オビエド戦快勝も無念の2部降格 残留の奇跡は起こらず
ラ・リーガ最終節、RCDマジョルカはホームのソン・モイシュでレアル・オビエドを3-0で下したものの、他会場の結果により来季のセグンダ・ディビシオン(2部)降格が決定した。残留の可能性は試合前時点でわずか4パーセントと絶望的な状況だった。試合は前半42分にパブロ・マフェオの右からのクロスをパブロ・トーレが合わせて先制。後半に入り、給水タイムにはマルティン・デミチェリス監督が『他会場であと1ゴール入れば状況が変わる』と選手たちを鼓舞した。その後、53分にはオマール・マスカレルがサンティ・カソルラとの偶発的な接触で負傷し、涙を流しながらアントニオ・ライージョと交代するアクシデントがあった。終盤の83分にマヌ・モルラネス、88分にはヴェダト・ムリキが立て続けにゴールを奪い3-0とした。通常であれば残留ラインと言われる勝ち点42に到達し、レバンテやオサスナと同勝ち点で並んだものの、総合得失点差でオサスナを下回り、ジローナとともに2部へ降格することとなった。(via SPORT / MARCA / Mundo Deportivo / Estadio Deportivo)
悲痛なソン・モイシュ 涙する選手たちとフロントへの怒り
降格が現実となったソン・モイシュは、深い悲しみと怒りに包まれた。試合終了の笛が鳴ると、レオ・ロマンやアブドン・プラッツは涙をこらえきれず、パブロ・トーレはスタンドに向かって何度も謝罪のジェスチャーを繰り返した。マルティン・ヴァリエント、アントニオ・ライージョ、トニ・ラトらの顔には諦めと抑え殺した怒り、喪失感が浮かんでいた。スタンドのファンは、最後まで戦った選手たちに称賛の拍手を送る一方で、フロント陣には激しい怒りをぶつけた。アンディ・コールバーグ会長とパブロ・オルテルスSDに対してはハンカチが振られ、『辞任しろ』というコールや『傭兵ども』『このシャツを着る資格はない』といった厳しい野次が飛んだ。ファンからは『泣きたいけれど、このエンブレムを愛しているからカテゴリーは関係ない。来年も戻ってくる』という熱い声があがる一方で、『スポーツ面のプランニングが悪く、ユースの選手に重圧を負わせすぎた』『重要な局面で勝ち点を落とした責任は選手にもあるが、何よりも補強を怠ったフロントの責任だ』といった辛辣な意見が相次いだ。(via SPORT / ElDesmarque / Mundo Deportivo)
クラブ首脳陣が謝罪と責任を痛感 デミチェリス監督の去就にも言及
降格の決定を受け、アルフォンソ・ディアスCEOとパブロ・オルテルスSDが急遽記者会見を開き、ファンへ謝罪した。ディアスCEOは『起きたこと、そして降格についてお詫びしたい。降格したということは、私たちが物事をうまくやらなかったということだ。自己批判をしなければならない』と責任を認めた。一方で、クラブの経営基盤については『5年前よりもずっと強く、準備ができている』と強調し、降格に伴う主力選手の安売りや経済的危機の可能性については明確に否定した。オルテルスSDは『スポーツ部門の最高責任者として、すべての責任は私にある』と語り、ファンに責任を転嫁する考えがないことを強調した。来季の編成については『カテゴリーが変われば選手も変わる。残る選手もいれば去る選手もいるだろう。私たちがすべきことは、1部リーグに戻るための投資と挑戦を続けることだ』と述べた。また、2月下旬に就任したマルティン・デミチェリス監督を来季も続投させるアイデアを好ましく思っていることも明かした。(via ElDesmarque)
セルジ・ダルデルの涙の自己批判 痛恨の敗戦を悔やむ
試合後、DAZNのインタビューに応じたセルジ・ダルデルは、目に見えてショックを受けた様子で涙ながらに自己批判を展開した。ダルデルは『広報、用具係、理学療法士、厨房スタッフなど、私たちが夢のような生活を送れるようにしてくれているすべての人たちに申し訳ない』とクラブスタッフへの謝罪から口を開いた。降格の要因について『自らの実力不足により、カテゴリーを維持することができなかった。私たちは前半戦で悲惨な戦いをしてしまった』と厳しい言葉を並べ、特にアラベス戦での敗北と直近のレバンテ戦での取りこぼしがシーズンを決定づけたと悔やんだ。また『たった1ゴールの得失点差で残留が決まったことは本当に悔しいが、それが現実だ。通常なら42ポイントあれば残留できるのに、受け入れるのは難しい』と無念さをにじませた。それでも最後まで戦ったチームメイトを誇りに思うと語り、ファンに向けては『このエンブレムはとても偉大なので、来年は1部にはいないが、2年後には間違いなく戻っていると確信している。ただ、昇格するために持っているもの全てを捧げると言うだけだ』と1部復帰への決意を誓った。(via ElDesmarque)
浅野拓磨のパフォーマンス詳細 スタメン抜擢も決定機を逃し厳しい評価に
日本人FWの浅野拓磨は、ヤン・ヴィルジリやジト・ルヴンボを抑えてオビエド戦のスタメンに抜擢された。試合前半は非常に活発に動き回り、前線で積極的な姿勢を見せた。特に、サム・コスタのパスからペナルティエリア内で決定的なチャンスを迎えたが、低く強いシュートはファーポストの外へと大きく外れてしまい、ゴールネットを揺らすことはできなかった。後半に入り61分にヤン・ヴィルジリと交代してピッチを退いた。現地メディアの採点では10点満点中5.5点という厳しい評価が下された。寸評では『前半は活発で明確な得点機もあったが、今シーズンの不安定さがこの試合でも露呈してしまった。彼にはもっと多くのことが期待されていた』と、シーズンを通した期待値に届かなかったことが指摘されている。試合終了後、ピッチ上で降格の現実を突きつけられた浅野の顔には、諦めと抑え殺した怒り、そして喪失感が浮かんでいた。(via ElDesmarque / MARCA)
ヴェダト・ムリキの記録と移籍の噂 23ゴールも得点王逃す
エースのヴェダト・ムリキは今季36試合に出場して23ゴールを挙げるという、自身のキャリアでも最高かつ歴史的なシーズンを過ごした。クラブの1部リーグ歴代最多得点者としてサミュエル・エトーの記録を塗り替える偉業を成し遂げたが、得点王(ピチチ賞)争いではキリアン・エムバペの25ゴールに及ばず2位に終わった。オビエド戦でも88分にダメ押しの3点目を決めたが、他会場の結果を知っていたためゴールを喜ぶことはなかった。チームが降格し、コソボ代表としてもW杯出場権を逃すという、個人の大活躍とは裏腹に最も奇妙で残酷なシーズンとなった。過去に1部リーグで20ゴール以上を挙げながらチームが降格した例は、キニ(75-76シーズン、21点)やジミー・フロイド・ハッセルバインク(99-00シーズン、24点)などに次ぐ歴史的なケースとなる。ムリキはマジョルカ島での生活に満足しているものの、1部から降格したことで今夏の移籍は避けられない情勢となっている。契約は2029年まで残っており、現在の市場価値は450万ユーロとされている。すでにガラタサライやフェネルバフチェといったトルコの強豪クラブから、経済的に断りきれない高額オファーが届いているという情報がある。また、スペイン国内でもチャンピオンズリーグ出場クラブがプランB、あるいはプランAとして獲得に関心を示しているとの噂が絶えない。(via Mundo Deportivo / MARCA / Estadio Deportivo / ElDesmarque / SPORT)
クラブ崩壊を招いた1年半のピッチ外トラブルと内紛
マジョルカの降格は、約1年半前からのスポーツ面でのミス、制度の疲弊、ファンとの亀裂、そして数々のピッチ外のトラブルが複雑に絡み合った結果だった。約1年半前にコパ・デル・レイで準優勝しスーペルコパ出場権を獲得した栄光から一転、2025年1月には3部相当のポンテベドラにコパ・デル・レイで大敗。さらにサウジアラビアで開催されたスーペルコパでは、ダニ・ロドリゲスやドミニク・グレイフの家族が現地で痴漢や暴言、無断撮影などの被害に遭う重大な事件が発生した。これに対するクラブの対応の弱さがファンや州政府からの激しい批判を招いた。同1月にはトルコのクラブへの連帯貢献金5万ユーロの未払いが原因で、FIFAから3回の移籍市場での補強禁止処分を受けるという失態も演じた。さらに、前キャプテンのダニ・ロドリゲスが、家族が観戦に来ていたベルナベウでの試合で起用されなかったことに対し、ハゴバ・アラサテ前監督とクラブを公然と批判。これにより10日間の停職処分とキャプテンマークの永久剥奪を受け、最終的に1月に契約解除となる内紛にまで発展した。アウェーからの帰路でヨハン・モヒカが怒るファンと車から降りて激しく口論する事件や、クラブが過激派グループを支援したとして暴力対策国家委員会から複数回の罰金処分を提案されるなど、クラブのイメージと安定感は完全に崩壊していた。2月の監督交代劇や、デミチェリス監督とクンブラの公開口論など、最後までチームはまとまることができなかった。(via SPORT)
今夏の移籍市場の動向 主力選手の流出危機
2部降格に伴い、マジョルカは今夏の移籍市場で多くの主力選手を手放す可能性が高い。得点源のムリキに加え、中盤の要として評価を急上昇させたサム・コスタも流出が確実視されている。サム・コスタは2028年6月までの長期契約を結んでいるものの、2部リーグでプレーを続けることは考えにくく、ソン・モイシュを去ることになるだろう。他にも、今季ブレイクした若手アタッカーのヤン・ヴィルジリ、守護神のレオ・ロマン、そしてパブロ・トーレといった才能ある選手たちが、他クラブから熱い視線を浴びており、今夏の移籍市場で大きな注目を集めるプロファイルとなっている。クラブ首脳陣は安売りを否定しているものの、カテゴリー降格による大幅なスカッドの再編と世代交代は避けられない状況だ。(via ElDesmarque)
オビエド戦の選手採点 パブロ・トーレとムリキが最高評価
現地メディアによるオビエド戦の採点(10点満点)では、先制点となる見事なゴールを決め、攻撃の起点として常に挑戦し続けたパブロ・トーレと、前線で圧倒的な存在感を示しダメ押しのゴールを決めたヴェダト・ムリキが、ともにチーム最高の8点という高評価を獲得した。試合を決定づける2点目を奪ったマヌ・モルラネスも7.5点と高く評価された。守備陣では、堅牢な守備を見せたマルティン・ヴァリエントが6.5点、パブロ・マフェオ、オマール・マスカレル、トニ・ラト、レオ・ロマンがそれぞれ6点と安定した評価を受けた。一方で、中盤でボールを失う場面があったセルジ・ダルデルやサム・コスタは6点、決定機を逃した浅野拓磨は5.5点、アントニオ・ライージョとアントニオ・サンチェスは5点とやや厳しい評価に留まった。(via ElDesmarque)
【本日の総括】
オビエドに3-0で快勝したものの、他会場の結果により無念の2部降格が決定したRCDマジョルカ。浅野拓磨の決定機逸やムリキの得点王を逃す悲劇に加え、過去1年半のフロントの失態や内紛が招いた崩壊の代償はあまりにも大きく、今夏は主力の大規模な流出と再建という険しい道が待ち受けています。