復活の英雄マリアノ・ディアス:4年ぶりリーガゴールと魂の2アシストで大勝劇を牽引

ホームのメンディソルサで行われたヘタフェとの開幕戦において、最大の主役となったのがフォワードのマリアノ・ディアスです。マリアノは驚異的な活躍を見せ、2アシスト1ゴールを記録してチームを3-0の快勝に導きました。スタジアムのファンから割れんばかりのオベーション(大喝采)を浴びたマリアノですが、これまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。

彼がラ・リーガでゴールを決めたのは、実に4年3ヶ月ぶりのことです。最後の得点はレアル・マドリードに在籍していた2022年5月15日のカディス戦(1-1の引き分け)にまで遡ります。それ以降は新天地での適応に苦しみ、昨シーズンにアラベスでプレーした際も、リーグ戦とコパ・デル・レイを合わせてわずか12試合の出場にとどまり、最後の出場となった2025年3月8日のバレンシア戦ではわずか6分間のプレーにとどまるなど、ピッチから遠ざかっていました。

これまでの苦しい思いを爆発させるような熱いゴールセレブレーションについて、マリアノ本人は試合後に次のように語りました。

『本当に長い間、苦しい時期を過ごしてきました。誰もが試合に出場してプレーしたいと願うものですが、今こうして新たなスタートを切ることができました。この良い流れを今後も継続させ、チームのために最大限の貢献をしていきたいです。ゴールを決めた瞬間のパフォーマンスには、これまでの鬱憤や少しの怒りが込められていました』

この奇跡的な復活劇は、多くのサポーターの胸を打ち、今シーズンへの大きな希望を抱かせるものとなりました。(via ElDesmarque)

指揮官が明かしたマリアノの心理的葛藤:暗闇を抜けた先にある無限の価値

キケ・サンチェス・フローレス監督は試合後の記者会見で、マリアノ・ディアスが見せた圧巻のパフォーマンスを称賛するとともに、彼が抱えていた深刻な精神的葛藤について初めて詳細を明かしました。

監督はマリアノの今季にかける姿勢を評価し、以下のように述べています。

『彼の活躍はチームにとって極めて重要です。選手にとって最も大切なのは、やりたいという強い意志を持つことであり、彼はその情熱に満ち溢れています。身体的にも十分に準備が整っています。そして彼には、フットボールにおいて過去は歴史であり、未来は謎であり、現在こそが贈り物(プレゼント)であることを理解してほしい。もし彼がその現在に焦点を当て、日々のトレーニングに全力を注ぐならば、彼自身のパーソナルな物語に新たな素晴らしい1ページを書き加えることになるでしょう』

さらに、監督は昨シーズンに彼が直面していた暗闇に寄り添い、その真の価値を代弁しました。

『マリアノ自身、非常に深い暗闇の時期を過ごしてきたことは間違いありません。私たちが大きな停滞感と無活動状態に陥っていたあの12試合の期間中、彼がそうしたつらい時間を好んで過ごしていたわけではないと確信しています。彼には、これから彼に起こり得る多くのポジティブな出来事、それも彼自身の取り組み次第で掴み取れるものに全力でしがみついてほしい。もし100%の完全な状態のマリアノ・ディアスをチームに擁することができるのであれば、本来のアラベスというクラブの規模や市場価値から考えて、彼を獲得することなど不可能なはずです。幸いにも今、彼は私たちの手元にいるのですから、その才能を極限まで引き出して、最高のバージョンを発揮させたいと考えています。これこそが私たちの意図です。長いシーズンを戦い抜くために、彼はこれからも自分自身に賭けて、挑戦を続けなければなりません』

指揮官のこの深い信頼と愛情が、不屈のストライカーを再びピッチ上で輝かせる大きな原動力となっています。(via ElDesmarque)

監督とアンヘル・ペレスの不仲説否定:昨日よりも深まった特別な愛情

キケ・サンチェス・フローレス監督は、地元メディアなどで取り沙汰されていたサイドバックのアンヘル・ペレスとの「喧嘩(不仲説)」について記者から問われると、それをユーモアを交えて明確に否定し、彼への強い愛情を口にしました。

監督は笑みを浮かべながら、ペレスとの関係について以下のように説明しています。

『今の私は、昨日よりもさらにアンヘル・ペレスのことを愛しています。あの苦しい瞬間を共に乗り越えたからこそ、昨日よりも彼に対する愛が深まりました。彼自身も私のその気持ちをよく理解していますし、すでに本人にも直接その思いを伝えました』

指揮官と若い選手がピッチ内外で非常に強固な信頼関係を築いていることが、この短い発言からも如実に示されています。(via ElDesmarque)

荒れた開幕戦の戦術分析:右サイドの圧倒的な支配とVARによる一発退場劇

メンディソルサを舞台に行われたヘタフェとの開幕戦は、結果として3-0の快勝となったものの、試合の前半は「フットボールよりもファウルの方が多い」と評されるほど、非常に荒れて停滞した展開となりました。

前半45分間だけで、合計18回のファウルが記録され、3枚のイエローカードが乱れ飛ぶ激しい攻防となりました。前半42分には、ヘタフェのキコ・フェメニアがアラベスのレバシュに対して危険な足裏を見せたタックルを浴びせました。主審は一度は退場を免れさせようと判断したものの、VARの介入によって最終的に一発レッドカードが提示され、ヘタフェは後半のすべてを10人で戦うことを余営業なくされました。

ピッチ内では、前半からアラベスの右サイドに入ったアンヘル・ペレスが、ヘタフェの若い左サイドバックであるダビンチの守備の乱れを突き、何度も突破に成功して攻撃の起点を作り出しました。

後半、ヘタフェのボルダラス監督はダビンチを下げてエースのエネス・ウナルを投入する勝負に出ましたが、これが逆にアラベスの右サイドの攻撃力を活性化させる結果となりました。ヘタフェが左サイドバックにザイド・ロメロを配置すると、アラベスはさらにそのエリアを切り裂きました。

そして74分、マリアノ・ディアスが左サイドから放った正確なクロスに、ペナルティエリア内に走り込んでいたアルゼンチン人センターバックのニコ・テナグリアが、まるでフォワードのような美しいヘディングシュートで合わせて貴重な先制ゴール(1-0)を奪いました。

試合が動くと、一気にアラベスが畳み掛けます。マリアノ自身が力強いドリブルで左サイドを駆け上がり、ペナルティエリア手前で相手ディフェンスのクリアの跳ね返りを拾うと、右足で強烈なシュートをゴール右上の隅へと突き刺して2-0としました。

さらにそのわずか数分後、再びマリアノが左サイドから決定的なアシストを送り、ミケル・ロドリゲスが押し込んで3-0と完勝を収めました。この勝利により、アラベスはリーグ首位に一時的に立つことになり、チームにとってこの上ない自信に満ちたスタートとなりました。(via Mundo Deportivo) (via ElDesmarque)

第2節ラージョ・バジェカーノ戦:スタジアム使用停止によりブタルケでの代替開催が決定

アラベスが8月20日(木)21:00に予定している第2節アウェイのラージョ・バジェカーノ戦について、ラージョの本拠地であるバジェカス・スタジアムでの開催が不可能となり、レガネスの本拠地であるブタルケ・スタジアムで代替開催されることが決定しました。

この措置は、スタジアムの所有者であるマドリード自治政府が実施した監査において、スタジアムの防火設備、電気系統、衛生環境、および一般的なメンテナンス不備などの深刻な欠陥が検出され、安全性が保証できないとしてスタジアムの使用認可を停止したためです。ラージョの役員は期日までに必要書類を提出し、一時的な使用許可(仮処分)を申請していましたが、マドリード自治政府のスポーツ部門によってこの申請は却下されました。

ラージョの監督であるベニャト・サン・ホセは、リーグ開幕前にこの事態について次のように不満と希望を露わにしていました。

『私たちは何よりもバジェカスでプレーしたいと望んでいますが、もしマドリード自治政府がそこでのプレーを許可してくれないのであれば、サポーターが最も足を運びやすく、応援しやすいスタジアムへと行くしかありません。ヨーロッパで最も大きな地域の一つであるバジェカスの街からホームスタジアムを奪うことは非常に複雑な問題であり、ファンは本当に素晴らしい存在です』

また、ラージョの選手であるオスカル・バレンティンも『自分たちのサポーターのことを考えると、明らかに精神的な影響を受けます。チームが望んでいるのはバジェカスでプレーすることです。ファンが安全に試合を楽しめるよう、すべての問題が速やかに解決されることを望んでいます』と語っていました。

さらに、ラージョのサポーター連合やプラットフォームADRVは、このスタジアム移動に対し『バジェカス以外のスタジアムでの主催試合には一切参加しない』とボイコットを宣言しており、アラベスを迎えるアウェイゲームではサポーターの大部分がスタジアムを訪れない可能性が非常に高くなっています。開幕戦を3-0で快勝したアラベスにとっては、アウェイゲームでありながらプレッシャーが大幅に軽減された状態で勝ち点3を狙える、ピッチ外の追い風となっています。(via Estadio Deportivo) (via SPORT) (via MARCA)

【本日の総括】

デポルティーボ・アラベスは、開幕戦でのヘタフェに対する3-0の快勝により、一時的ながらリーグ首位に立ち、最高の形で新シーズンを滑り出しました。精神的な闇を乗り越えて1ゴール2アシストの大暴れを見せたマリアノ・ディアスの奇跡的な復活は、チームにとって計り知れない価値をもたらしています。次節のラージョ戦は対戦相手の本拠地問題により、サポーターのボイコットが予想されるレガネスのブタルケでの開催となるため、アラベスにとっては開幕2連勝を飾るための極めて有利な状況が整っています。