ギジェム・ビクトル クラシコ後の右サイドバック離脱でトップチーム抜擢が浮上

19歳のスペイン人右サイドバック、ギジェム・ビクトルが、エル・クラシコでの負傷離脱が生じたトップチームの右サイド補強案として浮上している。下部組織で主将格を務める若手が、トップチームの過密日程と守備陣の過度な負担を救う存在として首脳陣から注目を集めている段階だ。

トップチームでは、エル・クラシコで先発を務めた若手右サイドバックのシャビ・エスパルトが左膝を痛め、およそ2ヶ月間にわたる長期離脱を余儀なくされた。それまで公式戦出場が僅かだったアレハンドロ・バルデが緊急投入される事態となり、ハンジ・フリック監督率いるチームは守備陣の再編を迫られている。ジュール・クンデやアンドレアス・クリステンセンの復帰が近づいているものの、過密日程が続くなかで守備陣の離脱リスクを最小限に抑えるための緊急策が求められている。そうした状況下で、セカンドチームであるバルサ・アトレティックから白羽の矢が立っているのが、かつてクラブに所属したパウ・ビクトルの弟でもあるギジェム・ビクトルである。

ギジェム・ビクトルは今シーズン、バルサ・アトレティックにおいて右サイドバックの位置ですべての公式戦に出場を続けており、実戦感覚を非常に高い水準で維持している。本来は攻撃的なポジションもこなせる高いユーティリティ性を備えており、果敢なオーバーラップとビルドアップへの貢献度は離脱したシャビ・エスパルトのプレーに極めて近い。さらにバルサ・アトレティックではキャプテンマークを巻くグループの一員に名を連ねており、若くしてチームを牽引する精神的な強さとキャプテンシーも評価されている。

フリック監督は記者会見において『デ・ヨングやロドリを中央で起用することもできるし、まだ出場機会のないブリアン・ファリニャスを右サイドバックで試す選択肢もある』と明かした。しかし、下部組織で本職として磨かれてきたギジェム・ビクトルを引き上げる決断は、チームの戦術的バランスを崩さずに穴を埋める上で最も自然な解決策と言える。直近の試合ではアレックス・カンポスがベンチ入りして招集枠を埋めたものの、右サイドでの継続的なパフォーマンスにおいてはギジェム・ビクトルが一頭地を抜いている。

バルサ・アトレティックの守備陣には、4つの守備位置に対応可能なランドリー・ファレや、プレシーズンをトップチームで過ごしたジョルディ・ペスケール、期限付き移籍で加入したホスエ・カイセドといったライバルも存在する。ランドリー・ファレは卓越したフィジカル能力を武器に今季は左サイドバックやセンターバックを務めており、ホスエ・カイセドは快速を活かした縦への突破でアレハンドロ・バルデに近い特徴を見せる。その中でも、攻撃への推進力と右サイドでの安定感を両立させるギジェム・ビクトルが、最優先の昇格候補として内部で高い評価を確立している。

さらに中央のバックアップとしては、プレシーズン開幕時にフリック監督の目を引きながら体調不良で出遅れたハフィズ・ガリバや、筋肉系のトラブルから全体練習へ復帰したユウェンスレイ・オンスタインらも控えている。クラブ内部ではハフィズ・ガリバに対してトップチームへ到達し得る大器との評価を与えており、守備陣全体の底上げを図る上でのキーマンと位置づけられている。また、いまだ出場機会を得られていないハビ・カストロも含め、下部組織の競争環境は極めて高いレベルにある。

今回の抜擢構想は、ラ・マシアが誇る層の厚さを改めて立証すると同時に、ギジェム・ビクトルにとってプロキャリアの決定的な転機となる可能性を秘めている。過密日程が続く今後の公式戦において、トップチームのベンチ入りおよび公式戦デビューを果たせるかが最大の焦点だ。つまり、下部組織の健全な育成サイクルがトップチームの危機を救う構造が、再び機能しようとしていることを示している。(via Mundo Deportivo)