中盤の再編とカンテラの台頭
ダニ・パレホとトーマス・パーティが2025/26シーズン終了後に契約満了で退団し、契約更新が行われなかったことで、ビジャレアルの中盤は新たな局面を迎えている。イニゴ・ペレス新監督は現在、パペ・ゲイエとサンティ・コメサーニャというトップチームの主力に加え、ビジャレアルBから昇格したカルロス・マシアとアラサン・ディアッタの4人を計算に入れている。
とりわけマシアはカンテラ(下部組織)の大きな宝石としてクラブ内で非常に高く評価されている。クラブは彼がトップチームで重要なステップを踏む準備ができていると確信しており、将来的には国際的なレベルに達する可能性があると見込んでいる。ディフェンスラインの前でピボットとしてプレーし、スペースを的確に読み、ビルドアップで解決策を提供してチームにバランスをもたらすそのプレースタイルは、同じくビジャレアルのカンテラ出身で、先日のワールドカップで優勝し大会MVPに輝いたスペイン代表キャプテンのロドリ・エルナンデスと比較されているほどだ。クラブは彼の成長を急がせるつもりはないが、トップチームのダイナミクスに完全に統合し、出場時間を争いながらフィジカル、戦術、競争力の面で成長を続けることを期待している。
また、若きディアッタもイニゴ・ペレス監督の構想に完全に入っている。その無尽蔵のエネルギーとピッチを幅広くカバーする能力、そして成長の余地は、監督に中盤のローテーションを補完する異なる選択肢を提供している。クラブは巨額の投資をしてまで外部から選手を獲得するつもりはなく、フリーや期限付き移籍など経済的に有利な条件に合う選手がいれば市場終了までに補強を行う可能性を排除していないものの、現状ではマシアやディアッタの成長を完全に妨げるような補強は避けたいと考えている。(via SPORT)
パペ・ゲイエのエバートン移籍合意
ビジャレアルの夏の補強計画の鍵を完全に握っているパペ・ゲイエの去就について、大きな進展が見られた。セネガル代表であるゲイエは、予てから憧れていたプレミアリーグのエバートンと移籍で合意に達した模様だ。エバートンは彼の圧倒的なフィジカルやピッチ全体をカバーする推進力、そしてラ・リーガや代表での経験を高く評価している。移籍金は固定で2800万ユーロ、さらにエバートンがチャンピオンズリーグの出場権を獲得した場合などのボーナス500万ユーロが追加される見込みとなっている。
クラブは当初、彼を手放すための条件として4000万ユーロの契約解除金に近い額を求めていたが、2024年にオリンピック・マルセイユからフリーで加入した選手であることを踏まえれば、この売却はクラブの金庫に莫大な利益をもたらすことになる。この売却が実現すれば、ビジャレアルはチャンピオンズリーグ復帰に向けたチームの戦力を補強するための重要な資金を得ることになる。
ゲイエ自身も以前、『今はビジャレアルでとても幸せです。素晴らしいシーズンを送れました。自分のミッドフィルダーとしてのプレー、試合への影響力、インテンシティを見れば、自分はプレミアリーグでプレーするのに十分な力があると思います』と語り、イングランドでのプレーに強い意欲と自信を示していた。(via Estadio Deportivo)
ロモナコ獲得に向けた争奪戦
守備陣の補強を目指すビジャレアルは、アルゼンチンのインデペンディエンテに所属するDFケビン・ロモナコ(25歳)の獲得争いに本格的に参戦している。アルゼンチンのアンダー世代で代表経験もあるロモナコは、スペースのカバー能力、1対1のデュエルの強さ、そして最終ラインからの巧みなビルドアップ能力を備えており、イニゴ・ペレス新監督のプレースタイルに完璧に合致している。監督はすでにこの獲得にゴーサインを出している。
スポーツディレクション部門は、約800万ユーロのオファーを準備しているとされる。これはライバルであるレアル・ベティスが提示した条件(700万ユーロで保有権の60%を取得し、後日250万ユーロで20%を追加買い取りする計950万ユーロのオファー)を上回る内容として期待されている。ベティスのオファーはインデペンディエンテに不十分として拒否されている。
ロモナコは最近、代理人をアルゼンチンのエージェンシーからヨーロッパとのコネクションが強い「AS1」に変更しており、これがヨーロッパ移籍を大きく後押しすると見られている。さらに、彼がイタリアとの二重国籍を保持しており、EU圏外枠を消費しない点もヨーロッパのクラブにとって極めて大きな魅力となっている。インデペンディエンテの要求額も1年前の1200万ユーロ以上から約800万ユーロへと値下がりしており、パペ・ゲイエの売却が実現すれば、この取引を成立させる資金的余裕が生まれる算段だ。(via Estadio Deportivo)
レケナのレバンテ期限付き移籍の詳細
昨シーズンをセグンダ・ディビシオンのコルドバCFで期限付き移籍として過ごし、素晴らしいパフォーマンスで経験を積んで戻ってきたダニ・レケナ。当初はビジャレアルのトップチームへの復帰が計画されていたが、クラブは彼のさらなる成長を促すため、プリメーラ・ディビシオンでプレーする機会となるレバンテUDへの1年間の期限付き移籍を決定し、7月17日に正式発表された。
この契約にはレバンテ側が500万ユーロで行使できる非義務的な買い取りオプションが含まれており、もし行使された場合、レケナは2027/28シーズンから新たに4年契約を結ぶことになる。しかし、ビジャレアルはカンテラ出身の才能を完全に手放すつもりはない。契約には、移籍後の2回の夏(2028年と2029年)に行使できる買い戻しオプションが付随している。買い戻し額は500万ユーロと同程度だが年々高くなる設定になっており、将来的に彼を呼び戻し、コントロールを維持する権利を保持している。
この移籍によりレケナは継続的な出場機会と成長の場を得られ、ビジャレアル側もトップチームでマシアやディアッタといった若手に出場機会を与えるスペースを確保することに成功した。(via SPORT)
移籍市場の静寂と今後の見通し
今夏のビジャレアルの移籍市場は、ここまで非常に長くて静かな展開を見せている。5月29日にエスパニョールでの2年間の期限付き移籍から戻った左サイドバックのカルロス・ロメロの復帰が正式に発表されてから50日以上が経過したが、新たな補強の発表は一切ない。
その一方で別れを告げるニュースは多く、トップチームではラモン・テラッツ、ディエゴ・コンデ、ダニ・パレホ、アルフォンソ・ペドラサ、ラファ・マリン、トーマス・パーティ、アルフォン・ゴンサレスが退団。さらに、アルナウ・テナス、パペ・ゲイエ、アレックス・フォレス、アジョセ・ペレスらの名前も移籍の噂に上っている。カンテラでもビクトル・モレノ、ダニ・レケナ、トニ・タマリット、ジャン・イヴ・バロウ、チアゴ・オヘダなどがチームを離れた。唯一の明るいニュースはパウ・ナバロの契約更新くらいである。
ルイス・ミジャやギド・ロドリゲスなどの獲得を逃し、他クラブとの給与や移籍金の競争で不利な状況にあることは否めない。しかし、クラブには明確なプランがあり、決して場当たり的な対応をしているわけではない。イニゴ・ペレス監督もこの状況を冷静に受け止め、チアゴ・フェルナンデスなどの若手を試しながら、手持ちの戦力でチーム作りを進めている。ファンもクラブのスポーツディレクション部門を厚く信頼しており、シーズンチケットの売れ行きは好調だ。ワールドカップが終了したことで市場が本格的に動き出し、パペ・ゲイエの大型売却が引き金となって、ドミノ倒しのように新たな補強が続々と決まることが強く期待されている。(via Estadio Deportivo)
【本日の総括】
パレホらの退団により中盤はマシアやディアッタらカンテラの若手が台頭。移籍市場ではゲイエのエバートン移籍が目前に迫っており、その資金でロモナコ獲得などの補強が一気に進むことが期待される。