ワールドカップ・スペイン代表選出
スペイン代表のワールドカップメンバーに、バルセロナからジョアン・ガルシア、エリック・ガルシア、パウ・クバルシ、ペドリ、ガビ、ダニ・オルモ、フェラン・トーレス、ラミネ・ヤマルの8選手が選出された。ハンジ・フリック監督の下でラ・リーガとスーペルコパの2冠を達成したチームの主力たちが順当に名を連ねた。バルサのスペイン代表候補選手の今季の総プレー時間は37,386分に達し、選出された8人だけで25,002分を記録している。フリック監督は今季19人のスペイン人選手を起用し、4000分を超えたのはGKのジョアンのみで、3000分超えはクバルシ、エリック、ラミネ、ペドリ、ジェラール・マルティン、フェルミン・ロペスとなっている。
特に注目を集めたのは、シーズンの大半を怪我で欠場しながらも3月に復帰したガビの選出だ。ルイス・デ・ラ・フエンテ監督は彼について『誰かが彼に何かをプレゼントしたわけではなく、彼自身で勝ち取った。激しいトレーニングを積み、2つの大怪我から回復した。多くの人にとって、バルサのようなレベルに達するための努力と犠牲の模範だ』と称賛。選出の瞬間にスポーツシティで理学療法士たちやチームメイトのラミネ・ヤマル、フレンキー・デ・ヨングと抱き合い歓喜したガビは、SNSで『自分の国を代表して2度目のワールドカップでプレーできるなんて、夢が実現しました! しかし、この大会は、すべての困難の後、3年間で2度倒れては立ち上がった後なので、違った味わいになるでしょう。でも、ワールドカップを家に持ち帰るために全力を尽くすことを保証します。この26人のリストに載ることは名誉であり特権です。皆さんに同じくらい誇りに思ってもらえるようにします』と強い決意を表明した。
ジョアン、クバルシ、ラミネにとっては初のW杯となる。デ・ラ・フエンテ監督は、怪我からの回復途上にあるラミネについて『バルサだけでなく全クラブと緊密に連絡を取っている。ラミネ、ミケル・メリノ、ニコ・ウィリアムズの回復状況は良好だ。初戦には間に合うと思うが、起用するかは検討する。リスクというより、その先の試合を見据えているからだ。ラミネは平均を上回る才能と将来性がある。彼はとても楽しみにしているし、意欲的だ。18歳だが非常に成熟しており、今が自分のチャンスだと理解している』とし、万全を期す姿勢を示した。また、長らくA代表から遠ざかっていたエリック・ガルシアについては『U19、U21、オリンピック代表で私と一緒にやってきた。様々な理由、おそらく重要な時期の怪我などでA代表の機会がなかった』とその実力を評価しての招集であることを明かした。
一方で、右足第5中足骨の骨折で手術となったフェルミン・ロペスは無念の落選。センターバックとして活躍したジェラール・マルティン、負傷の影響が残るバルデ、出場時間不足のマルク・カサドらも選外となった。マルク・ベルナルはW杯前の合宿に参加するサポートメンバーに選出されたが、直前の大ケガがない限りアメリカには行かない。レンタル中のイニャキ・ペーニャ、エクトル・フォルト、そしてモナコで30試合12ゴールと活躍したアンス・ファティも落選した。アンスの父であるボリ・ファティは『モナコでのフランスリーグを、他のどのスペイン人ストライカーよりも高いレベルで終えた。しかし、代表がそう見なかったのであれば、これ以上できることはない。もしアンスが長期間定期的にプレーしていれば、確実に代表に復帰していただろう。それは明らかだ。しかし、プレーしていない難しい時期があった。シーズンをとても良い形で終えた。ルイス・デ・ラ・フエンテは他の選手を信頼しており、それを尊重しなければならない。私たちはアンスがリストに入ることを期待していたが、そうならなかったので受け入れるしかない』と無念さを滲ませつつも監督の決断を尊重した。アンスは昨夏、フリック監督の構想外になることを理解してモナコへ移籍し、約1100万ユーロの買取オプションが含まれている。(via SPORT)(via Mundo Deportivo)(via ElDesmarque)
ワールドカップ・他国代表選出と落選
スペイン以外の代表チームにも多くのバルサ選手が選出された。フランス代表のクンデ、ポルトガル代表のカンセロ、ウルグアイ代表のアラウホ、オランダ代表のデ・ヨング、ブラジル代表のハフィーニャ、そしてイングランド代表のラッシュフォードがそれぞれの国を代表してワールドカップに臨む。
また、冬にアル・アハリからレンタル移籍し、フベニルAで後半戦を戦い6ゴールを挙げた18歳のハムザ・アブデルカリムが、エジプト代表のプレリスト27名に大抜擢された(最終的に1人が落選予定)。クラブは彼に過度なプレッシャーをかけず、バルサ・アトレティクの昇格争いには参加させずにフベニルAでじっくり適応させる方針をとったが、エジプト代表のホッサム・ハッサン監督は彼を高く評価した。フリック監督も『プレシーズンを計画しており、ラ・マシアからどの選手を連れて行くか様子を見るつもりだ。しかし、彼は我々にとっての選択肢になり得る』と期待を寄せており、クラブは約200万ユーロの買取オプションを行使して来季は彼をバルサ・アトレティクのストライカーとして迎え入れる予定だ。
一方で、ワールドカップ出場を逃した選手たちもいる。ドイツ代表のテア・シュテーゲンは1月からの長期負傷とマヌエル・ノイアーの存在により落選。スウェーデン代表のルーニー・バルドグジはバルサでのデビューシーズンが不安定だったため、グラハム・ポッター監督の構想から外れた。ポーランド代表はプレーオフ決勝でスウェーデンに敗れて本大会出場を逃したため、ロベルト・レヴァンドフスキにとって最後のワールドカップ出場の夢は絶たれた。同じくポーランド代表のヴォイチェフ・シュチェスニーはバルサで短期間プレーして調子を取り戻したものの、2025年初めに代表引退を表明していたため参加しない。(via SPORT)(via Mundo Deportivo)
DecoSDのシーズン総括
デコ・スポーツディレクターが自身のInstagramを更新し、シーズンを総括した。Flick監督の仕事ぶりに大変満足しており、『リーガとスペイン・スーペルコパ! チーム全員の献身と才能、コーチングスタッフ、そしてクラブのために日々働いているすべての人に祝福を。常にサポートしてくれるクレの皆さんに感謝します。この仕事の一部であり続けられることを誇りに思います。もっと上を目指しましょう!』と、2冠達成の喜びとクラブ関係者への感謝を綴った。ただ、クラブの経済的な問題は依然として続いており、夏の移籍市場で通常通りの活動ができていない厳しい現状も示唆している。(via SPORT)
バルサ・アトレティク監督人事
バルサ・アトレティク(Bチーム)はセグンダ連盟を6位で終え、プリメーラRFEF昇格プレーオフ出場を逃した。目標は達成できなかったものの、クラブはジュリアーノ・ベレッチ監督の手腕を高く評価し、「1+1」の契約のオプション年を行使して来季も続投させることを決定した。昨季はフベニルAのアシスタントからスタートし、その後バルサ・アトレティクのアシスタントに就任。今季はフベニルAを率いて3冠を達成し、バルサ・アトレティクを指揮した。多くの負傷者に悩まされながらも、トップチームのフリック監督がラ・マシアから昇格してくる選手たちのレベルに非常に満足していることが、ベレッチ監督の育成手腕の証として評価された形だ。(via SPORT)
カンテラの退団情報
フベニルAでプレーしていた19歳のミッドフィルダー、キム・ジュニェントがバルサを退団することになった。冬の移籍市場でアルメリアと交渉したものの実現せず、今季はベレッチ監督の構想から外れ、ポル・プラナス監督率いるフベニルAのダイナミクスでプレーしていた。チャンピオンズカップのファイナルフォーではラスパルマス戦にフル出場し、レアル・マドリード戦でも先発したものの、後半開始早々の厳しい判定による退場が響いてチームは敗退。昨夏はフリック監督のアメリカツアーに帯同したが、今年のリストからは外れており、クラブでのステージに終止符を打つことになった。アルメリアは現在セグンダで3位につけ、プレーオフ進出を目指している。(via Mundo Deportivo)
ストライカー補強動向:Joao PedroとJulián Álvarez
ロベルト・レヴァンドフスキの後釜となるストライカーの獲得は、フリック監督にとって最優先事項となっている。デコSD、ボージャン・クルキッチ、そしてチーフスカウトのジョアン・アマラルは、チェルシーのジョアン・ペドロ獲得交渉を前進させるために月曜日にロンドン入りした。ペドロは今季20ゴール9アシストを記録し、チェルシーの最優秀選手に選ばれたが、ブラジル代表のW杯メンバーからは落選。本人はバルサ移籍に非常に前向きであり、チェルシーが来季の欧州カップ戦出場権を逃したことや、シャビ・アロンソ新監督の就任も彼の決意を変えるものではない。チェルシーは彼の獲得に約7000万ユーロを支払い、2033年までの契約を結んでいるため、評価額は最大1億ユーロに達する可能性があるが、バルサ側は7000万ユーロ強で獲得できると見積もっている。
もう一人のメインターゲットであるアトレティコ・マドリードのフリアン・アルバレスの獲得交渉は難航している。バルサはアルバレスに1億ユーロの限度額を設定しているが、アトレティコは1億5000万ユーロという巨額の移籍金を要求。バルサはフェラン・トーレスを交渉に含めて減額を狙ったが、トーレス本人が移籍を拒否。アトレティコはアラウホやフェルミンであれば受け入れる可能性があるものの、バルサ側に放出の意思はなく、選手たちも移籍を望んでいない。アルバレス本人はバルサでのプレーを熱望しており、アトレティコからの給与大幅アップの契約延長オファーを保留しているが、PSGやアーセナルからの関心もある中、バルサは1億ユーロ以上を支払うつもりはない。
また、1:1ルールをクリアするためには、長期離脱中のテア・シュテーゲンやアンス・ファティの給与枠解放、さらにはファティの移籍金が必要不可欠だが、それだけでは不十分であり、他の大型売却やクラブ資産の売却など、新たな資金調達の道を探る必要がある。なお、ストライカー獲得を最優先とするため、インテルのアレッサンドロ・バストーニや、トッテナムへのフリートランスファーが決まったマルコス・セネシといったセンターバックの獲得は見送られている。(via SPORT)(via Mundo Deportivo)(via MARCA)
Joao Canceloの去就
冬にアル・ヒラルから加入し、左サイドバックとして定位置を掴んだジョアン・カンセロは、自身のSNSでバルサ残留への強い思いを綴った謎めいたメッセージを投稿した。『時には、最も重要な決断は単なるサッカーについてではなく、才能が本当に属する場所についてである。バルセロナは単なるクラブではなく、サッカーが芸術に変わり、特別な選手が歴史を作る舞台だ。ジョアンはこのスタイルのため、このシャツのため、この挑戦のために生まれた。バルサでは彼はただの選手ではなく、主役、手本、そしてインスピレーションとなるだろう。街、クラブ、ファンは、彼にふさわしい形で彼を迎える準備ができている。彼に迷うなと伝えてほしい。二度考える必要のない道がある。今がその時だ。バルセロナは彼を待っている』。フリック監督もデコSDも彼の残留を望んでおり、カンセロ自身も減俸を受け入れる覚悟だ。目標はバルサで少なくとも2シーズンプレーし、古巣ベンフィカで現役を引退すること。しかし、バルサが望んだ契約解除によるフリートランスファーは不可能であり、アル・ヒラルは最低1000万ユーロの移籍金を要求して交渉が続いている。(via SPORT)
GK陣の再編
今季のサモラ賞を獲得し、圧倒的なパフォーマンスを見せたジョアン・ガルシアが正GKとして完全に定着したことで、来季に向けたGK陣の再編が急務となっている。アナリストのアレックス・デルマスは、1年契約を残すヴォイチェフ・シュチェスニーについて、第2GKではなく若手の成長を支えるサポート役に留めるべきだと提言している。その第2GKの候補として、現在アンドラにレンタル中でセグンダで21試合に出場した18歳のアロン・ヤーコビシュヴィリを呼び戻すべきとの声が上がっている。
一方で、7月1日にジローナへのレンタルから復帰するマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンの扱いは複雑だ。彼は不運な怪我でシーズンを棒に振っており、2028年までの契約が残っているものの、クラブ内では高額な年俸の削減と新体制へのフィットを理由に放出を検討すべきだという意見が強い。しかし、彼自身はバルセロナを離れる意思を示していない。他にもレンタル中のイニャキ・ペーニャやディエゴ・コチェンらがおり、デコSDは複雑なパズルを解く決断を迫られている。(via SPORT)
カンテラ出身選手の動向:Marc CasadóとHéctor Fort
中盤のマルク・カサドは、フレンキー・デ・ヨングの離脱時に出番を得て素晴らしいパフォーマンスを見せたものの、マルク・ベルナルの台頭により出場機会が減少している。フリック監督はストライカー補強に資金を集中させ、中盤にはこれ以上の投資を行わない方針を固めており、来季もカサドの出番が限られる可能性が高い。彼にはサウジアラビアから高額なオファーが届いており、移籍金ゼロで育った彼を売却することはクラブにとって純利益となるため、退団の可能性が高まっている。カサドが退団した場合は、今季トップチームで9分間プレーしたトミー・マルケスがその枠を埋める見込みだ。
一方、フリック監督の判断で出場機会を求めてエルチェにレンタルされていたエクトル・フォルトは、肩の負傷で3ヶ月以上離脱する不運もあり、17試合、3ゴール2アシスト、623分の出場にとどまった。しかし、すでにエルチェに別れを告げ、月曜日にはシウタ・エスポルティバ・ジョアン・ガンペールに姿を見せ、ガビのW杯選出の場にも居合わせた。7月15日のプレシーズン開始から、トップチームでの定位置争いに意欲を燃やしている。(via SPORT)
その他の移籍市場の噂
マンチェスター・ユナイテッドからレンタル加入し、若手のバルドグジらとも親しくロッカールームへの適応も抜群だったマーカス・ラッシュフォードは、今季14ゴール14アシストを記録。SNSにメスタージャでの写真とハイライト動画を投稿し、『いつも喜びだ。2025/26シーズン、もっと多くを望んでいるよ、バルサ』と残留を熱望するメッセージを発信した。フリック監督も残留を希望しているが、ユナイテッドは3000万ユーロの買い取り条項の満額支払いを求めており、交渉の行方は不透明だ。
また、レバンテに所属する22歳のカメルーン国籍ストライカー、エッタ・エヨングは、CSKAモスクワからの移籍金3000万ユーロ、年俸600万ユーロという巨額のオファーを拒否した。エバートン、トッテナム、シュトゥットガルトも関心を寄せる中、子供の頃のアイドルであるサミュエル・エトオの足跡をたどり、レヴァンドフスキの抜けたバルサでプレーすることを夢見ている。レバンテは移籍金として2500万ユーロ+ボーナスを要求している。(via SPORT)(via Mundo Deportivo)
【本日の総括】
ワールドカップに向けたスペイン代表にバルサから8名が選出され、大怪我から復帰したガビが感動の涙を見せました。移籍市場ではフリック監督の熱望によりストライカーの獲得(ジョアン・ペドロ、フリアン・アルバレス)が最優先課題となっており、ジョアン・カンセロやラッシュフォードの残留交渉、さらにはGK陣やカンテラ選手の再編など、来季に向けたデコSDの慌ただしい動きが続いています。




デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
今季のバルサが示したのは、フリック監督の下でスペイン人選手たちが戦術的規律と運動量を高い次元で融合させたという事実です。特にガビの復帰は、単なる精神的な支柱以上の意味を持ちます。彼の強度は、フリックが求めるハイプレスとトランジションの速さを体現する上で不可欠なピースだからです。一方で、フェルミンやカサドといった若手の起用状況を見ると、監督は個の能力以上に、チームの構造的なバランスを優先していることが分かります。W杯での彼らの活躍は、来季のバルサが目指す『より強固な組織』の試金石となるでしょう。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
2冠達成という結果は、クラブにとって大きな自信となりました。しかし、デコSDが示唆する経済的制約は、依然としてクラブの首を絞めています。ガビの代表選出に象徴されるような『カンテラの誇り』と、ストライカー獲得という『冷徹な補強戦略』の狭間で、フロントは難しい舵取りを迫られています。特にアンス・ファティの父のコメントからは、クラブが選手をどう扱い、どう送り出すかという姿勢が、サポーターや家族の信頼に直結していることが読み取れます。結果だけでなく、クラブとしての誠実な対話が今、問われています。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
ストライカー補強に1億ユーロ規模の投資を検討しつつ、一方でテア・シュテーゲンのような高給与選手の整理や、カサドの売却による純利益確保を急ぐという、非常にシビアな編成方針が見て取れます。特にジョアン・ペドロやフリアン・アルバレスを巡る交渉は、1:1ルールの制約下でいかに資金を捻出するかのパズルです。カンセロの残留熱望も、移籍金交渉という現実的な壁に直面しています。感情論を排し、契約年数とサラリーキャップの整合性を最優先するデコSDの判断が、来季の競争力を左右するでしょう。