テルジッチ新監督による改革と新生アスレティックの幕開け
エルネスト・バルベルデ前監督が退任し、チームは新たな指揮官エディン・テルジッチのもとで新シーズンを迎えます。ドルトムントをチャンピオンズリーグ決勝に導いた実績を持つドイツ人指揮官は、伝統あるバスクの地に新たな風を吹き込んでいます。テルジッチ新監督は、これまでの慣習にとらわれず、今夏のプレシーズンでは遠征を行わずに地元レサマ近郊に留まるというアプローチを採用しました。クラブのアイデンティティや文化に深く浸り、理解を深めることを優先したのです。
カメラの前に立つ新監督の表情には笑顔が絶えず、プレシーズンマッチでの順調な結果もその手応えを物語っています。ピッチ上には新監督の戦術が確実に浸透し始めており、サポーターの期待は高まるばかりです。クラブのレジェンドであるアイトール・ララサバルも、新指揮官について『テルジッチの大きな挑戦は、人々に再び夢と希望を与えることだ』と語り、エールを送っています。
一方で、テルジッチ監督は非常に要求水準が高く、親善試合の後であっても選手のミスを厳しく指摘することを怠りません。
注目の公式戦デビューは、8月22日の17時からサン・マメスで行われる歴史あるライバル、セビージャ(ルイス・ガルシア・プラザ監督率いる)との一戦です。今シーズン、チームはヨーロッパカップ戦の出場権を逃したため、ラ・リーガとコパ・デル・レイの国内2コンペティションのみに集中できるという日程上の大きな利点を持っています。このアドバンテージを活かし、チームとサポーター、そして新指揮官が完璧に融合すれば、ヨーロッパへの復帰、あるいは再びコパ・デル・レイの栄冠を手にするチャンスが十分にあります。(via Estadio Deportivo)
ワールドカップ覇者トリオの復帰と強固なスカッド維持
新チームの完成度をさらに高める極上のピースがまもなく揃います。前回のワールドカップでスペイン代表として世界一の称号を手にした守護神ウナイ・シモン、ディフェンダーのアイメリク・ラポルテ、そしてアタッカーのニコ・ウィリアムズの3選手が、8月10日に休暇を終えてチームへと合流しました。
このワールドカップ覇者3名のチーム残留は極めて確実視されています。世界トップクラスの舞台で戦い抜いてきた彼らを留めることができれば、チームは非常に高い競争力を維持し、どのような強豪とでも互角以上に渡り合える布陣を整えることになります。新監督の戦術に彼らが融合したとき、サン・マメスに大きな熱狂が生まれるのは間違いありません。(via Estadio Deportivo)
守護神アギレサバラのラシン完全移籍と将来への布石
この夏、長く交渉が続いていたフレン・アギレサバラの去就に決着がつきました。昨季バレンシアへのレンタル移籍(負傷による一時的な欠場を除いて正GKを務め、現在は怪我から完全回復)から復帰した25歳のゴールキーパーは、完全移籍の道を選択し、ラシン・サンタンデールと2031年6月までの5年契約を締結しました。セルタやデポルティーボ・ラ・コルーニャも獲得に強い関心を示していましたが、最終的にラシンのスポーツディレクターであるチェマ・アラゴンがこの争奪戦を制しました。
移籍金は450万ユーロとされており、選手の活躍や目標達成に応じた複数の変動ボーナスによって、さらに最大400万ユーロが上乗せされる可能性があります。また、将来的な売却時の移籍金の一部を受け取る権利に加え、他クラブからオファーがあった際に優先的に交渉ができる優先交渉権を確保しました。これにより、将来的にアギレサバラがさらに大きな成長を遂げた際、有利な立場で再獲得に動くことができるという、スマートな布石を打っています。
アギレサバラは、マルセリーノ・ガルシア・トラル監督のもとでトップチームデビューを果たし、コパ・デル・レイではレアル・マドリードやFCバルセロナを撃破して準決勝進出に貢献しました。さらにエルネスト・バルベルデ前監督のもとでは、コパ・デル・レイ決勝のPK戦で歴史的なセーブを見せ、優勝の絶対的な立役者となりました。これまでに公式戦65試合に出場し、U-21欧州選手権でも準優勝を経験するなど、レサマの育成が生み出した最高峰の守護神としての実力は折り紙付きです。
しかし、現在のチームにはワールドカップでゴールデングローブ賞を獲得し、キャリアの絶頂期にあるウナイ・シモンという絶対的な存在が立ちはだかっており、アギレサバラにとってこの高い壁を乗り越えることは困難でした。クラブはアギレサバラの多大なる献身と忠誠に感謝を示すとともに、新天地での活躍を心から応援しています。
なお、今回の優先交渉権を活用した取引はクラブの重要な戦略であり、これに類似したやり方として、カディスへ移籍したイボン・サンチェス、スポルティング・ヒホンへ移籍したアイマル・ドゥニャベイティア、UDイビサへ移籍したイケル・バレラに関しては買い戻しオプションが付帯されています。また、ウナイ・ゴメスやウルコ・イゼタに関しても将来的な優先交渉権が確保されており、若き才能の未来をしっかりとクラブの管理下に残しています。(via ElDesmarque / via Estadio Deportivo)
若きDFウーゴ・リンコンの残留と新システムでの挑戦
新指揮官エディン・テルジッチの就任によって、最も大きな影響を受け、自らの価値を証明しようとしているのが23歳のディフェンダー、ウーゴ・リンコンです。ここ2シーズンはローン移籍でチームを離れ、ミランデス(アレッシオ・リッシ監督のもとでプリメーラ昇格に肉薄)やジローナ(降格を経験)で過酷な戦いを経験し、精神的にも大きく成熟しました。
そのリンコンに対し、クラブは届いた移籍オファーを断固として拒否。テルジッチ監督は彼をチームに残留させ、公式戦でトップチームデビューを飾るチャンスを明確に与えています。新指揮官はリンコンに対してこれまでのプレースタイルとは異なる役割、特に攻撃的なタスクへの参画を強く求めています。
リンコンはこの挑戦に対して並々ならぬ闘志を燃やしており、自らの決意を熱く語っています。
『ミランデスとジローナへの2度のレンタル移籍を経験して、今は何としてもサン・マメスでデビューし、一軍の正規メンバーとして定着したいという強い想いがあります。
正直なところ、新しい守備や攻撃のポジションでのプレーは自分にとって初めての経験で、学びの真っ最中です。しかし、自分はこのポジションでも能力を発揮できると信じていますし、異なる位置からでもチームの力になれるよう成長する準備ができています。
戦術的には、サイドに張って非常に高い位置を保つよう求められます。ボールを失った際は急いで戻る必要がありますが、後ろに3枚のラインが形成されるため、背後をしっかりカバーされている安心感を持って前線へ攻め込むことができます。
また、サイドの選手に対して監督は、ゴールに関与するなど目に見える結果を出し、正しい判断を下すことを求めています。最前線でミスを犯すと致命的なカウンターを浴びるため、私たちはその質を改善しなければならず、現在トレーニングに励んでいます。
過去のレンタル経験を振り返ると、ミランダでの1年目はすべてが順調にいきましたが、サッカー界ではそれは非常に珍しいことです。逆に昨季のジローナでは非常に厳しいスタートを切り、持ち直しかけた瞬間に降格という苦境を味わいました。これらの全く異なる2シーズンを通じて、フットボールにおける一瞬一瞬を大切にすることを学び、人としても選手としても大きく成長できたと感じています。
本当に今季は希望に満ちたシーズンです。美しい挑戦ができる素晴らしいチームが揃っており、新監督も情熱に溢れ、非常に仕事熱心です。ファンの皆様に喜んでもらえる素晴らしい年にしたいと心から思っています』
リンコン自身のモチベーションは最高潮に達しており、クラブは現在、テルジッチ監督が選手に休日を与えた際も、誰一人として気を緩めることなくトレーニングに励んでいます。新監督の求めるインテンシティと新しいプレースタイルの中で、若きディフェンダーがどのように進化を遂げるのか、サポーターの熱い視線が注がれています。(via Estadio Deportivo)
【本日の総括】
エディン・テルジッチ新監督のもとでプレシーズンを順調に消化し、高い戦術レベルへの挑戦を続けるアスレティック・ビルバオ。フレン・アギレサバラの完全移籍は寂しい別れとなったものの、将来の権利を留保する極めてスマートな取引が成立しました。ウナイ・シモンらワールドカップ覇者の合流、そしてウーゴ・リンコンら若き才能の台頭により、新シーズンへの期待と希望は最高潮に達しています。