ドロ 820万ユーロの移籍金でパリへ渡った新鋭の選択
FCバルセロナの下部組織ラ・マシアで育成された18歳のガリシア出身ミッドフィールダー、ドロが、820万ユーロの移籍金でパリ・サンジェルマンへ完全移籍を果たした。かつてバルセロナを率いたルイス・エンリケ監督からの直接の誘いが決め手となり、カタルーニャの将来を担うはずだった逸材がフランスの地へ旅立っている。
昨冬の移籍市場において、パリ・サンジェルマンは820万ユーロという大金を支払うことで、バルセロナからドロを引き抜いた。パリのトップチームを指揮するルイス・エンリケ監督は、若い才能を自ら手塩にかけてトップレベルへ引き上げるプロジェクトを掲げており、ドロはその情熱的なビジョンに深く感銘を受けて移籍を決意した。
しかし、パリ・サンジェルマンが推し進める補強戦略は、クラブ内部の育成組織に複雑な波紋を広げている。一方でクラブは2024年11月に、バルセロナのラ・マシアを模範とした最先端のトレーニング施設を開設した。そこからはウォーレン・ザイール=ウナイ・エメリや、昨季の欧州チャンピオンズリーグ決勝インテル戦で5-0の大勝劇に貢献したセニー・マユルらが輩出されているという。
一方でクラブは、モンプリエの16歳FWラシネ・メニャン=パヴェやリヨンの17歳アディル・ハムダニなど、他クラブの若手引き抜きに強い執着を見せている。最終的にこれらの獲得は成立しなかったものの、パリは今後の移籍市場でも継続して獲得を試みる構えだ。そのため、既存のカンテラーノを抱える代理人たちの間では、自前で育った選手の昇格ルートが狭まるのではないかという強い不安が広がっている。
ある代理人は匿名で、セニー・マユルでさえ定位置を勝ち取れていない現状に触れ、ユース出身者がトップチームで成功する道はあるのかと切実な懸念を口にした。一方で、ジョアン・ガドゥがボルシア・ドルトムントで定位置を掴み、エタン・ムバッペがリールで頭角を現している。さらにウマル・カマラがポルトガルで、エマニュエル・ムベンバがパリFCで定着するなど、パリを離れて他国や他クラブで成功を収める若手が相次ぐ状況だ。
ルイス・エンリケ体制下のパリ・サンジェルマンは、圧倒的な資金力とブランド力で他国の名門カンテラから最高峰の原石を引き抜いている。一方で、この移籍劇はクラブ内部の育成バランスに大きな課題を突きつけているという現実だ。ドロが豪華なスター集団の中で定位置を確保できるかが、今後の育成モデルの成否を占う象徴的な事例となる。(via SPORT)