W杯スペイン代表ゼロの波紋と解決策
ルイス・デ・ラ・フエンテ監督が発表したワールドカップのスペイン代表26人のリストには、レアル・マドリードの選手が1人も含まれていなかった。これは約1世紀に及ぶワールドカップの歴史において前代未聞の事態である。カルバハル、ハイセン、フラン・ガルシア、ゴンサロ・ガルシアといった選手たちがプレリストの55人には含まれていたものの、最終的なリストからは漏れた。これに対してライバルのFCバルセロナからは8人の選手が選出されており、際立った対比を生んでいる。
この事態に対し、元レアル・マドリードのカンテラ出身で、現在はコメンテーターを務めるアルバロ・ベニートなどはリストの完成度を高く評価しつつも、アルベルト・モレイロの選外を指摘するなど議論が白熱している。ジャーナリストのトマス・ロンセロは『カルバハルを待たなかった理由が理解できない。彼は直近10年間で世界最高のサイドバックであり、常にスペインのために顔を張ってきた。また、オヤルサバルの控えとして、U-21で実績がありマドリーでも純粋な9番としてゴールを決めているゴンサロを連れて行くべきだった』と怒りを露わにした。
選外となったハイセンは、自身の父親がSNSに投稿した『Sofascore』による今季のラ・リーガのベストイレブンの画像をリポストし、暗に選考への不満を表明した。その画像ではハイセンがパウ・クバルシやエリック・ガルシアを上回る評価点(7.28)を得ており、父親は『悪くない、最初のシーズンだ。Hala Madrid!』とコメントを添えていた。
デ・ラ・フエンテ監督はこの歴史的ゼロ選出について、『私は代表監督だ。どのチームの出身かは見ない。スペイン代表としてプレーする可能性だけを見る。地元びいきのメンタリティは持っていない。あれこれの推測は興味がないし、それ以上の意味はない』と毅然と答えた。また、落選したカルバハルらについては『ダニとアルバロ(・モラタ)について一言言わせてほしい。彼らのサイクルは終わっていない。彼らは紳士さ、個性、リーダーシップ、キャプテンシーという忘れられない遺産を残した。彼らが成し遂げたすべてに感謝し、将来また会えることを願っている』とフォローした。
リケルメ候補もこの事態を重く受け止め、『レアル・マドリードが初めてW杯に誰も代表を送り込めなかったのは悲しいことであり、憂慮すべきことだ。プロフェッショナルではない管理が続いた結果だ。私が選ばれれば、スペイン人に誇りを感じさせるようなスターたちを代表チームに呼び戻す』とクラブのスペイン化(españolización)を公約に掲げた。
しかし、レアル・マドリードの選手がワールドカップの期間中にスペイン代表のユニフォームを着るための抜け道が2つ残されている。
1つ目は、サポートメンバーとして選出されたゴンサロ・ガルシアの昇格である。彼は6月4日のイラク戦までの合宿に参加する9人のサポートメンバーに入っており、本大会の登録メンバーに負傷者が出た場合には、プレリストに入っていた彼が代替招集される可能性がある。
2つ目は、オサスナで活躍し代表入りを果たしたビクトル・ムニョスの買い戻しである。レアル・マドリードは6月末まで有効な800万ユーロの買い戻しオプションを保持している。マドリーのフロントは「彼にはまだ早く、オサスナにもう1年残るのがベスト」と考えていたが、アストン・ビラやニューカッスルなどプレミアリーグのクラブからの関心が高まっており、オサスナのブラウリオ・バスケスSDが設定した4000万ユーロという契約解除金を他クラブが支払う可能性が出てきた。オサスナが他クラブに売却した場合、マドリーは移籍金の50%を受け取るが、買い戻しオプションは消滅する。そのため、6月7日の選挙で選ばれた新会長が即座に800万ユーロを支払ってオプションを行使すれば、ビクトル・ムニョスが「レアル・マドリードの選手」としてワールドカップに出場することになる。デ・ラ・フエンテ監督も『彼は非常に大きな潜在能力を持った若者で、代表チームでも国際的な最高レベルで競争できる準備ができていることを証明した。必ずや良いセンセーションを巻き起こすだろう』と、ムニョスがマドリーに復帰した場合の成功を保証している。
(via SPORT / ElDesmarque / MARCA)