アギーレ監督は「解決策でも問題でもない」
アギーレ体制発足後3試合で未勝利が続き、降格圏から抜け出せない現状に対し、ハビエル・アギーレ監督の不甲斐ない決断や不手際を個別に追及することは容易です。しかし、バレンシアが直面している本質的な危機は、指揮官ひとりの手腕に帰結するものではなく、クラブ全体の構造的かつ壊滅的な機能不全に原因があります。
アギーレが就任すれば直ちにすべての問題が氷解すると期待していたならば、それは大きな間違いでした。メキシコ人指揮官は、前シーズンの末期からすでに破綻していた今シーズンのクラブ計画に対する「その場しのぎの絆創膏」に過ぎません。前経営陣からの粗雑なチーム編成、ポテンシャルを発揮できないスカッド、そして要塞としての威厳を失い勝ち点をプレゼントし続けるメスタジャという悪条件が重なっています。さらにアギーレ自身も、ビッグクラブの重圧や過酷な日常業務に飲まれ、頼れる戦力の手札も乏しいため、チームを掌握しきれていません。
最大の失策は今夏の移籍市場において、補強の成否そのものよりも、チーム内のマンネリ化を破砕し競争力を引き上げるための「大規模な人員整理(クレンジング)」を先送りにして放置した点にあります。『何も変えなければ、何も変わらない』という格言通り、変化を拒んだクラブは計画性のない迷走を続けています。スポーツ・ディレクターのブラウリオ・バスケスは、一刻も早くスカッドの大改修を断行し、慣れきった選手層を解体してチームの方向性を変える必要があります。
現時点でブラウリオSDによるアギーレ招聘の成否を断定するのは時期尚早です。現在のスカッドはアギーレ自身が築いたものではなく、当時獲得可能な監督の選択肢も極めて限られていたためです。アギーレ監督に一定の猶予を与えるべきですが、1月の補強なしにはチームが平庸な泥沼を抜け出す奇跡は起こり得ません。アギーレは『問題の根本原因』ではないものの、単体でチームを救う『解決策』にもなり得ないのが冷酷な現実です。 (via SPORT)
【本日の総括】
コパ・タベルネス戦は出番を失っていた控え組や若手カンテラーノにとって生き残りをかけた運命のテストとなります。一方でクラブ経営面ではPitchwiseによる1億ユーロ注入と株式過半数維持の裏事情が明らかになり、現場ではブラウリオSDによるスカッド大改修と冬の補強が急務となっています。