神話カヌーテが語る人生観

かつてセビージャFCで数々のタイトルを獲得し、ラ・リーガの歴史にその名を刻んだ伝説的FWフレデリック・カヌーテ。彼がピッチを去ってから数年が経過した今も、サンチェス・ピスフアンでのゴールや栄光は記憶に新しいが、彼の人生はサッカーの思い出だけに留まりません。

フランス生まれでマリにルーツを持つカヌーテは、十代の頃にアフリカを訪れたことで世界の不平等を痛感。20歳でイスラム教に改宗し、精神的な探求を深めました。彼は『単に働いて、食べて、寝て、毎朝同じことを繰り返すだけが人生ではない。プロとしての成功や経済的成功以上の目的が必要だった』と振り返ります。

この想いは具体的な形となり、2007年にはマリの首都バマコから約30キロの地点に「サキナ子供村(Sakina Children's Village)」を設立。過酷な環境に置かれた孤児たちに住居、医療、教育を提供し続けています。国際会議などでも発言を続ける彼は『広告主が信じているようにサッカー選手が人々に強い影響を与えられるなら、その影響力を善のために使うべきだ。自分の時間や地球での経験をどう活用し、他人の役に立ったかが問われる。ゴールを決めたりトロフィーを掲げたりしたこと自体で責任が果たされるわけではない』と語ります。

また、自身の信仰についても明確な姿勢を示しています。『私は一度もムスリムであることに謝罪したことはない』と断言。一部の過激派による犯罪行為と一般のムスリムが混同される風潮に対し、『話す前に、まるで自分がテロリストではないと証明したり申し訳なさそうにしなければ話すことすら許されないような風潮があるが、それはおかしい。一部の人間が犯した惨劇と自分を重ね合わせる必要はない』と力説しました。

さらに社会の分断についても言及し、『重要なのは戦うことではなく、橋を架けることだ。政治家は自らの利益や票集めのためにこうした議題を利用するが、街頭の人々はもっと寛容だ。今こそ全員が団結し、互いを恐れないことが重要だ』と力強いメッセージを送っています。(via Estadio Deportivo)