選手個別の徹底査定:明暗分かれた守備陣と躍動した新戦力ペペの現在地

アラベス戦におけるビジャレアルの個人パフォーマンスは、ポジションごとに明暗がはっきりと分かれる結果となりました。

守護神ルイス・ジュニオールは失点となったゴールに対して『何もできなかった』ものの、試合のいくつかの局面でホームチームの激しい攻勢をしのぎ、空中戦の処理では安定感を見せました。

ディフェンスラインでは、ムリーニョが相手の突破に手を焼き、かつてのように『守備で主導権を握る存在にはなれず』、非常に疲弊した状態で後半にフリーマンと交代しました。

センターバックに入ったフォイスは、『ビルドアップの局面では優れたパス出しを見せた』ものの、失点シーンでルカス・ボジェを完全に一人フリーにしてしまい、失点の決定打を許す原因を作ってしまいました。それでも終盤の85分には、あと一歩で同点という決定的なシュートを放つ意地を見せました。

一方で、守備陣で最も際立つパフォーマンスを見せたのがバイリーでした。『空中戦のデュエルで無類の強さを発揮し、最終ラインからのビルドアップも極めて的確にコントロールしていた』と絶賛される奮闘ぶりでした。

左サイドバックのカルドナは、『アラベスがサイド攻撃から非常に大きなダメージを与え、アンヘル・ペレスに競り負けて失点に関与してしまった』ものの、攻撃面では力強い推進力を見せました。

中盤では、ゲイが試合を通じてピッチ中央を支え、球際の競り合いでは強さを示したものの、決定的なラストパスの精度を欠きました。フィジカル面でも『まだ全盛期のコンディションにはない』様子が伺えます。バエナは、相手が自陣深くで極めてコンパクトな守備ブロックを形成したため、『ボールを持った際に自身の長所を発揮するのに苦労した』と、相手の徹底抗戦の前に沈黙を強いられました。

攻撃陣では、コートジボワール出身のペペが前半に最も輝きを放ちました。抜群のスピードとフレッシュな動きで右サイドを活性化し、エリア外からの鋭いミドルシュートでゴールに迫るなど、抜群の突破力で複数の決定機を演出しました。シュートは相手GKの好セーブに阻まれたものの、ピッチ上で最大の脅威となりました。

エースのジェラール・モレノは、本来の圧倒的な輝きを放つまでには至らなかったものの、バイタルエリアでチャンスを生み出し、自身も3度の得点機会を迎えるなど孤軍奮闘しました。しかし、試合の進行とともに影響力を失い、後半はパフォーマンスが低下しました。もう一人の先発デニス・スアレスも、前半こそいくつか見せ場を作ったものの、後半はほとんど影響力を発揮できませんでした。

指揮官の交代策も、期待通りの効果を上げられませんでした。後半に投入されたフリーマンは『インテンシティが高く、サイドから深みをもたらそうと試みた』ものの、実を結びませんでした。モレイロは『焦りが見られ、結果を伴わないプレーが多かった』と評され、アヨセは『危険を創出して相手GKのセーブを強いた』もののゴールには届かず、イリアスも『選択肢を欠いていたが果敢に仕掛けた』ものの不発。オルワセインが終盤にわずかに相手ゴールを脅かすに留まりました。(via SPORT)

開幕3連続アウェイの重荷:サポーター不在の異例の船出と勝ち点2に留まる現状

ビジャレアルの今シーズンの滑り出しが重苦しいものになっている背景には、極めて異例かつ過酷な日程が大きく影響しています。

今シーズンのリーグ開幕から3試合連続でアウェイでの戦いを強いられており、本拠地エスタディオ・デ・ラ・セラミカのサポーターの前で一度もプレーできていません。

アウェイ3連戦の初戦となったレーシング・サンタンデール戦を2-2のドローで終え、続くアトレティコ・マドリード戦でも2-2と勝ち点を分け合いました。そして今節のアラベス戦で0-1の敗戦を傷められたことで、開幕3試合を終えて2分1敗、勝ち点はわずか2に留まっています。

アウェイ3試合でのスタッツは4得点5失点。この間、チームはボールを支配し、勝利に値するだけの十分な得点機会を創出しながらも、決定力不足が響いて勝利を逃し続けています。サポーターの強力な後押しを背に戦うホームゲームが未だ開催されていないこの状況は、新体制の船出において精神的にも肉体的にも大きなハンデキャップとなっており、今後の巻き返しにはホームでの戦いがいかに重要になるかを物語っています。(via Estadio Deportivo)

メンディソロサの悪夢:2020年を最後に勝てない不名誉なスタッツと歴史の全容

アラベスの本拠地メンディソロサは、ビジャレアルにとって完全に鬼門と化しています。

今回の敗戦により、ビジャレアルがこの地で最後に勝利を収めたのは2020年1月25日まで遡ることとなりました。

当時、カルロス・バッカのゴールで先制したビジャレアルは、終盤にホセルに同点弾を許したものの、ラ・リーガ1部デビュー戦となったフェルナンド・ニーニョが89分に劇的な決勝ゴールを突き刺し、1-2で勝利を収めました。しかし、この劇的な夜を最後に、メンディソロサでの勝利の女神はビジャレアルを見放し続けています。

それ以降にメンディソロサで行われたリーグ戦7試合の戦績は、1勝2分4敗と大きく負け越しています。

具体的な歴史的推移を振り返ると、2021年に1-2で敗れ、2022年にも1-2で敗戦。2024年は1-1の引き分け、2025年は0-1での敗北、2026年3月の対戦は1-1のドロー、そして今回の2026年8月の対戦でも0-1で敗れました。

この7回の遠征でビジャレアルが記録したゴール数はわずかに6、対して失点数は9にのぼり、3試合で無得点に終わっています。さらに、この期間中にクリーンシート(無失点)を達成できたのは、わずか1回のみという惨たる状況です。

何代もの選手や指揮官が入れ替わり、スペイン1部の並み居る強豪のスタジアムで勝利を挙げてきたビジャレアルですが、メンディソロサの呪縛だけはいまだに解くことができず、またしても不名誉な歴史を更新する形となりました。(via Estadio Deportivo)

【本日の総括】

開幕アウェイ3連戦という過酷な日程のなか、決定力不足と守備の乱れからアラベスに敗れ、未だ勝ち点2と苦しい船出となったビジャレアル。鬼門メンディソロサでの不名誉な歴史を更新してしまった今、次節以降のホーム2連戦での全力での巻き返しと、守備の再構築、そして攻撃陣の奮起が強く望まれます。