ヴィクトル・ツィガンコフの去就問題と移籍市場の動向
ジローナは来季のセグンダ・ディビシオン(2部)での戦いに向けてチームの再構築を進めている。その中で、最も退団の可能性が高い選手の筆頭に挙げられているのが、ウクライナ人ウインガーのヴィクトル・ツィガンコフ(28歳)である。
彼は2027年までクラブとの契約を残しており、降格に伴う契約解除条項や、3000万ユーロに設定されている契約解除金の自動減額措置は一切存在しない。しかし、降格による新たな経済的状況に直面しているクラブは、最も市場価値の高い資産のいくつかを売却せざるを得ない状況にあり、ツィガンコフはそのショーウィンドウの最前列に立たされている。
現在、彼の代理人はバルセロナに滞在しており、移籍の可能性を探るための電話応対や各クラブとの接触を精力的に行っている。
具体的な移籍先候補として、全く異なる背景を持つ3つのクラブの名前が浮上している。
1つ目はオランダのアヤックス。特筆すべきは、かつてジローナを率いたミチェルがアヤックスの新監督に就任している点である。ミチェル監督はツィガンコフの能力を完璧に把握しており、アタッキングサードでの圧倒的なクオリティとサイドでの献身的な守備を高く評価しているため、アムステルダムへの引き抜きを強く望んでいる。
2つ目はエスパニョール。ラ・リーガの戦い方を知り尽くし、経験と才能を兼ね備えたツィガンコフは、エスパニョールのプロジェクトに完璧に合致する。しかし、大きな障害となるのが資金面であり、この移籍を実現させるためには関係する全当事者の多大な妥協と努力が不可欠となる。
3つ目はトルコのトラブゾンスポル。彼らは移籍金1000万ユーロ程度のオファーを準備して獲得に乗り出している。
これら様々な選択肢がある中で、今後の交渉を大きく左右するのが選手本人の意思である。ツィガンコフは、もしジローナを去るのであれば、ラ・リーガでのプレーを継続することを最優先に希望している。
一方、ジローナ側は現在、正式なオファーを机上に受け取ってはいないものの、今後必ず具体的なオファーが届くことを見越して明確な方針を固めている。それは決して安売りはしないということである。クラブは最低でも1500万ユーロ以下の売却は一切検討していない。
この強気な姿勢の背景には、非常に複雑な契約事情がある。ジローナはツィガンコフの保有権の50%しか所持しておらず、残りの50%は彼の古巣であるディナモ・キエフが保有している。つまり、いかなる金額で売却したとしても、ジローナの金庫に入るのはその半額のみとなってしまうため、安価での放出はクラブの財政再建の助けにならないのである。
2023年に約500万ユーロでジローナに加入したツィガンコフは、チームが降格という憂き目に遭った中でも、他の多くのチームメイトを凌駕する素晴らしいパフォーマンスを見せ続けた。最高レベルで競い続けることを望む選手本人と、適正な移籍金を得たいクラブ。彼の去就は、再建を図るジローナにとって今夏最大のキーポイントとなる。(via Mundo Deportivo)