ギジェム・ビクトル 主力不在の危機にトップチームデビューが迫る19歳右サイドバック
FCバルセロナに所属する19歳の右サイドバック、ギジェム・ビクトルが、トップチームにおける守備陣の相次ぐ離脱を受けて、スポティファイ・カンプ・ノウでの公式戦デビューを果たす可能性が高まっている。チャビ・エスパルトの負傷に加えてエリックとパウ・クバルシの不在が重なったことで、育成組織から新たな新鋭がトップの舞台へ足を踏み入れる絶好の機会が訪れた格好だ。
サン・クガ出身でスペイン国籍を持つギジェム・ビクトルは、両親も自身もクラブのソシオを務める生粋のバルセロナファンである。2017年まで地元クラブのジュニオールで腕を磨いた後にラ・マシアへ加わり、着実に育成の階段を上ってきた。
彼が育った2007年生まれの世代は、ラミン・ヤマルやパウ・クバルシ、マルク・ベルナルらを輩出したクラブ歴史上の黄金期として知られている。同世代にはアンドレス・クエンカやホフレ・トレンツらも名を連ねており、すでに多くの選手がトップチームの動向に関わってきた。
彼の家庭環境に目を向けると、極めてサッカーと縁の深い環境で育ってきたことがよく分かる。実兄のパウ・ビクトルは、ハンジ・フリック体制の初年度にトップチームでプレーし、現在はポルトガルのブラガで活躍するストライカーだ。次男のシャビ・ビクトルもエリト・リーグのAEプラットでプレーしており、両親は週末になると3人の息子の試合を追いかけて忙しく過ごしている。
ピッチ外での彼はゴルフや音楽を楽しみ、昔からの友人を大切にする明るい素顔を持っている。SNSのフォロワー数は約6万6000人を数えるものの、過度な執着を見せることなく、コンディショニングと栄養学の勉強を並行して進める高いプロ意識を備えている。
最大の強みは、ゴールキーパーを除くあらゆるポジションをこなせる驚異的なユーティリティ性とゲーム読解力だ。本職である右サイドバックのみならず、左サイドバックやセンターバック、さらには中盤のアンカーやインサイドハーフ、過去にはウイングや偽9番としてもプレーした実績を持つ。
昨季はポル・プラナス指導のもとで戦術面の理解を劇的に深め、今季はバルサ・アトレティックを率いるジュリアーノ・ベレッティ監督のもとで、プロとしての成熟度を一段と高めた。指導陣やチームメイトからは、その冷静な判断力と強靭な競争心が高く評価されている。
今週末の試合でフリック監督から声がかかれば、下部組織で育まれた多才な才能が満を持して大舞台に立つことになる。複数位置を守れる順応の早さは、選手層の薄いトップチームにとって極めて貴重な戦力となるはずだ。この動きが示すのは、ラ・マシアが培ってきた黄金世代の層の厚さと、若手を即座に実戦へ投入するクラブの育成システムが極めて健全に機能しているということだ。(via SPORT)
