親善試合:カステリョン戦

プレシーズン第3戦となるカステリョンとの親善試合は、1-2でバレンシアが敗れる結果となった。前半は暑さの影響もあり両チーム無得点で折り返したが、後半に入るとカステリョンが主導権を握る。バレンシアは後半からGKビセント・アブリル以外の全選手を交代させて臨んだが、50分にラウル・サンチェス、60分にヤコブセンに立て続けにゴールを許してしまった。

0-2とリードを広げられたことで、スタンドの一部ファンからは『コルバラン、辞任しろ』『ピーター、もう出て行け』といったクラブ経営陣や監督に対する抗議のチャントが鳴り響いた。

試合終盤は荒れ模様となり、85分にサディクが相手ベンチの抗議の際にボールをぶつけられたことへの報復として、ボールのないところで相手選手を蹴り飛ばし一発退場。86分にアリウ・ディエングのゴールで1点を返したものの、試合終了間際にはダニ・ラバが相手選手との小競り合いから頭突きを受け、両者退場となる後味の悪い結末で幕を閉じた。

(via ElDesmarque / SPORT)

選手評価&コメント

敗戦の中で一際輝きを放ったのはアリウ・ディエングだった。単なるストッパー以上の能力を証明し、86分にはダニ・ラバのアシストからペナルティエリア外からの見事なシュートをトップコーナーに突き刺した。前半に出場したギド・ロドリゲスもコンディションを上げており、中盤をコントロールして前半のベストプレーヤーと評価されている。トップ下でプレーしたハビ・ゲラも、ラインを破る深みのあるランニングで攻撃にリズムをもたらした。一方で、復帰したディアカビやウグリニッチ、途中出場のサディクらは厳しい評価を受けている。

フル出場した若手GKビセント・アブリルは、失点シーンこそ防ぎようがなかったものの、いくつかの好セーブを見せた。試合後、アブリルはファンからの厳しい声に対して次のように理解を求めている。

『ファンの気持ちは分かりますし、勝利を求めているのも理解しています。私たちは勝ち点3を取るためにプレーしています。このまま続ければ必ずシーズンはうまくいきます。今は細部を修正し、このダイナミズムを維持して次の試合について考える必要があります。プレシーズンですからね』

自身の去就や立場についても、若き守護神は前向きな姿勢を崩していない。

『ゴールキーパーは自信をつけるために出場時間が必要です。今後どうなるかは分かりませんが、私は監督が与えてくれるチャンスを活かし、試合とトレーニングに集中してチームメイトを助けるだけです』

(via ElDesmarque)

イギリス合宿へ

チームは7月27日の午後から、イギリスのセント・ジョージズ・パーク(イングランド代表の拠点)での第2次プレシーズンキャンプに向けて出発した。期間は8月1日までとなる。

現地では7月28日にダービー・カウンティと施設内で非公開の親善試合を行い、8月1日にはBet365スタジアムでストーク・シティとの対戦が組まれている。この合宿には、移籍が噂されている構想外の選手たちや、補強の不安を抱えるメンバーも全員が同行している。

帰国後の8月8日にはメスタージャでニューカッスルを迎え、「オレンジトロフィー(Trofeu Taronja)」を開催予定。さらに第1節のベティス戦が延期され、リーグ開幕が1週間遅れることになったため、クラブはコンディション維持のために新たな親善試合を模索している状況にある。

(via ElDesmarque)

移籍・編成課題

リーグ開幕まで3週間を切ったが、カルロス・コルバラン監督のスタメン編成には依然として大きな問題が山積みとなっている。

新戦力のリョウノスケ・サトウ、ユスティン・デ・ハース、アリウ・ディエングはスペインリーグでの実績がなく未知数。ギド・ロドリゲスの残留は中盤の構造的課題を解決する唯一の確実な補強だが、両ウイングと右サイドバックには明確な穴が空いている。

右サイドバックはトーマス・ムニエの獲得に失敗し、現在はカンテラーノしかいない状況。カステリョン戦ではルボ・イランソの負傷により、BチームのCBワンジャラを右サイドバックで起用する緊急事態に陥っており、スタメン級と控えの獲得が急務となっている。

ウイングも純粋な本職がルイス・リオハのみ。サトウが左サイドで攻撃の起点となり良い選択肢となっているが、スタメン級1人と控え1人の最低2人の補強が必要不可欠。さらに、ストール・ディミトリエフスキと定位置を争うGKや、ルーカス・ベルトランのようなセカンドトップ型のFWの獲得も目指しており、最低5人の補強と2人の放出が必須とされている。

(via ElDesmarque)

移籍:ルーカス・ヌニェス

期待の若手MFルーカス・ヌニェス(アリカンテ出身)が、エイバルへシーズン終了までのレンタル移籍をすることが公式発表された。

昨季バレンシア・メスタージャで27試合に先発出場して1828分間プレーし、コパ・デル・レイでトップチームデビューも果たした才能あふれる逸材。中盤の底やトップ下をこなし、両足での正確なキックと前線への飛び出しを武器としている。

この契約には買取オプションは付随しておらず、バレンシアは彼を手放すつもりは全くない。さらに、エイバルで一定数の試合に出場しなければ1月の移籍市場で呼び戻せるという特別な条件が盛り込まれている。クラブは彼が、かつてのダビド・シルバと同じようにエイバルで出場機会を得て成長し、逞しくなってメスタージャに戻ってくることを期待している。

(via ElDesmarque)

クラブ運営・財政

かつてバレンシアで育成され、PSGからアトレティコ・マドリードへ移籍(移籍金3500万〜4000万ユーロ)したイ・ガンインの取引により、バレンシアに思わぬ臨時収入が入ることになった。

FIFAの連帯貢献金メカニズムにより、12歳から20歳まで同選手を育成したバレンシアには移籍金の3.5%が支払われる。これにより、ボーナスを除いた固定額だけでも約120万ユーロを手にすることになる。

財政難とファイナンシャル・フェアプレーの制限に苦しむクラブにとっては恵みの雨となるが、現地では当時のピーター・リムやアニル・マーシー、マルセリーノら経営陣による移籍金ゼロでの放出を「歴史的な大失敗」として改めて非難する声が上がっている。

(via ElDesmarque)

小ネタ・噂

イ・ガンインの放出に関して、当時のホセ・ボルダラス監督が過去に語った舞台裏が再び話題を呼んでいる。監督は当時の不可解なクラブの決定について次のように振り返っている。

『私が到着したとき、カンインは売却済みで、出て行かなければならないと言われました。彼は悪いチームメイトだと言われたのです。彼が戻ってきて2日だけ練習したんですが、私はコーチ陣に「彼が一番上手い。売るなんて理解できない」と言いました。私には発言権がありませんでしたが、移籍金ゼロで放出されたことには驚きました』

その他の移籍の噂として、オビエドとの契約が残り1年となっているGKアロン・エスカンデルの獲得を狙っているという情報や、数ヶ月前にビジャレアルBの若手右SBダニ・ブデスカの状況を問い合わせていたことが報じられている。また、昨季バレンシアにレンタル移籍していたアスレティック・ビルバオのGKフレン・アギレサバラは、買取オプションが行使されなかったため所属元へ戻っている。

さらに、バレンシアのカンテラ出身で、トップチームで約150試合に出場した実績を持つMFウーゴ・ギジャモンが、昨夏に移籍したハイドゥク・スプリトとの契約を解除し、スポルティング・ヒホンへ加入することが間近となっている。

(via SPORT / ElDesmarque / Estadio Deportivo)

【本日の総括】

プレシーズンマッチのカステリョン戦は退場者を出す荒れた展開で黒星。イギリス合宿へ出発する一方で、右SBやウイングなどスタメン級の補強が急務となっており、開幕に向けて編成の不安が残る状況です。イ・ガンインの移籍に伴う連帯貢献金は、厳しい財政状況にあるクラブにとって朗報となりました。