歴史的1部復帰初勝利!エル・サルディネーロで繰り広げられた3-2の死闘劇

ついにラシン・サンタンデールが、1部リーグでの歴史的な勝利を掴み取りました。ホームのエル・サルディネーロにエルチェを迎えたラ・リーガ第3節、ラシンは激しい乱打戦の末に3-2で勝利を収め、待望の今季初白星を手にしました。

前半はラシンの独壇場であり、完璧なパフォーマンスで3点のリードを奪ってハーフタイムを迎えました。後半に入っても70分から75分頃までは完全に試合をコントロールしており、4点目の追加点が生まれる雰囲気さえ漂っていました。しかし、ここから一転してスタジアムは悲鳴に包まれます。後半75分を過ぎたあたりでエルチェが一歩前に出ると、わずか1分間のうちに相手のババ・サンガレとフェル・ニーニョに連続ゴールを許し、スコアはあっという間に3-2に。

残り15分とアディショナルタイム5分、合計20分近くに及んだ後半の最終盤は、ラシンにとって文字通り心臓が止まるような死闘となりました。完全に勢いに乗ったエルチェが猛攻を仕掛け、ラシンはゴール前に押し込まれる時間が続きましたが、守護神のジュレン・アギレサバラが絶体絶命のピンチをファインセーブで防ぎ、試合終了間際のセペダによる強烈な直接フリーキックもしっかりとキャッチ。全員が文字通り体を張って泥臭くリードを守り切り、タイムアップを迎えました。

この勝利は、ラシンにとって極めて大きな意味を持ちます。1部リーグでの勝利は、実に2012年1月のオサスナ戦(0-2)以来となり、それまで続いていた「1部リーグでの22試合連続未勝利(8分14敗)」という不名誉なクラブ史上最長記録をついにストップさせました。一方で、対戦相手のエルチェにとっては、1部リーグにおけるエル・サルディネーロでの通算成績がこれで「8戦全敗」となり、ラシンのホームでの最悪な相性をまたしても覆すことができませんでした。(via MARCA)

新星ザビリが爆発!わずか21分間でハットトリックを達成した歴史的一夜

この歴史的な夜の主人公は、間違いなくモロッコ人FWヤシル・ザビリでした。今夏にレンヌからの買取オプション付きレンタルで加入したばかりの彼は、今回のエルチェ戦で自身初の先発出場のチャンスを掴むと、前半15分、21分、36分のわずか21分間の間にハットトリックを達成する神がかり的な大爆発を見せました。

1点目は前半15分、相手GKディトゥロがバックパスを足元でコントロールミスした隙を見逃さず、ザビリが電光石火のプレッシングでボールを強奪してそのまま無人のゴールへ蹴り込みました。続く21分には、相手守備陣のクリアミスを突いてイニゴ・ビセンテが極めて正確なスルーパスを送り、これに抜け出したザビリが冷静にゴール右隅へ沈めて2点目。さらに勢いは止まらず、36分にはロングボールに対するエルチェのサンガレの守備の乱れを突いたビセンテがピンポイントクロスを上げると、ザビリが美しいシザーズボレーシュートで合わせてネットを揺らし、ハットトリックを完遂しました。エル・サルディネーロのファンは完全に熱狂の渦に包まれました。

ザビリは新加入時の入団発表の場で『今シーズンの目標は10ゴール』と宣言していましたが、なんと初めて先発した1試合だけでその目標の3割を達成してしまいました。1部リーグにおいてラシンの選手がハットトリックを達成したのは、2008-09シーズンのバレンシア戦(2-4)でチテが決めて以来となります。また、これはラシンの1部リーグの歴史において通算36回目のハットトリック記録となりました。

モロッコU-20代表としてワールドカップを制し、決勝でも2得点を挙げた経歴を持つザビリですが、昨季後半に所属したレンヌではわずか6試合の出場に留まっていました。しかし、ラシンのスポーツディレクターであるチェマ・アラゴンが彼の天性の才能を信じて個人的な強い推薦により獲得。見事にその大博打が最初のチャンスで最高の形で証明された夜となりました。(via MARCA)

指揮官ホセ・アルベルトの眼力!エルチェGKディトゥロの裏をかいたプレッシング戦術

ザビリが達成した伝説的なハットトリックの第1歩目となったあのオープニングゴールは、決して単なる相手の不運なミスによる偶然ではありませんでした。ホセ・アルベルト・ロペス監督を中心とするラシンのコーチングスタッフが、事前に完璧に準備していた狙い通りのプレーだったのです。

指揮官は事前にエルチェの守護神マティアス・ディトゥロのプレースタイルを徹底的にスカウティングしていました。ディトゥロは最後方からの組み立てに積極的に関与し、リスクを恐れずにショートパスを配給したり、キックフェイントで相手プレスをかわしたりする非常に勇敢なゴールキーパーです。しかし、ホセ・アルベルト監督はその『勇気』こそが、ラシンにとって最大のボール奪取のチャンス、すなわちアキレス腱になると確信していました。

今週のトレーニング中、監督はザビリに対してエルチェのビルドアップに対するプレッシングの掛け方を徹底的に指導していました。試合後、ホセ・アルベルト監督は誇らしげにその舞台裏を明かしています。

『ちょうど彼と事前に話していたんだよ。キーパーのディトゥロからボールを奪うことができると私は信じている、とね。そうしたら、見事にその通りの展開になったんだ』

指揮官はさらに、ザビリへの信頼と称賛を語りました。

『彼が今日3ゴールも決めるとは予想していなかったが、良い試合をして大きな違いを生み出すことができる能力を持っていることは確信していた。彼は非常に良く努力しており、今週の練習も素晴らしかった。だから今日のスタメンというチャンスは、彼が自らの努力で勝ち取った正当な報酬なんだ』(via Estadio Deportivo)

喜びの影に潜む猛省と警告!ホセ・アルベルト監督が途中出場組に求めた「エネルギー」

歴史的な今季初白星を祝うエル・サルディネーロでしたが、会見場に現れたホセ・アルベルト監督は笑顔ばかりではありませんでした。3-0と圧倒しながらも、後半のわずか1分間の気の緩みからチーム全体がパニックに陥り、薄氷の勝利となった展開に、指揮官としての強い危機感を露わにしました。

ホセ・アルベルト監督は試合内容を厳しく分析し、特に後半の戦い方に苦言を呈しました。

『我々は素晴らしい前半を見せ、後半も75分まではとてもよく機能していた。しかし、その後にまったく納得のいかない最悪の1分間を過ごしてしまった。なぜあのようになってしまったのか、今の私には説明ができない。我々はリードを保つという状況のコントロール方法を知らないようだ。結局は多くの苦しみを味わうことになってしまった。だが、我々はラシンだ。苦しみながら戦うことが私たちの宿命なのかもしれないね』

指揮官は、3-1とされた直後にエルチェに2点目を与えるなど、試合の局面をスマートに管理できなかった守備の軽さを猛省するとともに、特に後半途中から投入された控え選手たちのパフォーマンスに対して強い不満を表明しました。

『途中からピッチに入った選手たちには、もっと多くのエネルギーをもたらしてほしかった。彼らは今日見せた以上のパフォーマンスをチームに提供しなければならないし、我々には彼らの力が必要不可欠なんだ』

この叱責は、過酷な1部リーグを生き抜くためにチーム全員の基準をもう一段階引き上げるための、指揮官からの強い警告です。なお、ホセ・アルベルト監督は今回の勝利により、エルチェとの最近の対戦成績を3勝1分1敗とし、過去に対戦した最初の4試合で一度も勝てなかった(2分2敗)苦手意識を完全に克服したスタッツを残しています。(via Mundo Deportivo)

悲報・攻撃の核アンドレス・マルティンが膝を負傷...指揮官も「深刻な予感」と懸念

ラシンにとって悲願の初勝利という素晴らしいニュースの裏で、今シーズンを大きく左右しかねない極めて重大な懸念材料が発生してしまいました。チームの攻撃陣を牽引する主力であるアンドレス・マルティンが、後半59分に膝を痛めて自力でプレーを続けられなくなり、緊急交代を余儀なくされました。

当初、スタジアムにいた関係者やファンは、激しい運動量による筋肉系の過負荷や軽度のトラブルによる交代だと思っていました。しかし、試合後のホセ・アルベルト監督の口から語られた言葉は、楽観論を完全に打ち消す非常に衝撃的なものでした。

監督は怪我の状況について、このように重い表情で話しました。

『最初は一般的な筋肉のトラブルかと思われていたが、実際には膝に問題が発生してしまった。まだ正確な診断を出すためには専門的な医療検査の結果を待たなければならないが、非常に見た目が悪く、良い予感がまったくしない状態だ』

アンドレス・マルティンは試合終了を待たずして精密検査を受けるために病院へ直行しており、ラシンのロッカールーム全体が、この攻撃のキーマンの怪我の程度が深刻なものでないことを祈りながら、検査結果を非常に不安な面持ちで待っています。(via Estadio Deportivo)

去就が注目される主力や新戦力の動向!サリナスらの先発継続とプラーティのデビュー

移籍市場の閉幕まであと数日と迫り、周囲の騒音が最も大きくなっているこの時期に、ラシンのピッチ内では非常に興味深い選手起用が見られました。

まず、他クラブからの極めて熱烈な関心や具体的なオファーの噂が数週間にわたって報じられている左サイドバックのホルヘ・サリナス、そして中盤のグスタボ・プエルタの2人ですが、移籍直前というデリケートなタイミングにもかかわらず、ホセ・アルベルト監督は彼らを先発メンバーとしてピッチに送り出しました。彼らは今も変わらずラシンの重要な一員として勝利のためにフル稼働しました。

また、スタメンにはいくつかの大きな変更が加えられていました。センターバックでは、直前のフィジカルトラブルによってパブロ・ラモンがメンバーから外れるというアクシデントが発生。これを受けて、新戦力のファク・ゴンサレスがセンターバックとして初先発を飾りました。ファクは前半にイエローカードを受けるなど激しい守備を見せながら、ディフェンスラインを死守しました。

中盤の底では、セルヒオ・マルティネスに代わって同じく新加入のイバン・マルティンが初先発。鋭いシュートを放って相手ゴールを脅かすなど、期待通りのクオリティを示しました。さらに、後半にアンドレス・マルティンが負傷退場した直後には、今週カリアリからレンタル加入が発表されたばかりの19歳の超新星マッテオ・プラーティが緊急投入され、早くもラシンでの公式戦デビューを飾りました。また、前節に続き怪我から回復したばかりのグリアシュヴィリも後半にイニゴ・ビセンテと交代して出場し、無事に復帰ステップを踏んでいます。(via ElDesmarque)

【本日の総括】

前半のザビリによる電撃ハットトリックで歴史的な1部復帰初勝利を飾ったラシン!後半の失速や守備の課題、さらにアンドレス・マルティンの膝の負傷という大きな試練も突きつけられましたが、全員で苦しみ抜いて掴んだこの勝ち点3は、これからの戦いに向けた大きな自信となるはずです。