オリンピック・マルセイユ戦で今夏初黒星

アスレティック・ビルバオはプレシーズン7試合目となる親善試合で、フランスの強豪オリンピック・マルセイユとアウェイのヴェロドロームで対戦し、1-3で敗れました。今夏のプレシーズンではこれまで6試合を戦い、エイバルと1-1で引き分けた以外はすべて勝利し、失点もその1点のみというほぼ完璧な成績を維持していましたが、ここで初めての黒星を喫することとなりました。

試合は立ち上がりからホームのマルセイユが激しいプレッシングと勢いを持って主導権を握り、アスレティックは後手に回りました。前半10分、アスレティックは自陣でのパスミス(サンセトがボールに届かないパス)からボールを奪われ、マルセイユのゴメスに枠の隅を突いたシュートを決められて先制を許します。その後もマルセイユの猛攻を受け、GKアディル・パディーヤが幾度もセーブを見せて追加点を防ぎました。特にパイシャオンの強力なシュートをライン上でクリアする決定的な場面もありました。

アスレティックも給水タイムとテルジッチ監督の指示を経て徐々に試合を落ち着かせ、ボールを保持する時間を作ります。そして前半34分、フゴ・リンコンとゴルカ・グルセタの連係から右サイドを崩し、イニャキ・ウィリアムズがシュートを放ちます。これを相手GKデ・ランヘが弾いたところに、素早く反応したオイアン・サンセトが押し込んで同点に追いつきました。しかし前半41分、ペナルティエリアの角付近からパイシャオンに鋭いシュートを放たれ、パディーヤの手をすり抜けてゴールネットを揺らされ、再び1-2とリードを許します。パディーヤにとっては、もう少し防ぎようがあったかもしれない失点となりました。

後半に入ると試合のペースが落ち、アスレティックは攻勢を強めようとするものの、アタッキングサードでの決定力や創造性に欠け、なかなか決定機を作れませんでした。テルジッチ監督は後半20分過ぎから一気に交代カードを切り、アレソ、ヨハネコ、ガラレタ、ベレンゲル、マロアン、さらにはジャロ、レゴ、ヘレンバレンナ、セルトンらを次々にピッチに送り出しました。フレッシュな選手たちがピッチに入り、マロアンのヘディングシュートなどわずかな兆しは見せたものの、全体的に個人の精度の低さが目立ちました。逆に後半86分、マルセイユの交代選手M'Madiに個人の打開から中央へと切れ込まれて3点目の決定打を決められ、パディーヤが辛うじて触ったものの軌道を外せず、1-3で試合は決着しました。

この試合でグルセタ(17分)、パレデス(43分)、ユーリ(55分)にそれぞれイエローカードが提示されています。(via Mundo Deportivo, MARCA, Estadio Deportivo, SPORT)

エディン・テルジッチ新監督による厳格な試合分析

アスレティックを率いるエディン・テルジッチ監督は、今夏初めての敗戦となったオリンピック・マルセイユ戦の後、英語で試合の総括を行いました。

テルジッチ監督は前半のパフォーマンスを厳しく指摘し、次のように語りました。『非常に困難な試合でしたが、私たちにとっては極めて重要な一戦でもありました。前半の立ち上がりはうまく入ることができず、チームのセンターを適切に閉じることができませんでした。失点シーンを含めて、ピッチの中央付近で非常に多くのボールをロストしてしまいました』

さらに続けて、勝負の厳しさについて言及しました。『マルセイユのようなクオリティの高いライバルを相手にして、自分たちの本来のプレーができなければ、最終的に手痛いお仕置きを受けることになります。なんとか同点ゴールを決めることができたものの、その直後に再び2点目を許してしまったのも大きな反省点です』

一方で、後半の選手たちの守備的な対応やリアクションについては一定の評価を与えています。『後半に見せた選手たちの反応には満足しています。対戦相手の動きに対してうまく適応し、守備時のギャップをしっかりと埋め、相手をピッチの外側へと追いやることができていました。チームとして団結し、連動して動けているときは非常に良いプレーが表現できていました。逆に、組織としての連動を欠いたときに何が起こるかという教訓を学べたことも、今回の収穫です』

テルジッチ監督はプレシーズン期間中の試合後、勝利したゲームであっても選手たちの小さなミスや改善点をメディアの前で明確に指摘することを好んでおり、その高い要求水準は一貫しています。(via Mundo Deportivo, Estadio Deportivo)

バルベルデ体制からテルジッチ新体制への変革

アスレティック・ビルバオは、過去4シーズンにわたりチームを率いてコパ・デル・レイ優勝を果たし、2025/26シーズンにチャンピオンズリーグ出場権を獲得するという偉業を成し遂げたエルネスト・バルベルデ前監督との決別を選びました。この決断に伴い、サポーターの間には一時的な不安や不透明感が漂いましたが、クラブは後任としてドイツ人のエディン・テルジッチ監督を招聘しました。

テルジッチ監督は2023/24シーズンにボルシア・ドルトムントを率いてチャンピオンズリーグ決勝まで進出した実績を持ち、その後2年間は現場から離れてフリーとなっていました。ビルバオに到着して以来、彼はドイツ時代とは異なるプレシーズンのアプローチを採用しています。海外ツアーなどの長期遠征は行わず、クラブの練習拠点であるレザマの周辺に留まって地元中心の調整を重ねています。これによってクラブ独自のアイデンティティや哲学に自らを深く馴染ませており、カメラの前では常に笑顔で自信に満ちた姿を見せています。

新監督の戦術的なアプローチは少しずつチームに浸透しつつあります。バルサやレアル・マドリードのように強力なライバルが待つ新シーズンにおいて、テルジッチ監督の戦術システムが対戦相手にまだ十分に分析されていない点はアスレティックにとって大きなアドバンテージとなり得ます。サン・マメスのサポーター、現役選手、そしてテルジッチ監督が完璧な形で融合すれば、10ヶ月後には欧州カップ戦への復帰、あるいは再びコパ・デル・レイのタイトルに手をかけるという輝かしい未来が実現する可能性を十分に秘めています。(via Estadio Deportivo)

ワールドカップ覇者3名の合流予定とラポルテを巡る契約解除金の大きな矛盾

アスレティックのプレシーズンにとって非常に大きな強化パーツとなる3名のワールドカップ王者が、8月10日にバカンスを終えてトレーニングに合流する予定です。その3名とは、今夏のワールドカップ2026でスペイン代表として優勝を成し遂げた守護神ウナイ・シモン、センターバックのアイメリク・ラポルテ、およびウイングのニコ・ウィリアムズです。クラブはこの3人の中心選手をすべて引き留める姿勢を強めており、それが実現すれば今シーズンのアスレティックはあらゆるトップシーンで十分に競争できる強力なスカッドを構築することになります。

しかし、その中でディフェンスの要であるラポルテを巡り、移籍市場では相反する2つの情報が飛び交い、矛盾が生じています。バルセロナがロナルド・アラウホのリヴァプールへの期限付き移籍(発表間近とされる)に伴う代役としてラポルテの獲得に本腰を入れている中、アスレティック側はバルセロナに対してラポルテの移籍金を8000万ユーロと通知したとされています。ラポルテとアスレティックの契約は2028年6月まで残っているため、獲得にはタフなクラブ間交渉が必須とみられていました。

その一方で、移籍市場の専門ジャーナリストであるジェラール・ロメロ氏の報道によると、ラポルテ自身がバルセロナ側に直接連絡を取った際、自身の契約解除金はメディアが報じているような高額なものではなく、実際にはわずか1250万ユーロであると伝えたとされています。この情報が明るみに出た後、地元メディアやクラブに近い情報筋は火消しに走り、実際の解除金は7000万ユーロから8000万ユーロであると一斉に主張し始めました。ロメロ氏は、この解除金条項が契約書に正式に明記されているか否かは別として、選手本人は1250万ユーロを支払うクラブが現れれば自分は退団できると非常に強く認識していると説明しており、バルセロナとの間で具体的な交渉が進む可能性があります。かつて2024年の夏にバルセロナがニコ・ウィリアムズの獲得を画策した際、アスレティックのフロントは強硬な態度で交渉をブロックして残留を勝ち取った経緯があり、今回も同様の激しい駆け引きが予想されます。(via Estadio Deportivo, MARCA)

選手登録・移籍市場の動向と主力陣の離脱状況

アスレティック・ビルバオのチーム内では、移籍市場の終盤に向けた人員整理と、負傷などによる離脱者の状況が明らかになっています。

マルセイユ遠征において、昨シーズンからのレンタルバック組であるDFフゴ・リンコンとMFカナレスの2名が先発メンバーに抜擢されました。リンコンは負傷から回復して右サイドバックに入り、カナレスはハウルレギサールとダブルボランチを形成してピッチ上でテストされました。

一方で、複数の主力や若手選手が遠征に帯同しませんでした。まず、DFダニ・ビビアンとDFウナイ・エギルスの2名は物理的なコンディションの不良によりビルバオに残留しました。さらに、GKフレン・アギレサバラ、MFウナイ・ベンセドール、およびDFアンドニ・ゴロサベルの3名はチームからの退団交渉が最終段階に達しているため、今回の遠征メンバーから除外されました。特にGKアギレサバラに関しては、ラシン・サンタンデールへの移籍合意が極めて間近に迫っているとされています。(via Mundo Deportivo, Estadio Deportivo)

プレシーズン最終盤の日程と公式戦開幕へのカウントダウン

アスレティック・ビルバオは、オリンピック・マルセイユ戦を終えてプレシーズンも残り2試合を残すのみとなりました。過酷な調整段階を経て、チームはここから最終的な実戦調整に入ります。

チームの次戦は、8月14日の金曜日、20:45からイタリアのスタディオ・ディ・ベルガモにてアタランタとの親善試合が行われます。さらにその翌週となる 8月21日の金曜日、19:30からはレアル・サラゴサとのプレシーズン最後のテストマッチが予定されています。これらすべてのプレシーズンマッチを消化した後、チームはついにラ・リーガの公式戦開幕を迎えます。

2026/27シーズンのラ・リーガ開幕戦は、8月22日の土曜日、17:00から本拠地サン・マメスにセビージャ(ルイス・ガルシア・プラサ監督が率いる歴史あるライバル)を迎えて行われます。新指揮官エディン・テルジッチ率いる新生アスレティックの真価が、この開幕戦から試されることになります。(via SPORT, Estadio Deportivo)

【本日の総括】

アスレティック・ビルバオはマルセイユ戦で今夏初めての黒星(1-3)を喫し、新指揮官テルジッチのもとでの組織的な守備再構築に向けた重要な課題を突きつけられました。しかし、8月10日にはウナイ・シモン、ラポルテ、ニコ・ウィリアムズという3人の世界王者がバカンスから復帰する予定であり、ラポルテのバルセロナ移籍をめぐる契約解除金の矛盾報道が飛び交う中でも、チームは公式戦初戦のセビージャ戦に向けて着実に準備を進めています。