ホンジュラス代表MFケルビン・アリアガのAEKアテネ完全移籍が決定
レバンテUDはホンジュラス代表ミッドフィルダー、ケルビン・アリアガのAEKアテネへの移籍についてギリシャのクラブと合意に達しました。アリアガはメディカルチェックを無事に通過し、2030年6月までの契約に署名しました。この取引による移籍金は450万ユーロから500万ユーロ近くに上るとみられており、将来の売却時に一定の割合がレバンテに支払われる条項も含まれています。
レバンテは1年前にパルティザン・ベオグラードから約50万ユーロでアリアガの権利の75パーセントを獲得しており、わずか1シーズンで投資額を約10倍に増やすという、近年の移籍市場において極めて優秀な利益を得ることに成功しました。
アリアガは昨シーズン、レバンテに加入した後にリアル・サラゴサへの期限付き移籍を経験し、その後レバンテで公式戦28試合(うちリーグ戦27試合)に出場して3ゴール3アシストを記録しました。191センチの恵まれた体格と物理的な強さを誇り、ピヴォテ(守備的ミッドフィルダー)とセンターバックの両方をこなせる多才さで、終盤戦の残留争いにおいてチームを支える極めて重要な役割を果たしました。
移籍の動きは、開幕戦のエスパニョール戦の直前から急展開を見せていました。アリアガは土曜日に遠征メンバーとともにバルセロナへ移動し、試合開始4時間前にはラ・リーガに登録されている15人の選手リストに名を連ねていましたが、最終的に取引交渉を完了させるために遠征先を離脱してバレンシアへと戻り、アテネへと飛びました。このため、アウェイでの開幕戦のピッチに立つことはありませんでした。
レバンテのルイス・カストロ監督は試合後の記者会見で移籍決定前の段階として『もし移籍がまとまればそれで良いし、そうでなければ通常通り仕事を続けるだけだ。退団の可能性はある』とコメントしていましたが、その翌日には正式に完全移籍が発表されました。クラブはこれまでのアリアガの貢献、プロフェッショナル精神、そして献身に深い感謝の意を表し、新天地での活躍を祈るメッセージを寄せています。(via Estadio Deportivo, Mundo Deportivo, SPORT, MARCA)
ラ・リーガ開幕戦エスパニョール戦で0-3の完敗を喫する苦しいスタート
レバンテはRCDEスタジアムで行われたラ・リーガ・イーエースポーツ(LaLiga EA SPORTS)の2026-27シーズン開幕戦で、エスパニョールと対戦し、0-3の完敗を喫しました。
試合は開始早々の5分に動きました。エスパニョールのエドゥ・エキスポジトが蹴ったフリーキックから、ゴール前でロベルト・フェルナンデスに右足で押し込まれ、いきなり先制点を許します。この得点シーンではビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の判定を待つ張り詰めた時間がありましたが、最終的にゴールが認められました。
失点後、レバンテは落ち着きを取り戻してポゼッションを高め、相手の勢いを止めようと試みました。しかし、相手の守護神ドミトロヴィッチを脅かすような決定的な形は作れず、攻撃陣は沈黙を続けました。24分には相手のハビ・エルナンデスに鋭いシュートを放たれますが、レバンテのゴールキーパーを務めるマシュー・ライアンが好セーブを見せて追加点を防ぎます。直後、レバンテはイバン・ロメロがシュートを放つも枠を外れました。
前半40分、エスパニョールの活発なハビ・エルナンデスのアシストから、再びロベルト・フェルナンデスに決められて0-2と点差を広げられます。
後半に入ってもレバンテは効果的な打開策を見出せず、終始エスパニョールに主導権を握られる展開が続きました。守護神ライアンは後半もドランやカラの決定機を阻むなど奮闘しましたが、80分にカウンターからドランにゴールを許し、3点目を奪われて万事休すとなりました。結局、レバンテはこの試合で枠内シュートを1本も打つことができず、攻撃面で無力さが際立つ非常に厳しい結果となりました。
この試合では、昨シーズンの終盤に受けた退場処分による出場停止処分が残っていたロヘル・ブルゲが欠場していました。スターティングメンバーは、ゴールキーパーにライアン、ディフェンダーにナチョ・ペレス、マンディ、デ・ラ・フエンテ、マヌ・サンチェス、ミッドフィルダーにオリオル・レイ、オラサガスティ、カルロス・アルバレス、フォワードにビクトル・ガルシア、パコ・コルテス、イバン・ロメロという顔ぶれでした。後半の途中にエッタ・エヨン、エンゾ・バルデリ、マルク・サントス、トイカン、トゥンデが途中出場しました。(via ElDesmarque, MARCA)
新戦力登録のための過酷な財務状況とアリアガ売却による資金調達
レバンテが今回アリアガを放出せざるを得なかった背景には、深刻な財政制限とラ・リーガのサラリーキャップ(年俸制限)問題があります。
クラブは今夏、複数の選手を獲得したものの、開幕戦を迎える時点で多くの新戦力を公式戦に登録できないという極めて危機的な事態に直面していました。この結果、ウーゴ・ソテロ、ダニ・レケーナ、チアゴ・フェルナンデス、ヤニス・ムスアイ、そしてタイ・アベドといった選手たちが開幕戦の遠征メンバーから外れ、バレンシアに残ることを余余儀なくされました。
一方で、マシュー・ライアン、アイサ・マンディ、マヌ・サンチェス、エンゾ・バルデリの4名は開幕戦までに登録を完了させることができました。しかし、マヌ・サンチェスとバルデリの登録を時間内に滑り込ませるためには、クラブの取締役(評議員)が個人の保証人として財務上の担保(アバル)を提供するという、異例の手続きを踏む必要がありました。
これまでにカルロス・エスピーを2500万ユーロという高額で売却したことに加え、今回のアリアガ売却によって得られる約500万ユーロの資金は、クラブの財政に大きな呼吸の余地(酸素)を与えることになります。また、今夏はディエゴ・パンピン、ウナイ・エルゲサバル、パブロ・マルティネス、ホセ・ルイス・モラレス、エドガル・アルカニスの放出も行われましたが、これらの取引では移籍金収入は発生していませんでした。
アリアガ売却の資金によって、未登録となっているウーゴ・ソテロ、ダニ・レケーナ、チアゴ・フェルナンデス、ヤニス・ムスアイの4名の登録を進めるための道が開かれました。ただし、これで自動的にすべての問題が解決するわけではなく、レバンテはラ・リーガへ正式な書類を提出し、承認を待つ必要があります。ウーゴ・ソテロがボールの持ち出し役を担い、バルデリやダニ・レケーナが創造性をもたらすことで、中盤の再構築と攻撃の活性化が期待されています。(via Estadio Deportivo, SPORT, MARCA)
完敗の責任を背負うルイス・カストロ監督の厳しい総括と今後の決意
エスパニョール戦での完敗を受け、ポルトガル人のルイス・カストロ監督は、言い訳を一切排除した非常に潔く、かつ厳しい言葉で試合を振り返りました。
監督は記者会見で『試合結果については議論の余地など全くない。相手の方が明らかに優れたプレーをし、勝利に値するパフォーマンスを見せた。最大の責任があるのは監督である私自身だ。チーム全体のプレーが、対戦相手であるエスパニョールのレベルに全く達していなかった』と語り、完敗の全責任が自分にあることを公に認めました。
また、選手登録の遅れや制約が敗北の言い訳になるのではないかという周囲の声に対しても断固として拒絶し、直前に個人保証で登録されたばかりだったバルデリを例に挙げて『たとえ彼が試合当日の朝から正式に登録されていたとしても、今日の試合で先発メンバーとして起用するつもりはなかった』と述べ、登録問題とピッチ上のパフォーマンスは別個の問題であることを強調しました。
カストロ監督は、アリアガの退団によって中盤の空中戦や球際での強さが失われることは認めつつも、新たに登録を待つ若手選手たちの個性を活かした別の戦術アプローチで中盤を組み立て直す決意を示しています。(via Estadio Deportivo, ElDesmarque, MARCA)
クラブ史上最年少となる15歳280日の神童マルク・サントスが歴史的デビュー
エスパニョール戦の厳しい敗戦の中で、唯一とも言える大きな希望の光となったのが、カンテラ(下部組織)育ちの超新星、マルク・サントスの歴史的なデビューでした。
サントスは後半64分、イバン・ロメロに代わってピッチに投入されました。2010年生まれで、バレンシアの地元マサナサ出身のこのサイドバックは、わずか15歳と280日という驚異的な若さで公式戦デビューを果たしました。
この記録は、レバンテUDのクラブ史上最年少デビュー記録を大幅に塗り替えただけでなく、ラ・リーガの歴史においても、ルカ・ロメロ(15歳219日)、フランシスコ・バオ・サクソン(15歳255日)に次ぐ、史上3番目に若いデビュー記録となりました。これは、FCバルセロナのラミン・ヤマルが記録したデビュー年齢(15歳290日)を10日も下回る歴史的な快挙です。
サントスは、幼稚園児・小学校低学年を対象とする「プレベンハミン」の2年目のカテゴリーで、レバンテのトレーニングセンターであるブニョールに加入しました。そこからすべての育成カテゴリーを着実にステップアップし、昨シーズンの1月にはまだカデテ(U-16相当)の年齢でありながら、フベニールA(U-19相当の最上位リーグ)への昇格を勝ち取りました。
この才能に早くから注目していたルイス・カストロ監督は、昨シーズンの終盤、チームが残留を争う極めて重要な時期に、サントスをトップチームのトレーニングに頻繁に参加させていました。カストロ監督は試合後、彼のデビューが単なる一時的な緊急事態によるものではないことを強調し、次のように語りました。
『マークは単なる若い練習生ではなく、すでにトップチームの正式な一員としてカウントしている選手だ。彼のコンディションが良ければ試合に起用するし、もし最高の状態にあるならば、年齢に関係なく先発メンバーとしてピッチに送り出すつもりだ。今日の限られたプレー時間の中でも、彼は非常に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた』
サントスは本職のサイドバックのほかに、インサイドハーフ(インテリオール)としてもプレー可能な高いユーティリティ性を備えています。今年の11月1日に16歳の誕生日を迎える予定で、その日以降にプロサッカー選手として完全な権利を持つ最初のプロ契約を結ぶことができるようになります。カストロ監督の厚い信頼を得たこの若い才能は、今後のレバンテにおける本物の選択肢として、サポーターから大きな期待を集めています。(via MARCA, Estadio Deportivo, ElDesmarque)
【本日の総括】
ラ・リーガ開幕戦はエスパニョールを相手に0-3の完敗を喫し、シュート数ゼロという攻撃の機能不全、さらには新戦力の登録制限が重なる極めて苦しいスタートとなりました。しかし、アリアガのAEKアテネ移籍によって獲得した約500万ユーロの資金が未登録の主力を登録するための鍵となり、さらにクラブ史上最年少となる15歳の超新星マルク・サントスが歴史的な一歩を踏み出すなど、どん底の開幕戦から反撃に向けた確実な希望と再建の道筋が示されています。
