クラブ財務の超・大改革:通常総会に向けた決算開示と3億ユーロの融資拡大、新規大型スポンサー締結
9月19日(土曜日)に開催される通常総会に向け、クラブの財務詳細が公開されました。非常に注目されるのが、エスパイ・バルサの建設工事を完了するために、最大3億ユーロの追加融資枠をソシオ代表に要請する点です。今回の融資は、当初承認されていた15億ユーロに加えて追加で発行されるもので、この資金はすべてスポティファイ・カンプ・ノウの工事完了に充てられ、新たなパロウ・ブラウグラナについては言及されていません。
当初の融資コストは5.53パーセントでしたが、これまでに追加の借入を増やすことなく、返済時期を平準化するための借換を複数回行っており、現在の平均金利コストは6.15パーセント、直近の金利スプレッドは242ベーシスポイントとなっています。返済期間は最長30年に分散され、ゴールドマン・サックスが組成を担当して長期の機関投資家とクローズする見通しです。
さらに、総会で承認される予定の2大新規大型パートナーシップ契約の詳細も明らかになりました。
1つ目は、オハナ・ディベロップメントとの契約です。アラブ首長国連邦でのバルサ関連住宅プロジェクトを2055年まで展開するライセンスと、2030年までのブランドプロモーション契約を結びました。これにより同社はグローバルスポンサーとなり、2027/28シーズンから3シーズンにわたり、ユニフォームの背面に同社のロゴが掲出されます。この契約により、バルサは最初の3年間は毎年約1000万ユーロを受け取り、すでに200万から300万ユーロを手付金として受領しています。その後はライセンス料として年間100万ユーロ強が約30年間にわたり支払われます。
2つ目は、バビロン・パークとの25年間のライセンス契約です。スポティファイ・カンプ・ノウ内にバルサブランドの屋内ファミリーエンターテインメントセンターを開発・運営するもので、これを皮切りにカタルーニャ国内、さらには国際展開も進められます。
また、2025-26期の決算と2026-27期の予算も開示されました。2025-26期の売上高は過去最高の10億6000万ユーロを記録(前年の9億9400万ユーロを上回るが、予算の10億7500万ユーロはわずかに下回る)。経常利益は20万ユーロの黒字ですが、バルサ・プロダクションズ(バルサ・スタジオ)の資産価値を2300万ユーロ減損処理したことなどの特別損失が響き、最終的な純損益は1800万ユーロの赤字となりました。なお、2026年6月30日までに移籍が成立していれば黒字化できていたとのことです。
一方で、スポンサー収入は過去最高の2億6500万ユーロ(前年比500万ユーロ増)、グッズ販売部門であるBLMも過去最高の2億800万ユーロ(前年比4000万ユーロ増)と絶好調。バルサ・プロダクションズのクラブ持分比率は、共同パートナーの債権放棄などにより53.4パーセントから63.14パーセントへ上昇しています。
新シーズンとなる2026-27期は、すべての試合をリニューアルされたスポティファイ・カンプ・ノウで行い、さらに2027年前半に収容人数拡大を見込むことから、売上高11億9500万ユーロ、経常利益100万ユーロ、最終純利益100万ユーロの黒字化を見込んでいます。スポーツコスト(給与と減価償却費)はクラブ全体の53パーセントにあたる6億3600万ユーロに抑える計画で、増収のおかげで主力選手の更新に伴う昇給や、他競技・他セクションなどの補強費も十分に確保できる健全な計画となっています。(via Mundo Deportivo)
ハンス=ディーター・フリック監督が築く歴史的超攻撃軍団:クラブ記録を塗り替える破壊力と偽サイドバック戦術
ハンス=ディーター・フリック監督率いるチームが驚異的な強さを見せています。開幕4試合で4戦全勝、17得点2失点(得失点差プラス15)を記録し、クラブ史上最高のスタートダッシュを飾りました。これは、これまで歴代1位タイだった1929/30、2009/10(グアルディオラ体制)、2014/15(ルイス・エンリケ体制)の開幕4連勝・得失点差プラス11を大きく上回る快挙です。得点数としても歴代3位の多さであり、過去に17得点以上を記録しながらリーグ優勝を逃した歴史を今シーズンこそ塗り替え、リーグ3連覇へ向けて視界は極めて良好です。
指揮官のフリック監督自身も、就任後最初の80試合での勝利数が63勝に到達。ルイス・エンリケの62勝、グアルディオラの61勝を超えてクラブ歴代単独トップの勝利数を記録しました。
この「9番(純粋なセンターフォワード)」が不在の爆発的な攻撃を支えるのが、ハフィーニャ、フェルミン、ラミン・ヤマルのトリデンテです。この3人だけで計14ゴール(ハフィーニャ6点、フェルミン4点、ヤマル4点)を挙げており、開幕4試合でこれほどの得点力を示したトリオは、1958/59シーズンのレアル・マドリード(プスカシュ、ディ・ステファノ、リアルが計15得点)以来、約68年ぶりの出来事です。ハフィーニャは今季フォワードとしての新役割で得点王を独走しており、開幕4試合連続ゴールはクバラ、メッシに次ぐクラブ史上3人目の快挙。フェルミンも4試合4得点を決め、スペイン人選手としては2011/12シーズンのセスク・ファブレガス以来の記録を達成しました。また、19歳のヤマルは4ゴールに加え4回の決定機創出、1試合平均4回のドリブル突破を記録し、新加入のアンソニー・ゴードンも4試合で4アシストと驚異的なペースでチャンスを量産しています。
ペドリもバレンシア戦でのゴールにより、クラブ通算29得点に到達。歴代得点者ランキングで堂々の100位にランクインしました。現在、現役でトップ100に入っているのはハフィーニャ(81点、33位)、ヤマル(52点、61位)、フェルミン(36点、88位)、ペドリの4選手です。
戦術面でも新たな発見があります。それは19歳の若きディフェンダー、シャビ・エスパルトです。かつてグアルディオラ監督がジョアン・カンセロやフィリップ・ラームに施した「サイドバックがインサイドに入り込んで中盤を支配する偽サイドバック戦術」を、フリック監督は左サイドバックのエスパルトで再現。ラ・マシアのボランチで培われた高い戦術眼(IQ)を持つエスパルトは、巧みにインサイドのスペースに入り込み、ペドリやゴードンとの素晴らしいコンビネーションでビルドアップを助けています。今やディフェンス陣で唯一ローテーションから外れて先発を続ける彼を、フリック監督も『彼はトッププレイヤーだ』と絶賛しており、水曜日のチャンピオンズリーグ開幕戦、スポティファイ・カンプ・ノウでのフェイエノールト戦でも先発が濃厚視されています。なお、この初戦の主審はドイツ人のスヴェン・ヤブロンスキ(36歳、VARはバスティアン・ダンケルト)が務めることが公式発表されています。(via SPORT / Mundo Deportivo / MARCA)
ラミン・ヤマルのスペイン代表選択緊迫の内幕:モロッコ政府や父親の猛烈なプレッシャーを拒絶した日
2026年ワールドカップを制覇し、最高の夏を過ごした19歳のラミン・ヤマル。彼がかつてスペイン代表とモロッコ代表のどちらを選ぶかで揺れていた当時の、緊迫した説得工作の内幕が明かされました。
スペインサッカー連盟は、1996年から2010年生まれの世代の中から、二重国籍を持ち他国を代表する可能性のある選手を約125人識別していました。そのリストのトップにいたのがラミン・ヤマルでした。
当時のスペイン代表スポーツディレクターであるアルベルト・ルケ氏によれば、ヤマルを説得するプロセスは決して簡単なものではありませんでした。モロッコの代表監督が直々にヤマルを訪ね、さらにモロッコ政府も国を挙げて説得に動き、父親のムニル・ナスラウィ氏を説得することも非常に複雑で困難を極めたと語っています。
一方、ヤマルの母親であるシェイラ・エバナ氏は冷静に、連盟側に対して『本当にこの子にA代表でプレーできる実力があると考えているのか、それとも単にモロッコ代表に行かせないための引き止めなのか』と核心を突く質問を投げかけました。連盟側は『すでに十分に準備ができている』と答え、彼女の信頼を得ることに成功しました。
最終的に決断を下したのはヤマル自身でした。周囲からの猛烈なプレッシャーを浴びながらも、ヤマルはルケ氏に対して、はっきりと『ヨーロッパ王者になりたい。あちこちからプレッシャーは受けているが、自分はスペインでプレーしたい』と自らの意志を告げ、スペイン代表としての未来を選択しました。その後の活躍とワールドカップ制覇は、彼のこの強い決意から始まった歴史そのものです。(via SPORT)
メスターヤの舞台裏とBチームの怪物の軌跡:新加入リヴァコヴィッチの気遣いとデビュー4発ケールの歩み
バレンシア戦の大勝の裏側では、新加入の選手たちやカンテラの素晴らしい絆が見られました。
この夏に加入したクロアチア代表ゴールキーパーのドミニク・リヴァコヴィッチは、プレシーズンでチーム最多得点を挙げながらもバレンシア戦でベンチを温め続けた若いハムザに対し、ウォーミングアップ中から常に優しく寄り添い、語りかけ、励ます姿勢を見せていました。新入りでありながら、早くもチームリーダーとしての模範的な姿勢を示しています。
また、試合前の練習では、ヤマルがエリア外からのシュートを驚異的な精度で次々と決め、リヴァコヴィッチもお手上げ状態に。その様子を見たポーランド人守護神のテック(シュチェスニー)が笑顔をこぼし、自らボールを拾ってヤマルへパスを出すアシスト役に回るなど、チーム内の最高の雰囲気が伝わる一幕もありました。さらにハフィーニャは、バルサデビューを迎えた同胞のガブリエウ・ジェズスに対し、ピッチに入る前に熱いハグと励ましの言葉を送っていました。
一方、リザーブチームであるバルサ・アトレティクでも、新たな怪物が産声を上げています。
ベレッティ新監督率いるチームの開幕戦で、衝撃のデビュー4ゴールを叩き出したのが、22歳のフォワード、イグナシ・ケールです。
ラ・マシアやエスパニョールの下部組織で育ったエリートではなく、ビック・リウプリメール、マンレサ、マンリェウ、ジローナなどのクラブを渡り歩き、地道に努力を重ねてきた「雑草魂」の持ち主です。2024-25シーズンにカタルーニャ6部リーグのビックで16ゴールを決め、その後5部のCEロスピタレで23試合15ゴールと爆発したことでバルサに引き抜かれました。
身長が高く、強靭で、両足と頭から放たれる強烈なフィニッシュ力を備えた、クラシックな「9番」のケールは、身体がアスリートとして成熟したことでゴールを量産し始めました。デビュー戦でのハットトリック以上の達成は、2016-17シーズンにハットトリックを達成しチームを2部昇格へ導いたマルク・カルドナ以来の快挙。この「ゴールの職人」が、今シーズンのBチームの昇格争いを力強く牽引することになりそうです。(via SPORT)
【本日の総括】
記録的な開幕スタートを切ったフリック・バルサ。圧倒的なスタッツや偽サイドバック戦術の開花、未来を担う代表選択の内幕、さらには将来的な黒字化を見据えた健全な財務改革と、ピッチ内外で黄金期を思わせる隙のない歩みが続いています。
