用し、その圧倒的なスピードとインテンシティの高いドリブルがチームの攻撃活性化に大きく寄与したため、今後の貴重な攻撃オプションとして高い期待が寄せられています。(via Estadio Deportivo)

5回の脳卒中を乗り越えた75歳の名物サポーターが体現するクラブへの深い愛

セビージャのファンが持つ情熱とクラブへの圧倒的な忠誠心を象徴する美しいストーリーが、スタジアムのスタンドで大きな話題を呼んでいます。セビージャのソシオ(会員)歴22年を数え、会員番号11,777番を持つ75歳のアントニアさんは、今シーズンの新しいアウェーユニフォームを身にまとい、常にゴル・ノルテのスタンドから熱い声を送り続けています。これまでに5回もの脳卒中を患った経験を持つ彼女は、家族から『スタジアムで興奮しすぎると体に毒だから、これ以上通うなら警察を呼んででも止めるぞ』と心配されていますが、笑顔で『セビージャは私の人生そのもの。かつて大好きなアントニオ・プエルタが亡くなった時は、ショックのあまり1週間も涙が止まらなかった。昨シーズンは降格の恐怖から毎日すべての神仏に祈りを捧げていたが、今年は必ずもっと良くなる』と、生涯をかけてクラブを愛し抜く強い覚悟を口にしています。(via ElDesmarque)

ベネツィアへ旅立ったアダムスの即戦力としての価値証明

今夏、セビージャはフォワードのアコル・アダムスをイタリアのベネツィアへ売却しました。アダムスはもともと550万ユーロで獲得された選手ですが、今回の移籍により1680万ユーロの固定移籍金と670万ユーロの変動ボーナスという非常に高額な売却益をクラブにもたらし、財務改善に大きく貢献しました。さらにアダムスは、ベネツィアでの公式戦デビューとなったコッパ・イタリアのモデナ戦において、1-1の同点ゴールを自ら突き刺しただけでなく、後半83分にアシストを記録し、さらにその2分後には劇的な決勝ゴールを奪って2ゴール1アシストの大暴れを見せ、3-2の逆転勝利の立役者となりました。元セビージャのストライカーが新天地で早くもその並外れた価値を証明し、現地でも驚きをもって称賛されています。(via Estadio Deportivo)

【本日の総括】

セビージャFCは過酷な選手層とプロジェクトの未完成という困難な状況下で、ラージョとの開幕戦を2-1の劇的な逆転勝利で飾り、最高の船出を果たしました。ナバロSDが進めるピッチ外の選手整理や、新加入のグリディ、ウレの目覚ましい活躍、さらにカンテラーノたちの躍動は、サポーターに大きな希望を与えています。