セビージャ戦の劇的敗北
🦇 ビジャレアルは本拠地エスタディオ・デ・ラ・セラミカで残留を懸けるセビージャと対戦し、前半早々に2点をリードしながらも、2-3で逆転負けを喫しました。来季のチャンピオンズリーグ出場権をすでに獲得しているビジャレアルは、アトレティコ・マドリードとの勝ち点差を守り、3位を確定させるために勝利を目指して非常に強力な先発メンバーを送り出しました。パルマでのマジョルカ戦から連続して先発したのはGKアルナウ・テナスとレナト・ヴェイガのみという顔ぶれでしたが、序盤は圧倒的な強さを見せつけました。
前半13分、ダニ・パレホからの縦パスを受けたアルベルト・モレイロが展開し、ジョルジュ・ミカウタゼのパスを受けたジェラール・モレノがペナルティエリア手前で相手ディフェンダー2人を翻弄。ゴール隅へ柔らかく正確なシュートを沈めて先制しました。スペイン代表のワールドカップ予備登録メンバーから外れたことが不思議なほどの見事なゴールでした。さらに前半20分には、左サイドからの流れるようなパスワークから、角度のないところでボールを持ったモレイロがふわりと浮かせたアシストを送り、ファーサイドでフリーになっていたミカウタゼが押し込んであっという間にリードを2点に広げました。大勝の予感すら漂う圧倒的な最初の20分間でした。
しかし、ここからビジャレアルはまるでシエスタ(昼寝)に入ったかのように急激にペースを落とします。前半35分、セビージャのオソに左サイドを突破され、アレックス・フリーマンとパウ・ナバーロがかわされて失点。さらに前半アディショナルタイムには、相手の右サイドからのクロスに対して守備陣のマークが完全に外れ、アルナウ・テナスが足を滑らせた不運も重なってキケ・サラスに同点ボレーを叩き込まれました。
後半に入ってもビジャレアルは主導権を取り戻す気迫に欠け、マルセリーノ監督はトーマス・パーティやタジョン・ブキャナンらを投入して打開を図りましたが、逆に後半27分、アルフォンソ・ペドラサのパスミスから相手にボールを奪われ、アコル・アダムスにニアポストのトップコーナーを撃ち抜かれる強烈な逆転ゴールを許してしまいます。セオリーではGKテナスが防ぐべきコースでしたが、シュートの勢いが上回りました。試合終盤にはパウ・ナバーロの強烈なシュートがゴールライン上で相手ディフェンダーにクリアされるなど猛攻を見せましたが、追いつくことはできず、17,325人の観衆が集まったホームで手痛い逆転負けとなりました。(via Estadio Deportivo)
マルセリーノ監督の苦言
🎙️ 試合後、マルセリーノ・ガルシア・トラル監督は敗戦の言い訳を一切せず、チームの後半の戦いぶりについて厳しい自己批判を行いました。監督は試合を振り返り、『前半の終盤において、我々にはリズム、インテンシティ、そしてプレーが欠けており、完全に集中が切れてしまっていました。なぜあのようなことが起きたのか、説明するのは非常に困難です。試合の入りは素晴らしく、チャンスを作り、フィニッシュの精度も高かったのです。しかしその後、我々は自ら立ち止まってしまい、相手にプレーを容易にさせ、ボールを失い、ポジショニングとインテンシティを喪失してしまいました。セビージャは我々を上回っており、彼らこそがこの試合の正当な勝者であると祝福しなければなりません』と語り、相手を称えました。
また、逆転を許した後半の戦いについては、『最初の30分間に見せたレベルを取り戻せば試合に勝てるチャンスがあること、そして前半の最後の15分間のようなプレーを続ければ負けることはハッキリしていました。しかし、我々はそのダイナミクスを変えることができませんでした。後半は相手もそれほど多くのチャンスを作ったわけではありませんでしたが、彼らは確実にゴールを決めました。我々のボールロストは防げるものばかりで、本当に良くない状態であり、この試合の最後の1時間は今シーズンで最も悪い時間帯の一つでした』と反省を口にしました。
一部の選手に向けられたファンからの口笛やブーイングについては、『ブーイングがあったのなら、それに耐えなければなりません。我々は拍手をもらうのが好きなのですから、ブーイングも尊重するべきです。観客は今日、そのように判断したのです。教訓は明確で、最初の30分間のようなプレーを60分間続けていれば、彼らは間違いなく拍手をしてくれたはずです。プロとしてこれを受け入れ、状況を覆すメンタリティを持たなければなりません。チームが迷路に入り込んでしまったのは残念ですが、責任は我々にあります』と真摯に受け止めています。
一方で、すでにチャンピオンズリーグ出場権を獲得しているチームの精神的な状況にも一定の理解を示し、『シーズンの疲労が蓄積しており、主要な目標はすでに達成されていますから、無意識のうちにリラックスしてしまった部分は理解できます。3位という順位は我々の希望ですが、逆境に立たされた時に反撃するパンチ力が足りませんでした。インターナショナルな選手も多く、ワールドカップを控えて怪我を恐れる心理が二重の思考として働いたことも事実でしょう。しかし、私にとってすべての試合は等しく重要であり、今日の前半30分のような素晴らしいプレーをもっと長く続けたかったというのが本音です』と締めくくりました。(via SPORT)
出場選手パフォーマンス
📊 この試合のビジャレアルの各選手のパフォーマンスは、前半の輝きと後半の失速がくっきりと分かれる結果となりました。
ゴールキーパーのアルナウ・テナスは3失点を喫し、ビルドアップには積極的に参加したものの、防げる失点もあったため厳しい評価となりました。最終ラインでは、若手のアレックス・フリーマンがビルドアップでの致命的なミスや相手アタッカーへの対応で苦戦し、彼にとって最高の1日とはなりませんでした。レナト・ヴェイガも試合終盤のカウンター阻止でイエローカードを受け、次戦出場停止となってしまいました。アルフォンソ・ペドラサは守備で後手に回り、ペナルティエリア内で危ういファウルを犯しかけるなど不安定なプレーが目立ちました。唯一、パウ・ナバーロは最終盤に同点ゴールになり得る惜しいシュートを放つなど奮闘を見せました。
中盤では、ダニ・パレホがチームの羅針盤として機能し、先制点の起点となるなど存在感を示し、守備のサポートにも奔走していましたが、後半25分に交代で退きました。パペ・ゲイェは前半に際どいシュートを放ちましたが、全体的な精度の面では今ひとつでした。攻撃陣では、アルベルト・モレイロが素晴らしいアシストを見せるなど随所で天才的なひらめきを披露したものの、チームの失速とともに消えていきました。ニコラ・ペペはボールを持つと派手で脅威を感じさせましたが、決定的な仕事はできず相手守備陣に封じ込められました。
最も高く評価されたのは前線の2人です。ジェラール・モレノは圧巻の個人技から先制ゴールを挙げ、年齢を重ねても色褪せない決定力とクオリティの高さを改めて証明しました。ジョルジュ・ミカウタゼも1ゴール1アシストと結果を残し、疲労困憊になるまでピッチで最も重要な選手の一人として働き続けました。
一方で途中出場の選手たちは試合の流れを変えることができませんでした。タジョン・ブキャナンは見せ場を作れず、アジョセ・ペレスは背後からのタックルでイエローカードを受けるなど空回り。サンティ・コメサーニャもチームを蘇らせるには至りませんでした。最も厳しかったのはアトレティコ・マドリードから加入しているトーマス・パーティで、おそらくパスを1本も成功させられないほどの不調に陥り、ミスから3失点目の起点となってしまったことで、普段は温かいラ・セラミカのファンからも容赦ないブーイングを浴びる結果となりました。(via ElDesmarque)
順位とホームでのスタッツ
🏟️ この敗戦により、ビジャレアルは今シーズンのホームゲームで3度目の黒敗を喫することになりました。エスタディオ・デ・ラ・セラミカではこれまで17試合を戦い、14勝1分(レアル・ベティス戦の2-2)と圧倒的な強さを誇っていましたが、バルセロナ、レアル・マドリードに続き、セビージャがこの要塞を陥落させた3チーム目となりました。ホームでの獲得勝ち点43は、首位バルセロナの54には及ばないものの、レアル・マドリードやアトレティコ・マドリードと並ぶリーグ屈指の素晴らしい成績です。
順位表においては、ビジャレアルは現在3位をキープしていますが、すぐ後ろには勝ち点3差でアトレティコ・マドリードが迫っています。アトレティコがオサスナに勝利すれば勝ち点で並ばれる可能性があり、ビジャレアルにとっての3位確保は、最終節にホームで行われるアトレティコ・マドリードとの直接対決に委ねられることになります。18シーズンぶりとなるリーグ戦3位フィニッシュ(銅メダル)という名誉を懸けて、マルセリーノ監督のチームは最後の試練に臨みます。(via MARCA)
【本日の総括】
圧倒的な強さを見せた前半20分から一転、ホームでセビージャに痛恨の逆転負け。CL権確保の安心感からか後半は完全に失速し、一部選手にはファンからのブーイングも飛ぶほろ苦い一戦となりました。しかし、18年ぶりの3位フィニッシュという目標はまだ自力で達成可能です。最終節のアトレティコ・マドリードとの直接対決で、ラ・セラミカの要塞の誇りを取り戻す戦いが期待されます。






