運命の最終節ジローナ戦 劇的ドローで1部リーグ奇跡の残留確定

エルチェはラ・リーガEAスポーツ最終節、敵地モンティリビでのジローナ戦に臨んだ。この試合は両チームにとって残留をかけた文字通りの決勝戦であり、エルチェは勝つか引き分ければ自力で残留、負ければ他会場(オサスナやレバンテ)の結果次第で降格となる緊迫した状況だった。結果は1-1の引き分けに終わり、エルチェは最終勝ち点を43に伸ばした(アラベス、セビージャと同勝ち点)。この結果により、他会場の結果(マジョルカの勝利など)に助けられるまでもなく、エルチェは来季のプリメーラ・ディビシオン(1部リーグ)残留という奇跡を成し遂げた。試合終了のホイッスルが鳴り響くと、選手たちはピッチの中央やアウェー席のコーナーに集まり、ジローナまで駆けつけた約400人のエルチェサポーターと共に盛大に残留の歓喜を爆発させた。また、スタンドから試合を見守っていたエデル・サラビア監督は、試合後にジローナのミチェル監督の元へ歩み寄り、スポーツマンシップに則って健闘を称え合う熱い抱擁を交わした。 (via Mundo Deportivo)

運命の大一番を託されたスタメン11人とサラビア監督の戦術

エデル・サラビア監督は、クラブの命運を分ける最終戦に向けて以下の11人を先発ピッチに送り出した。ゴールマウスにはマティアス・ディトゥーロが入り、最終ラインはペドロ・ビガス、アフェングルバー、ビクトル・チュストの3バックで構成された。ウイングバック(両サイド)には若きブバ・サンガレとヘルマン・バレラを配置。中盤の底からゲームを作る役割はマルク・アグアド、アレイクス・フェバス、ゴンサロ・ビジャールが担い、前線にはテテ・モレンテとアルバロ・ロドリゲスが並んだ。ベンチにはイニャキ・ペニャ、イトゥルベ、ペドロサ、ジョン・チェタウヤ、ペトロト、エクトル・フォルト、レドンド、ネト、アンドレ・ダ・シウバ、ラファ・ミル、ホサン、ディアンガナが控えた。エルチェはいつもの3バックで守備を固めつつも、決してドン引きすることなく自分たちのスタイルを貫いた。ベンチ入り禁止処分のためスタンドの最上段から戦況を見つめたサラビア監督の指示の下、ディフェンスラインを高く保ち、自陣に押し込まれるのを防いだ。この戦術により、ボールポゼッションの時間を長く保つことで試合のペースを落とし、ジローナのプレッシャーやスタジアムの熱狂を見事にコントロールして見せた。 (via Mundo Deportivo)

スタジアム到着時にバス襲撃事件発生 サラビア監督が怒り心頭

試合開始の約2時間前、エルチェのチームバスがモンティリビに到着した際、ジローナの地元ファンからバスに向けて様々な物が投げつけられるという嘆かわしい事件が発生した。バスから降り立ったエデル・サラビア監督は、この警備体制の不備に対して激怒。『窓が割れたらどうするんだ?』とセキュリティスタッフに向かって怒鳴り散らす様子がカメラに捉えられた。コーチングスタッフになだめられながらも、監督の怒りは収まらず『4万個もの物が投げつけられて、もし窓が割れたら大惨事になるぞ。一体どういうことだ!』と強い憤りを露わにした。最終的にセキュリティ担当者やエルチェのスタッフが、この日は1部残留をかけた極めて重要な試合であると言い聞かせて監督を落ち着かせた。サラビア監督は試合前のインタビューでもこの件について触れ、『色々なものが投げつけられて非常に危険だった。幸い何も起きなかったが、もし不幸なことが起きていたら…』と、安全管理の甘さに苦言を呈していた。 (via ElDesmarque)

サラビア監督の決意の言葉『クラブと街の歴史に永遠に名を刻みたい』

エデル・サラビア監督は試合前の記者会見で感極まって涙を見せる場面があったが、キックオフ直前のインタビューでは強い決意を口にした。『明日の決勝戦に向けて、我々は大きな意欲と確信を持っている。このクラブと街の歴史に永遠に名を刻みたい』と力強く語った。また、他会場の経過を気にするかどうかについて問われると、『ベンチには携帯電話が1台くらいはあるだろうが、6台も持ち込むつもりはない。フリーマーケットみたいにはしたくないからね。自分たちのやるべきことに集中し、周りの雑音にできるだけ気を取られないようにするのが我々の明確なメッセージだ』と述べ、目の前の試合だけに集中する姿勢を強調した。さらに別のインタビューでは『我々のやっていることはうまくいっている。全員揃っているし怪我人もいない。プレッシャーはあるが、それを挑戦と捉えてシーズンに有終の美を飾りたい。どんな結果になろうとも、全員が確信を持って臨まなければならない。私の友人のボクシングチャンピオンが言っていたように、最大の防御は最大の攻撃だ。我々もそれを試みる』と攻撃的な姿勢を貫くことを宣言。アウェー戦での弱さ(今季アウェーでわずか7ポイント、1勝のみ)については『我々は良い流れに乗っているが、バジェカスとセビージャでは退場者を出したことで試合を台無しにした。だからこそ、そうした細部や冷静さを今日はしっかりと考慮しなければならない』と分析していた。 (via MARCA)

アルバロ・ロドリゲスの年間ベスト級ゴラッソと試合の詳細な攻防

試合は前半から極度の緊張感に包まれた。エルチェはボールを保持して攻め込もうとするジローナに対し、急がずに時間をかけてプレーし、試合を「冷凍」してペースを落とす作戦が功を奏した。迎えた前半39分、エルチェが待望の先制点を奪う。セットプレーの流れからペドロ・ビガスが競り勝ったボールを、ウルグアイ人FWアルバロ・ロドリゲスがゴールを背にした状態でコントロール。そこからボールを2タッチして華麗に反転すると、強烈な左足のシュートをファーサイドのトップコーナーに突き刺した。GKガッサニーガが一歩も動けないほど完璧な軌道を描いたこの今季リーグ戦7ゴール目は、年間ベストゴール級の素晴らしい一撃であり、ジローナに大きなダメージを与えた。後半に入ると、48分にジローナのアルナウ・マルティネスに同点ゴールを許してしまう。その後、降格の危機に瀕したジローナが猛攻を仕掛け、エルチェは自陣に釘付けとなる時間が続く。しかし、エルチェもただ守るだけではなく、左サイドからの見事な単独突破からヘルマン・バレラが放った強烈なクロスシュートが惜しくもポストをかすめる決定機や、テテ・モレンテの個人技からのチャンスを作り出した。終盤の80分には、ジローナのトマ・レマルが放ったミドルシュートがクロスバーを直撃する幸運にも助けられ、1-1のまま試合終了の笛を聞き、見事に残留を勝ち取った。 (via SPORT)

ブバ・サンガレの危険な兆候とサラビア監督の的確な交代策

前半7分、17歳の若き右ウイングバック、ブバ・サンガレがジョエル・ロカに対するハードタックルで早くもイエローカードを受けた。ASローマから今季終了までのローン移籍で加入している彼にとって、この試合がエルチェでの最終戦となる可能性が高い中、前半のうちにアレックス・モレノへのタックルでスタジアムから2枚目の警告を求める大合唱が起こるなど、退場のリスクが高まっていた。サラビア監督は過去のアウェー戦での退場による失敗を教訓にし、ハーフタイムでサンガレを下げる決断を下し、後半の頭からジョン・チェタウヤを投入する的確で慎重な采配を見せた。その他のカードとして、アフェングルバー(47分)、ヘルマン・バレラ(85分)、マルク・アグアド(85分)にイエローカードが提示されている。また、アレイクス・フェバスは相手のタックルを受けて医療スタッフの治療を必要とする場面があり、84分にエクトル・フォルトと交代してピッチを退いている。 (via Mundo Deportivo)

アルバロ・ロドリゲスが亡き父へ捧げる感動のメッセージ

圧巻の先制ゴールを決め、エルチェ残留の立役者となったアルバロ・ロドリゲスは、試合後のインタビューで感極まりながら次のように語った。『とても幸せだ。私はこのクラブを愛している。人としても選手としても成長する機会を与えてくれた場所だ。だから、これはクラブのためにできる最低限の恩返しに過ぎない。今年は私の人生で今までで一番幸せな年だった。ここまで助けてくれた全ての人に心から感謝したい。エルチェは今の場所にいるべき素晴らしいチームだ』。さらに、極限のプレッシャーの中でゴールを決めたことについて『重要なゴールを決めることを夢見ていたのはもちろんだ』と笑顔を見せた。クラブ歴代最多勝ち点(過去の42を上回る43)での残留については『我々は歴史を作った。このチーム、このファンはそれに値するし、これからも夢を叶えるために一緒に戦い続ける』とファンへメッセージを送った。最後に、空を見上げて亡き父への思いを口にした。『私の勝利は全て彼に捧げるものだ。ここに来る前、彼にもう一度だけ力を貸してほしいと頼んだんだ。これが最後の試合だったからね。そして彼はそれを叶えてくれた。お父さん、どこにいても、僕に力を与えてくれて本当にありがとう』 (via MARCA)

ラファ・ミルの裁判日程が決定 エルチェは破格での買い取りオプション行使へ

セビージャが保有権を持ち、今季エルチェに期限付き移籍しているFWラファ・ミルに関する性的暴行と傷害の罪を問う裁判が、来週木曜日にバレンシア地方裁判所第4部で開かれることが正式に決定した。検察側は、同選手がバレンシアへのレンタル移籍中だった当時に起きたとされる事件に関して、懲役10年半という重い求刑を行っている。検察の主張によると、ミルは自宅のプールで被害者を水に投げ落として性的暴行に及び、その後バスルームに閉じ込めてさらに暴行を加えたとされている。一方の弁護側は、関係は完全に合意の上であったとして無罪を強く主張している。裁判の行方が大きく注目される中、エルチェ側はこの重大なピッチ外の問題を抱えているにもかかわらず、同選手に設定されている買い取りオプションを行使する予定である。情報源によって買い取り額は異なるものの、エルチェ側の情報によるとその金額はわずか5万ユーロという破格の安さで設定されており、クラブはこれを実行に移す構えを見せている。 (via Estadio Deportivo)

【本日の総括】

エルチェCFは最終節でジローナと1-1で引き分け、見事に自力での1部リーグ残留を勝ち取りました。試合前にはバスへの襲撃というトラブルがありましたが、サラビア監督の戦術とアルバロ・ロドリゲスの圧巻のゴラッソがチームを救いました。来季に向けたラファ・ミルの去就などピッチ外の動向も含め、エルチェの新たなシーズンに期待が高まります。