ヘタフェ戦の劇的勝利と白熱の試合詳細
ラ・リーガ第37節、エルチェは本拠地マルティネス・バレロにヘタフェを迎え、1-0での劇的な勝利を収めた。降格回避に向けて絶対に勝ち点3が必要だったエルチェは、試合開始から極めて高いインテンシティで相手を圧倒した。
歴史的な大雨が降る悪天候にもかかわらず、スタジアムには28,372人という大観衆が詰めかけ、試合の2時間前には1000人以上のファンがチームバスを出迎えるという熱狂的な雰囲気の中でキックオフを迎えた。
エルチェは序盤からポゼッションを支配し、ダビド・ソリアが守るヘタフェゴールを何度も脅かした。歓喜の瞬間が訪れたのは前半19分のことだった。ビガスのスローインから始まり、相手DFドミンゴス・ドゥアルテがクリアしたボールがペナルティエリア手前へこぼれると、待ち構えていたビクトル・チュストが右足でダイレクトボレーシュート。この強烈な一撃がゴール右上隅のクロスバー直下に突き刺さり、エルチェが先制に成功した。
先制後もエルチェの勢いは止まらず、直後の24分にはテテ・モレンテの強烈なシュートが右ポストをかすめるなど、追加点の気配を漂わせた。対するヘタフェはほとんどチャンスを作れず、エルチェのGKディトゥロは前半、全くセーブの必要がないほど守備陣が安定していた。
前半終盤の39分(記録によっては40分)、試合を大きく動かす判定が下る。裏のスペースへ抜け出そうとしたゲルマン・バレラに対し、ヘタフェのジェネが激しいタックルで対応。バレラが先にボールに触れた後、遅れて入ったジェネのタックルがバレラを吹き飛ばす形となった。VARの介入を経て、ガルシア・ベルドゥラ主審はジェネに一発レッドカードを提示。エルチェは残り50分以上を数的有利で戦うこととなった。
後半に入ると、数的不利のヘタフェがホセ・ボルダラス監督の指示でアグレッシブな姿勢を見せ、試合の主導権を握り返しにかかった。エルチェはやや保守的な戦い方にシフトし、試合をコントロールしながらチャンスを窺う展開となった。55分にはテテ・モレンテの素晴らしいクロスからディアンガナがフリーでヘディングシュートを放つも枠を外し、62分にも同様のコンビネーションからチャンスを作るが、今度はサイド・ロメロの好守に阻まれた。
終盤には、ヘタフェのサイド・ロメロへの顔面への接触でアルバロ・ロドリゲスに2枚目のイエローカードが求められるなど、スタジアムの緊張感は最高潮に達した。エルチェは試合を決定づけるべく、ゲルマン・バレラが俊足を飛ばしてペナルティエリアに侵入しシュートを放ったが、これはダビド・ソリアの守るゴールポストを直撃した。それでもエルチェは最後まで集中力を切らさず1-0で逃げ切り、残留に向けた黄金の勝ち点3を手にした。
なお、試合前のセレモニーでは、最近父親を亡くしたアルバロ・ロドリゲスへ哀悼の意を表し、1分間の黙祷が捧げられている。
この試合のスタメンは以下の通り。
GK:ディトゥロ
DF:チュスト(84分 サンガレ)、アフェングルバー、ビガス
MF:テテ・モレンテ、ディアンガナ(84分 セペダ)、アグアド(84分 ジョン・チェタウヤ)、ゴンサロ・ビジャール、ゲルマン・バレラ
FW:アルバロ・ロドリゲス(85分 ホサン)、アンドレ・シウバ(66分 ペドロサ)
イエローカード:アンドレ・シウバ、アルバロ・ロドリゲス、マルティン・ネト
(via SPORT / Estadio Deportivo / MARCA / Mundo Deportivo / ElDesmarque)
サラビア監督のヘタフェ戦後コメント
前節のベティス戦での発言により4試合のベンチ入り禁止処分を受け、この日はスタンドから試合を見守ったエデル・サラビア監督は、試合後の記者会見でチームのパフォーマンスについて厳しくも率直な評価を下した。
『前半は良かったし、気に入った。しかし、後半は普通から悪い方だった。皆さんが知っているように、私は要求が高い。後半はやるべきことをほとんどやっていなかったので弱かった。おそらく10本以上のパスを繋ぐポゼッションを1度もできなかったと思う。相手陣内に定着するためにはそれが必要だった。しかし、今日のような日には結果が最も重要だろう。勝つ必要があり、それを成し遂げた。1-0の状況では2点目を狙うのが難しいが、守備で何をすべきかは理解していた。ジェネの退場は我々にとって良い影響を与えなかった。今日の後半のような試合を多くすれば、勝てなくなることに近づいてしまう。セビージャでの試合のようなプレーをジローナでできれば、目標達成に近づくはずだ』
また、悪天候の中でも熱烈なサポートを続けたファンに対して、深い感謝の意を述べている。
『ファンの活躍はとてつもないものだ。春としては歴史上最も雨が多い。アラベス戦の日もそうだったが、本当にひどい雨だ。それでも人々の功績は素晴らしい。我々が彼らと築いている繋がりは壮観であり、その美しい目標を追求する上で大きなプラスになっている。彼らは感謝し、期待に胸を膨らませている。エルチェの1部リーグの歴史の中で最も高い勝ち点を獲得しているのに、それでもまだ十分ではない。これがこのリーグの厳しいところだ。私は満足しており感謝している』
(via Estadio Deportivo / SPORT / Mundo Deportivo)
運命の最終節ジローナ戦へ向けた指揮官の熱き言葉
最終節はアウェイのモンティリビで、同じく残留を争うジローナとの直接対決となる。サラビア監督は、クラブの歴史に残る一戦に向けて強い決意を語った。
『ア・コルーニャでの試合のように、ジローナでも歴史的な日になることを願っている。チケットがもらえなくても、街全体でジローナへ行くつもりだ。近くの山々にでもとどまるさ。何か大きなことをやらなければならない。エルチェらしくやる。今日勝つことが不可欠であり、この夢を続けるために必要だった。あの試合は本当の決勝戦だ。私たちはこれまでに9回の決勝戦を戦ってきたが、これは本物だ。私たちはエネルギー、希望、そして確信を持ってジローナに乗り込む。これまで計算をしてきたように、今週も間違いなく計算をするだろう。しかし、私たちは勝ちに行く。それが我々の本質であり、それしか知らないからだ。引き分けを狙って試合を準備したことは一度もない。もちろん、試合中にそれが我々にとって有効であれば、対処しなければならないのは事実だ。しかし、このチームとこの街を、ふさわしい場所に保ちたい』
チームの精神的な支柱として、過去の昇格プレーオフでの劇的な勝利を引き合いに出し、選手たちを鼓舞している。
『ペレ・ミジャとパチェタ監督の精神を持ってジローナに行く。あのペレ・ミジャとパチェタのスピリット... これらは私たちがすがりつくサインであり、偶然ではない。それらは我々にさらに多くのエネルギーを与えてくれるだろう。このチームは先週、2試合とも勝たなければならないという非常に似た状況ですでにそれを経験している。我々はその道のりを知っており、再び歴史を作りたいと願っている』
(via Estadio Deportivo / SPORT / Mundo Deportivo)
1部残留へ向けた複雑な条件と降格確率データ
第37節を終えた時点で、エルチェは勝ち点42に到達し、降格圏を脱出した。下位の状況は、オサスナとレバンテが同じく勝ち点42、ジローナが勝ち点40で降格圏、マジョルカが勝ち点39でブービーとなっている。
フラン・マルティネス氏のデータ予測によれば、最終節前の時点でエルチェの降格確率は32.09%となっている。マジョルカは95.92%、ジローナは56.35%と非常に厳しい状況にある。
エルチェの残留条件は、自力で決定できる状況にある。次節、敵地でのジローナ戦において、勝利または引き分けで勝ち点を獲得すれば、他会場の結果(ベティス対レバンテ、マジョルカ対オビエド、ヘタフェ対オサスナ)に関わらず1部残留が確定する。
万が一ジローナに敗れた場合でも、以下の複雑な条件が揃えば残留の可能性がある。
1. レバンテが敗北(勝ち点42)、オサスナが引き分け以上(残留)、マジョルカが勝利できない(降格)場合。この時、エルチェとレバンテが同勝ち点で並ぶが、直接対決の成績(ホームで2-0、アウェイで3-2)でエルチェが上回っているため、エルチェが残留となる。
2. レバンテが敗北(勝ち点42)、オサスナが敗北(勝ち点42)、マジョルカが勝利(勝ち点42)した場合。この時、4チームが同勝ち点で並ぶ事態となり、「ミニリーグ」方式での順位決定に持ち込まれる。この規定においても、エルチェとレバンテが残留し、マジョルカとオサスナが降格となる。
(via SPORT / ElDesmarque)
欠場者および負傷者・復帰選手の最新状況
ヘタフェ戦および最終節に向けて、チームのスカッド状況にも動きがある。
チームの攻撃のモーターとして活躍していたアレイシ・フェバスは、累積警告によりサスペンションを受けている。これについてサラビア監督は『持っていないものを嘆くのではなく、解決策を探す。ビジャールもそのポジションで非常に良いプレーをする。競争、激しさ、デュエルで勝るチームは他にない。プレーしない選手も漕いで、背中を押す。そのエネルギーの全てが重要であり、決定的なものになるだろう』と語り、チームの総合力でカバーする姿勢を強調した。
また、前節ベティス戦で退場処分を受けたディフェンダーのレオ・ペトロもサスペンションにより欠場中。さらに、ヤゴ・デ・サンティアゴは膝の手術を受けたため今シーズン絶望となっている。
一方で朗報もある。チーム第2の得点源であるラファ・ミルと、若手のアダム・ボアヤルが筋肉の問題から回復し、戦列に復帰している。この両名の復帰は、過密日程の中で攻撃陣のオプションを増やす大きなプラス材料となっている。
(via ElDesmarque / Estadio Deportivo)
【本日の総括】
悪天候の中で掴み取ったヘタフェ戦の劇的勝利により、エルチェは自力残留の権利を手にした。サラビア監督の熱い言葉とファンとの強固な絆を胸に、チームはペレ・ミジャとパチェタのスピリットを宿し、運命の最終節・ジローナとの大一番に歴史を作る覚悟で臨む。






