ラシン・サンタンデール 14年ぶりの1部復帰戦で強豪ビジャレアルと2-2の劇的なドロー
14年という長い年月を経て、ラシン・サンタンデールがついにラ・リーガ1部の舞台へと帰ってきました。記念すべき開幕戦の相手は、今季チャンピオンズリーグに出場する強豪ビジャレアルCFです。本拠地エル・サディネロは超満員のサポーターで埋め尽くされ、背景にカンタブリア海を望む曇り空の下、スタジアム全体がクラブ賛歌をアカペラで大合唱。サポーター団体 La Gradona de los Malditos による見事なティフォが掲げられ、スタジアムは狂気的な興奮に包まれました。試合は前半にラシンが圧倒的なインテンシティでビジャレアルを追い詰め、一時2-0とリードする夢のような展開となりました。しかし、前半終了間際のわずか1分間の隙を突かれて2-2の同点に追いつかれ、後半は一進一退の攻防の末に2-2の引き分けで終了。お互いに凄まじい体力を消耗し合う激闘となりましたが、ラシンが1部のエリートたちと互角以上に渡り合える実力を証明した一戦となりました。(via ElDesmarque)
ホセ・アルベルト・ロペス監督 1部の舞台でも自分たちのスタイルを貫く強い信念
昇格を勝ち取ったホセ・アルベルト・ロペス監督は、相手が格上のビジャレアルであっても、昨季のセグンダで築き上げてきた超攻撃的でインテンシティの高いプレースタイルを一切変更しませんでした。試合前のプレスカンファレンスにおいて、指揮官は『私たちは自分たちの原則やプレースタイルを放棄するつもりはありません』と力強く宣言していました。実際、ピッチ上のイレブンは監督の言葉通りに開始直後からビジャレアルを猛烈にプレスし、主導権を握り続けました。今夏の市場においてチームはほとんど補強されておらず、昨季の昇格メンバーをベースにした構成となっていますが、指揮官の戦術的な完成度の高さが遺憾なく発揮されています。(via ElDesmarque)
19歳の新星セルヒオ・マルティネス 夢のデビュー戦で見せた衝撃のスーパーゴールと涙
この日、スタジアムを最も熱狂させ、ファンに一生忘れられない瞬間を提供したのが、19歳の地元ラレド出身のセルヒオ・マルティネスでした。中盤のスターターとして1部デビューを果たした若武者は、2-0とする衝撃的な追加点をマークしました。ペナルティエリア手前のフロントエリアから、右足で放った凄まじい弾丸シュートがビジャレアルの Luiz Júnior が守るゴールの隅へと完璧に突き刺さりました。ゴールが決まった瞬間、セルヒオの目には涙が浮かび、興奮のあまりユニフォームのエンブレムに熱いキスを捧げました。彼は得点シーンだけでなく、中盤の守備や展開力でも終始傑出したパフォーマンスを披露し、1部での主役としての地位を確立しました。この日の活躍に対しては、チーム内最高評価となる7.5の採点が与えられています。(via Mundo Deportivo)
前半15分でのペドロ・フェリペの負傷交代とディフェンス陣の奮闘
試合開始わずか15分、ラシンに大きなアクシデントが襲いかかりました。センターバックとしてスタメン出場していたペドロ・フェリペが、筋肉系の負傷に見舞われ、プレー続行不可能となりました。彼は悔しさと痛みのあまり、目に涙を浮かべながらピッチを退くことになりました。この不測の事態に対し、ホセ・アルベルト・ロペス監督は急遽マヌ・エルナンドをピッチへと送り出しました。緊急出場となったエルナンドは難しい状況にもかかわらず迅速にゲームに適応し、エリア内での危機を的確に防ぎ、チームの守備構築を支えました(採点5.5)。また、相棒を務めたパブロ・ラモンはデュエルで極めて高い信頼性を示し、非常に安定した守備を披露(採点6.5)。右サイドバックのマンティージャも、守備をきっちりとこなしながら時折果敢なオーバーラップを見せて全力を尽くしました(採点6)。(via ElDesmarque)
アトレティコ移籍が噂されるホルヘ・サリナスのPK獲得と左サイドでの輝き
現在アトレティコ・マドリードへの移籍を巡って水面下での熱い交渉が取り沙汰されているホルヘ・サリナスですが、移籍の噂による雑音を一切感じさせない見事なプロ精神を披露しました。左サイドバックとして先発したサリナスは、前半にペナルティエリア内で抜け目ない動きを見せ、ビジャレアルのコメサニャからのファウルを誘ってPKを獲得。判定自体はやや疑わしいものではあったものの、チームに貴重な先制点をもたらす決定的な仕事を果たしました。彼は顔を上げた瞬間、常にエリア内へ精度の高い質の良いクロスを配給し続け、左サイドの攻撃を大いに活性化させました。守備でも堅実な働きを見せ、採点6.5の高評価を得ています。(via ElDesmarque)
アンドレス・マルティンの14年ぶり先制弾とアタッカー陣の評価
サリナスが獲得したPKのキッカーを務めたのは、アンドレス・マルティンでした。彼はビジャレアルのゴールキーパー、ルイジ・ジュニオールを完全に出し抜く冷静なキックでネットを揺らし、貴重な先制点をマークしました。このゴールは、ラシン・サンタンデールにとって、実に14年ぶりとなるスペイン1部リーグでの記念碑的な得点となりました(採点6.5)。一方で、最前線に張ったアシエル・ビジャリブレは、前線での献身的なチェイシングは見せたものの、ボールを持った際のプレーの精度を欠き、決定的な場面を作れずに不完全燃焼の試合となりました(採点4)。また、スタメンのイニゴ・ビセンテはピッチ上を浮遊するように滑らかに走り回り、自身の持つ技術が1部の舞台でも十分に通用することを証明しました(採点7)。狭いスペースでのクオリティを見せたものの、試合全体への関与が少なかったセルヒオ・カナレスは採点5.5に留まりました。(via Mundo Deportivo)
新守護神ジュレン・アギレサバラ 後半のファインセーブ連発で見せた存在感
今夏、ラシンの新たな守護神として加わり、開幕スタメンを託されたジュレン・アギレサバラは、天国と地獄の両方を味わう過酷なデビュー戦を経験しました。前半終了直前、ビジャレアル top のパペ・ゲイェとニコラス・ペペから放たれた強烈なロングシュートに意表を突かれ、わずか1分間のうちに2点を奪われ同点に追いつかれるという悔しい形となりました。しかし後半、ビジャレアルが選手交代を経て物理的なギアを上げ、ラシンのゴールへ猛攻を仕掛けてきた時間帯において、アギレサバラが真価を発揮。2度の決定的なシュートを驚異的なファインセーブで阻止し、チームを敗戦の危機から救い出しました(採点5.5)。(via ElDesmarque)
中盤の汗かき役グスタボ・プエルタとベンチメンバーの躍動
ホセ・アルベルト・ロペス監督の戦術において、中盤のスイーパーとして汗をかき続けたのがグスタボ・プエルタでした。彼は守備のタスクを忠実にこなし、前半は目覚ましい働きを見せたものの、試合が進むにつれて徐々にトーンダウンしました(採点5.5)。後半の終盤、フレッシュな脚力を活かしてピッチに入ったヤッシィ・ザビリは、エリア付近で質の高いプレーを見せ、ヘディングシュートでゴールを脅かすなど、再びラシンがビジャレアルを押し込む原動力となりました(採点6)。また、同じく途中出場したマゲット・ゲイェは中盤にバランスをもたらし、ボール保持時の優れた判断力を披露しました(採点5.5)。(via ElDesmarque)
コパ・デル・レイでの記憶と今後に向けたポジティブな兆し
ラシン・サンタンデールとビジャレアルの直近の対戦は、昨シーズンのコパ・デル・レイに遡ります。その際もラシンはエル・サディネロでビジャレアルを2-1で撃破しており、その時はフアン・カルロス・アラーナのダブルゴールがチームに勝利をもたらしました。今回は2-2のドローという結果になり、一時2点のリードを奪いながらも勝利を逃したという点では悔しさが残るものの、チャンピオンズリーグレベルのチームを相手に、昨季のベースを維持したまま対等以上に戦い抜いたことは、今後の残留争い、ひいては中位以上を目指す戦いに向けて非常に大きなポジティブな兆しとなりました。(via Mundo Deportivo)
【本日の総括】
14年ぶりとなるラ・リーガ1部の復帰戦で、強豪ビジャレアルを相手に2-2と大健闘を見せたラシン・サンタンデール。19歳のセルヒオ・マルティネスの目の覚めるような弾丸ゴールや、ホルヘ・サリナスのPK誘発など、チームを支える新旧の力が融合した非常にエキサイティブなゲームを披露しました。前半終了間際の失点など、1部の厳しさを学ぶ教訓は得たものの、ホセ・アルベルト・ロペス監督の攻撃的なアイデンティティは1部の舞台でも十分に通用することを明確に証明しました。
