アンセルミ新体制の戦術構築とポゼッションサッカーの革新
エデル・サラビア前監督からマルチ・アンセルミ監督への交代は、クラブに小さくない戦術的変化をもたらしつつあります。エルチェのスポーツディレクションと経営陣は、近年のチームの成功を支えてきたポゼッションスタイルを引き続き維持する方針を決定しました。しかし、アンセルミ監督は前プレスの強度を高め、守備ラインの配置を調整するなど、独自の革新的な要素をチームに植え付けようとしています。
その中で、中盤の構成がチームの最大の鍵となります。今季もボール保持は絶対的な規律として位置づけられており、プレシーズン5試合で見られたように、今季は2名のゲームメーカーがビルドアップを担当します。この役割を担うのはマルク・アグアド、ハビ・モルシージョ、そして完全移籍に移行したゴンサロ・ビジャールです。昨季、アグアドは1部リーグ全体の中でも極めて信頼性の高いピボットとして急成長を遂げており、ビジャールも昨季終盤に圧倒的な存在感を見せたことがクラブによる完全獲得への投資を後押ししました。
さらに、前線のすぐ下のエリアでは、2名のトップ下を配置するシステムをアンセルミ監督は採用しています。これによりルーカス・セペダ、ディアン、そして新たに背番号10を託されたファクンド・ブオナノッテが毎週ピッチの主役として起用される見込みです。セペダとディアンはプレシーズンで高いモチベーションを見せており、怪我さえなければ多くの出場時間を得る自信をみなぎらせています。ブオナノッテには、観客を魅了する大胆な突破力と攻撃のクオリティが強く期待されています。この中盤には、マルチな才能を持つマルティム・ネトと、下部組織出身のアリ・ワリも加わります。ネトは昨季序盤に輝きを放ったものの後半に徐々に出場機会を失いましたが、そのポテンシャルは折り紙付きです。一方のアリ・ワリは、プレシーズンで全くミスを恐れない素晴らしいパフォーマンスを披露。ミランデスへの武者修行での成長が高く評価され、アンセルミ監督の計画に完全に組み込まれています。
さらに最大の発見とされているのが、本来はミッドフィールダーであるアルゼンチン人のフェデ・レモンドのセンターバックへのコンバートです。レモンドは守備ラインでのビルドアップの要として信じられないほど素晴らしいパフォーマンスを見せており、チームにとっての宝物となっています。ポゼッションという基本軸は共通しつつも、アンセルミ監督の施す細部に宿る戦術こそが、今季の最大の魅力となるでしょう。(via SPORT)