新指揮官マルティン・アンセルミの招聘と目指す戦術スタイル

エルチェCFは今夏、昨季までチームを率いたエデル・サラビア前監督の退任に伴い、アルゼンチン出身のマルティン・アンセルミ監督を新たな指揮官に招聘しました。アンセルミ監督は非常に若く、これまでにポルト、クルス・アスル、ボタフォゴといった世界各地の異なるクラブを率いてきた異色かつ多才な経歴を持っています。彼が目指す戦術スタイルは、高いディフェンスラインの設定、前線からのアグレッシブなプレッシング、縦への推進力とスピード感、そして3バックを基本とした丁寧なパス回しによるビルドアップを特徴としています。前体制が残したポゼッションサッカーの基盤を引き継ぎつつ、よりダイナミックでアグレッシブなフットボールの構築に乗り出しています。(via SPORT)

敏腕アシスタントであるルイス・パストゥール氏の役割と古巣リアソルへの凱旋

アンセルミ監督の右腕としてチームを支えているのが、地元ア・コルーニャ出身で35歳のアシスタントコーチ、ルイス・パストゥール氏です。彼は6年半前に、それまで安定していたデポルティーボの下部組織の指導者の立場を離れてエクアドルのインデペンディエンテ・デル・バジェへ渡り、そこで当時アシスタントだったアンセルミ氏と出会いました。以降、チリのラ・カレラ、再びインデペンディエンテ・デル・バジェ、メキシコのクルス・アスル、ポルトガル最高峰のポルトまで常にアンセルミ監督に同行し、コパ・スダメリカーナ2度制覇などの偉業を共に経験してきました。パストゥール氏は、対戦相手の精密なスカウティング分析や、日々のトレーニングタスクの綿密なプランニング能力を非常に高く評価されており、スタッフ陣にはセットプレーの専門家も揃えています。今回の開幕戦は、かつてデポルティーボのユースで自ら指導したアドリアン・ゲレーロやパブロ・ガルシア、マウロ・バレイロといった選手たちがいる馴染み深い聖地リアソルへ、対戦相手のアウェイ側ベンチとして帰郷する特別な一戦となります。(via SPORT)

オーナーのクリスティアン・ブラガルニク氏が仕掛ける移籍市場最終盤の戦略

エルチェCFは今夏の移籍市場において、これまでに4人の新しい戦力を獲得することに成功しています。しかし、クラブの最大株主であり補強の実権を握るクリスティアン・ブラガルニク氏の手法を考えると、現在のスクアッドはまだ最終決定されたものではありません。ブラガルニクオーナーは、移籍市場が閉まる直前の数分間という最後の最後まで、驚くような選手の獲得や放出の取引を行うことで知られており、この駆け込み取引は過去数シーズンにおいてクラブに多大な利益と成功をもたらしてきました。市場が完全にクローズする9月1日までは選手の去就がどう転ぶか分からないため、まずは今手元にある暫定的な戦力で開幕戦に立ち向かうことになります。(via SPORT)

プレシーズン最終戦トゥールーズ戦での収穫とコンゴ人FWディアンの負傷離脱

エルチェCFは約1ヶ月半のプレシーズン期間中に合計5つの親善試合を消化し、新チームの連動性を高めるための調整を行ってきました。フランスのトゥールーズと対戦した最後の親善試合では、チームが目指すアグレッシブなプレッシングと素晴らしいゲーム内容を披露し、新体制への期待を大いに抱かせるものとなりました。しかし、その試合で得点を挙げてチームのリードを広げたコンゴ民主共和国代表のフォワード、ディアン選手が、ゴールを決めた直後に太ももの筋肉に違和感を訴えてピッチを去るアクシデントが発生しました。ディアン選手は今夏を通して度重なる筋肉系の怪我に苦しめられており、プレシーズン中も思うような調整ができなかったことから、今回の重要なリーグ開幕戦は完全に招集メンバーから外れることになってしまいました。(via SPORT)

ペドロ・ビガスとヤゴ・デ_サンティアゴの最新負傷回復状況

アンセルミ監督は試合を前にした公式記者会見において、チームの負傷者に関する詳細なステータスを報告しました。指揮官は『コンゴ人選手を除き、他のすべての選手が起用可能です』と明言し、筋肉系の負傷を抱えるFWディアン以外の全選手がデポルティーボ戦に起用可能であることを明かしました。特に、負傷の懸念があったディフェンスの要であるベテランのペドロ・ビガス選手について、監督は『すでに再びピッチに立って貢献できる状態にあります』と説明し、万全な状態にあることを確認しました。また、リハビリを続けていた新戦力のヤゴ・デ・サンティアゴ選手に関しても順調な回復を見せており、チームはディアンの離脱という痛手はあるものの、それ以外の主力選手を招集メンバーに含めることが可能となっています。(via SPORT)

昨シーズンの劇的なドラマ:一時CL圏内浮上からの大失速と最終節での歴史的な残留劇

エルチェCFにとって、激動となった昨シーズンの記憶はまだ鮮明に残っています。エデル・サラビア前監督体制でスタートした昨季は、ホームにベティスを迎えた開幕戦で素晴らしいポゼッションサッカーと高いパーソナリティを示して話題を呼びました。その後は素晴らしい戦いを続け、開幕から第8節まで無敗を維持し、一時はアトレティコ・マドリードやベティス、アスレティック・ビルバオ、セルタなどの強豪クラブを上回ってチャンピオンズリーグ出場圏内となる上位に食い込む快進撃を披露しました。しかし、シーズン後半に入ると坂道を転げ落ちるように失速し、順位は急降下。最終的には泥沼の残留争いは最後までもつれ込み、85日前の最終節で心臓が破れるような劇的な展開を乗り越え、辛うじて歴史的な1部残留をもぎ取るという極限のドラマを演じました。(via SPORT)

昇格の地リアソルでの輝かしい記憶:2年前のデポルティーボ戦4発大勝

今回の開幕戦が行われるデポルティーボの本拠地リアソルスタジアムは、エルチェのファンや選手にとってクラブ史上に残る素晴らしい聖地です。今からわずか2年前、エルチェはこの大西洋に近いスタジアムで完璧なフットボールを展開し、相手に一切の付け入る隙を与えずに4対0という圧倒的なスコアで大勝。1部リーグへの昇格を決める歓喜の夜を過ごしました。その歴史的な昇格決定戦でネットを揺らしたのは、ムラド選手、ヘルマン・バレーラ選手、ジョン・チェタウヤ選手、そしてディフェンスの柱であるペドロ・ビガス選手でした。当時ゴールを奪って奇跡の立役者となったビガスが、今シーズンも再びこのスタジアムでリーダーとしてチームを引っ張り、あの時の美しい記憶を再現しようとしています。(via SPORT)

53年間の悪夢を破る挑戦:1部開幕戦での最悪な未勝利ジンクス

エルチェCFが1部リーグのトップカテゴリーにおいて、長い間破れていない極めて厄介な歴史的ジンクスが存在します。エルチェは1部リーグの開幕戦において、現在12大会連続で一度も勝利を挙げることができていません。実年数に換算すると実に対戦は53年間も開幕節での勝利から見放されています。クラブの歴史上、最後に1部開幕戦で勝利を掴み取ったのは、かつての古き良きホームスタジアムである「アルタビクス」にバルセロナを迎えた一戦まで遡り、その時はチバ選手の価値あるゴールによって1対0で大金星を挙げました。53年ぶりの開幕戦白星に向けて、アンセルミ監督率いる新チームは目の前の強敵に加えて、この不名誉な歴史とも戦わなければなりません。(via SPORT)

記念すべき開幕戦のテレビ放映スケジュールとDAZNによる無料視聴方法

1部復帰に沸き立ち、アブバメヤンやレオ・ロマン、ブライト・エデなどの大補強で意気揚々とするデポルティーボのホームに乗り込むエルチェの開幕戦は、現地時間の月曜日、8月17日の21:00にキックオフされます。この試合はスペイン国内において、通常の有料プラットフォームであるDAZNでの放送はもちろんのこと、テレビの無料チャンネルである「テレデポルテ」でも生中継が決定しています。さらに今回の開幕戦はラ・リーガの無料一般公開試合に指定されているため、DAZNのプラットフォームでも無料会員登録を行うだけで、有料プランの契約をしていなくても完全に無料でオンラインライブ配信を視聴することが可能となっています。また、ラジオMARCAによる音声生中継や、MARCA.comでのリアルタイムテキスト実況も行われる予定です。(via MARCA)

【本日の総括】

エデル・サラビア体制からマルティン・アンセルミ新監督へとバトンを繋ぎ、アグレッシブな戦術スタイルで新たな挑戦を始めるエルチェCF。昨シーズンのCL圏内浮上から最終節の辛うじての残留という起伏の激しい激動を乗り越え、53年間もの間勝てていない1部開幕戦のジンクスを破るため、2年前に4発大勝で昇格を決めた思い出の聖地リアソルでのデポルティーボ戦に挑みます。ディアンの離脱は痛いものの、復活したベテランのペドロ・ビガスを中心に、新生エルチェの真価が試される初陣がまもなく幕を開けます。