劇的な展開となった開幕戦レーシング・サンタンデール戦の詳細:電光石火の同点劇と指揮官の修正采配
今シーズンの開幕戦として行われたアウェイのレーシング・サンタンデール戦は、2-2のドローに終わり、イニゴ・ペレス新体制の初陣はドラマに満ちた激しい攻防戦となりました。
会場となったエル・サルディネロは、実に14年ぶりとなるラ・リーガ1部復帰の瞬間に立ち会うべく集まった大観衆で埋め尽くされました。試合前にはスタジアム全体が雨空の下、クラブの公式アンセムをアカペラで熱狂的に大合唱。ホームチームを後押しする非常に厳しい敵地のアトモスフィアを作り出していました。
その熱気に煽られたレーシングは、開始30分足らずでビジャレアルを奈落の底へ突き落とします。前半20分過ぎ、エリア内でサンティ・コメサーニャが相手 Salinas に対する疑わしいファウルをとられ、レーシングにPKを与えてしまいます。これをアンドレス・マルティンに冷静に決められて先制を許すと、さらに前半30分にはラレド出身の19歳の新鋭セルヒオ・マルティネスにペナルティエリア手前から弾丸のようなシュートをゴールネットに突き刺され、あっという間に0-2の苦しい展開に追い込まれました。
しかし、ビジャレアルにはラ・リーガ屈指と称される強力な攻撃のタレントが揃っていました。前半終了間際の残りわずか1分間という時間の中で、驚異の反撃を見せます。
まずは前半44分、中盤でパスを受けた新戦力のパペ・ゲイェが遠目の位置から電撃的なロングシュートを放つと、これが鮮やかに決まり1点を返します。さらにその直後、今度はニコラス・ペペがペナルティエリアの外から左足を振り抜き、強烈無比なミドルシュートをゴールに突き刺して電光石火の同点劇を完成。前半のうちに試合を2-2に引き戻す底力を見せつけました。
後半、再びインテンシティを上げて押し込んできたレーシングに対し、守備での強度の欠如や競り合いの脆さが目立ったビジャレアルは苦戦を強いられ、守勢に回り続けました。この窮地を救ったのが、指揮官イニゴ・ペレス監督の采配でした。
ペレス監督は中盤と前線のパワーを入れ替えるため、ジェラール・モレノ、タジョン・ブキャナン、そしてカルロス・マシアの3枚を同時にピッチへ投入。この大胆な交代によってチーム全体のフィジカル強度が大幅に改善され、中盤の守備バランスが整ったことでゲームは膠着状態に落ち着き、2-2のままタイムアップを迎えました。
内容面ではレーシングに主導権を握られる時間が長く、相手から見れば勝ち点2を落とした試合、ビジャレアル側から見ればアウェイで貴重な勝ち点1を辛うじて拾い上げたと言える開幕戦となりましたが、新戦力のフィット感と指揮官の迅速な状況判断能力が光った一戦となりました。(via Mundo Deportivo)
【本日の総括】
移籍市場の最終盤で、ビジャレアルはアンデルレヒトの逸材ナタン・サリバの獲得で合意に至り、課題だった中盤の最終補強に目処を立てました。既存の若手DFカンブワラのイタリア挑戦も近づき、チームの整理が進む中で、開幕戦で見せた粘り強さと爆発力のある攻撃陣を武器に、今シーズンのラ・リーガでの躍進に向けた基盤が整いつつあります。