ケルヴィン・アリアガのAEKアテネへの移籍完了と莫大な売却益
レバンテUDは、ホンジュラス代表ミッドフィールダーであるケルヴィン・アリアガをギリシャのAEKアテネへ完全移籍させることで合意しました。
アリアガはギリシャ現地でメディカルチェックを無事にパスし、2030年までの契約にサインを完了しています。クラブ間で移籍金の詳細な額は公表されていませんが、500万ユーロに近い金額がレバンテの口座に支払われることになります。
この取引はレバンテにとって極めて魅力的なビジネスとなりました。なぜなら、わずか1シーズン前にパルチザン・ベオグラードからアリアガを獲得した際に支払った金額はわずか50万ユーロ程度だったからです。クラブはわずか1年間の在籍期間で投資額を約10倍に引き上げ、近年でも類を見ないほどの莫大なプラスバリア(売却益)を手に入れました。
アリアガは昨季、レアル・サラゴサからの期限付き移籍期間を経てレバンテに完全移籍。1.91メートルの圧倒的な体躯を活かしてアンカーやセンターバックとして活躍し、公式戦28試合に出場して3ゴールを挙げるなど、チームの一戦級での戦いに多大な貢献をしました。
移籍への動きは開幕戦の直前から本格化しており、アリアガは開幕エスパニョール戦に向けたバルセロナでの遠征に一度は合流したものの、交渉の最終調整のためにバレンシアへと引き返し、そこからギリシャへと旅立ちました。そのため、3-0で大敗した開幕戦のピッチには立っていません。ルイス・カストロ監督も試合後の会見で『もし今回の移籍が正式に決まればそれで良いし、そうでなければ彼はまた何事もなかったかのようにチームに戻って練習に励むだけだ。ただ、彼が出ていく可能性は十分にある』と語っており、その24時間以内に移籍が正式発表される形となりました。(via Estadio Deportivo)
厳しい登録制限の打開に向けたアリアガ売却資金の投入
今回の主力売却は、単に魅力的な経済的オファーだったからという理由だけでなく、クラブが抱える深刻な選手登録問題(サラリーキャップ制限)を急ぎクリアする必要性から生じた決断でもありました。
レバンテは、今夏の移籍市場で獲得した複数の新戦力や若手選手を開幕戦までにラ・リーガに登録することができず、非常に制約の多い状態でシーズン初戦を戦わざるを得ませんでした。
実際に、ウーゴ・ソテロ、ダニ・レケナ、チアゴ・フェルナンデス、ヤニス・ムスアイの4名はリーグ登録が間に合わず、バルセロナの遠征に帯同することすら叶いませんでした。また、タイ・アベドも経済的な制約が主な原因となって招集メンバーから外されました。
開幕戦前に辛うじて登録が間に合ったのは、マシュー・ライアン、アイッサ・マンディ、マヌ・サンチェス、エンゾ・バルデリの4選手です。しかし、このうちバルデリとマヌ・サンチェスの2名の登録を金曜日の期限までに滑り込ませるため、クラブは役員の個人保証(個人が金銭担保を引き受ける手段)まで発動させる綱渡りの手続きを行いました。
今回のアリアガ売却によってもたらされる約500万ユーロの資金、そしてカンテラーノであるカルロス・エスピの移籍によって発生した収入は、未登録となっているソテロ、レケナ、チアゴ、ムスアイの4名を一刻も早く登録し、ルイス・カストロ監督が起用できるようにするための貴重な資金的酸素(猶予制限の拡大)となる予定です。ただし、登録の自動完了を意味するわけではなく、書類の提出とラ・リーガ側からの最終的な承認を待つ必要があります。(via Estadio Deportivo)
枠内シュートゼロでの開幕戦3-0完敗とカストロ監督の自己批判
RCDEスタジアムで行われたラ・リーガ開幕戦において、レバンテはエスパニョールを相手に3-0の完敗を喫し、厳しいスタートを切ることとなりました。
昨シーズンからの出場停止処分を持ち越していたロゲル・ブルゲを欠いたレバンテは、立ち上がりからエスパニョールの激しいインテンシティに完全に圧倒されました。開始わずか4分、エドゥ・エキスポジトのフリーキックの流れから相手FWロベルト・フェルナンデスに押し込まれて先制を許すと、ボールを支配して落ち着きを取り戻そうとしたものの、相手ディフェンスを崩すアイデアに欠けました。
前半40分には再びロベルト・フェルナンデスに決められて0-2。後半に入っても、途中出場の選手たちが流れを変えることはできず、80分には相手のカウンターからドーランに3点目を叩き込まれて力尽きました。
何より深刻なスタッツとして、レバンテはこの90分間で、相手ゴールキーパーであるドミトロヴィッチを脅かす枠内シュートを「一本も」記録することができませんでした。
試合後、ルイス・カストロ監督は厳しい台所事情を言い訳にすることなく、自らの責任を全面的に認めました。指揮官は『試合内容について議論の余地は一切ない。エスパニョールの方がすべての局面で上回っており、彼らが勝利に値した。対戦相手のレベルに達していなかったことについて、最大の責任は私にある』と潔くコメント。また、ギリギリで登録されたバルデリについて『もし仮に彼が試合当日の朝早くに登録されていたとしても、スタメンで起用するつもりはなかった』と言い切り、選手の調整不足やチーム全体のインテンシティの低さに目を向けました。(via ElDesmarque)
15歳の超新星マーク・サントスが達成したラ・リーガ史上屈指の最年少デビュー記録
開幕戦での歴史的な大敗という重苦しい空気の中で、レバンテの未来を明るく照らす唯一の素晴らしいニュースが、15歳のカンテラーノ、マーク・サントスの歴史的なデビューでした。
マッサナッサ出身の若き左サイドバックであるサントスは、ゲームが0-2でリードされていた後半64分に、イバン・ロメロとの交代でピッチに送り出されました。
この瞬間、サントスは15歳280日という驚異的な若さでラ・リーガのピッチに立つことになり、レバンテの長い歴史において、公式戦に出場した最年少の選手としての金字塔を打ち立てました。
さらに、この記録はラ・リーガの歴史全体で見ても、ルカ・ロメロ(15歳219日)、サンソン(15歳255日)に次いで、歴代3番目に若い驚異的なデビュー記録です。バルセロナで旋風を巻き起こしたラミネ・ヤマルがデビューした15歳290日よりも、10日も若いタイミングでの歴史的な初出場となりました。
ルイス・カストロ監督は試合後、彼のデビューが単なる負傷者や離脱者が続出したことによる数合わせや一時的な緊急措置ではないことを断言しました。指揮官は『マークはすでに私たちのスカッドの重要な一員であり、状態が良いときにはいつでもピッチに入る。もし本当に素晴らしい状態を示せば、スタメンとして起用することにも全く躊躇はない。私は選手の年齢についてこれっぽっちも気にしない』と力強く語り、15歳の若きディフェンダーに対して今後も信頼を寄せる方針を示しました。(via ElDesmarque)
フィジカルスターの退団に伴う中盤再編成へのビジョン
ケルヴィン・アリアガという中盤の絶対的なフィルターであり、圧倒的なフィジカルと空中戦の強さ(1.91メートル)を誇る選手を手放したことにより、レバンテはピッチ上の「強度(筋肉)」を失うことになりました。
しかし、ルイス・カストロ監督は異なる才能を持つ選手たちを融合させることで、より技術的でクリエイティブな中盤の構築へと舵を切る見込みです。
今回のアリアガ売却資金によって速やかな登録手続きが期待されているウーゴ・ソテロは、最後尾からのクオリティの高いパス供給とゲームの組み立てを担当するのにうってつけの存在です。
これに加え、昨季はチームに少なかったクリエイティビティや攻撃の閃きを提供できるエンゾ・バルデリや、カンテラーノのダニ・レケナといった選手たちが順次フィットしていくことで、フィジカル一辺倒ではない、新生レバンテの新たなポゼッションスタイルをピッチ上に表現するための準備が進められています。(via Estadio Deportivo)
【本日の総括】
開幕戦でエスパニョールに3-0で完敗し、ピッチ上での実力差を突きつけられたレバンテ。しかしその直後、主軸のケルヴィン・アリアガをAEKアテネへ500万ユーロで売却したことで、未登録選手たちのサラリーキャップ上限を解除するための劇的な資金調達に成功しました。15歳のマーク・サントスという史上稀に見る才能の出現とともに、チームはアリアガの「フィジカル」から若手たちの「技術と創造性」へと中盤のスタイルをシフトさせ、再建へ向けた新たな一歩を踏み出そうとしています。
