アル・アラビ撃破で掴んだ初勝利とプレシーズンの光と影

チームはカタールのアル・アラビSCを相手に4-2と快勝を収め、プレシーズンにおける待望の初白星を手にしました。これまでのレスター戦(3-3)やアル・イティハド戦(2-2)での連続引き分けから一転、フィジカル面でもゲームクオリティでも格段の進歩を証明しました。

試合の火蓋を切ったのは前半20分(19分)、アイルランド人MFアーロン・オチョアが、デビッド・ラルービアとカルロス・プガの鮮やかな連動からパスを受け、ペナルティエリア手前(フロントライン)から見事なコントロールシュートをゴール左上の角に突き刺す先制弾を沈めました。前半終了間際にアル・アラビのパブロ・サラビアに同点弾を許したものの、後半早々の54分、ダニ・サンチェスがホアキンを追い越す鋭いオーバーラップからグラインダーのクロスを送り、これをアドリアン・ニーニョがしっかりと無人のゴールに流し込んで2-1と再びリード。ニーニョはその数分前にプガからの完璧なクロスを合わせ損ねる決定機を外していましたが、すぐに汚名返上を果たしました。

さらに63分には、途中出場したばかりのエネコ・ハウレギがラルービアの完璧なロビングクロスからヘディングシュートを決めて3-1。その後に1点を返されましたが、77分に自ら仕掛けたラフィタが倒されて得たPKをハウレギが冷静に沈めて自身の2点目をマークし、4-2での勝利を決定づけました。

しかし、親善試合とは思えないほど非常に熱を帯びた、激しいいさかいが発生した一戦でもありました。前半にマラガが先制した直後、アル・アラビの監督コズミン・コントラが執拗な判定への不満をぶつけ、主審から一発退場を宣告されてベンチは一時荒れました。さらに後半にはマハジネとホアキン・ムニョスのいさかいから両チームが入り乱れる大乱闘が発生。主審は後半アディショナルタイムを一切取らずに試合を即座に終了させ、事態を収拾しました。

この勝利は攻撃力の高さをアピールした一方、プレシーズン3試合で計7失点という守備陣の脆さという明確な宿題を浮き彫りにしています。(via MARCA) (via AS) (via SPORT) (via Estadio Deportivo)

指揮官が構想する1部残留への「理想のスタメン」と戦術

ファン・フラン・フネス監督は、ラ・リーガ1部(EAスポーツ)の舞台で生き残るため、昨季の昇格を勝ち取った中核を基礎に据え、適切な補強を組み合わせた4-3-3のフォーメーションを理想的なチーム骨格として構築しています。

ゴールマウスを守るのは、チームの精神的支柱であり絶対的守護神であるアルフォンソ・エレーロ。ディフェンスラインは、右サイドバックにプガ、左にエスパニョールから加わったホセ・サリナス(ラフィタと激しい競争を展開中)、そしてセンターバックにはエイナル・ガリレアと、今夏完全移籍で加入したフェルナンド・カレロをコンビとして配置する構想です。さらにディフェンスの厚みを増すため、セルタのカルロス・ドミンゲスや、現在はフリーエージェントとなっている元ヘタフェのディエゴ・リコの動向をフロントは執拗に追っています。

中盤の3センターは、アンカー(ピボット)に若き才能イザン・メリノを据え、インサイドハーフにはダニ・ロレンソと、セルタから加わったカルロス・ドトールを配置するプラン。ここには、怪我から戻ったラモン・エンリケスもポジション争いに絡んできます。また、中盤の強度を極限まで高めるべく、ヘタフェのイバン・ネユーへの獲得打診も進められています。

前線3枚は、右ウイングに昨季から圧倒的な存在感を見せているエースのラルービア、左ウイングにはホアキン・ムニョスと、レガネスから合流したフアン・クルスがしのぎを削り、中央の1トップ(9番)にはBチームでの得点量産を経て昇格への切符を手にしたCarlos Ruiz 'Chupete'が、すべての得点の重責を担う大役として君臨する見込みです。(via ElDesmarque)

新戦力の適応と補強の命運を握る「放出オペレーション」の停滞

フネス監督は、今夏の移籍プロセスにおいて、チーム全体の底上げを図るため、新加入のカレロ、フアン・クルス、サリナスの新戦力トリオに実戦での機会を多く与え、チームへの適応に確かな手応えを感じています。実際に、アル・アラビ戦の後半70分の給水タイム直後にはサリナスやカレロを一斉にピッチに投入し、流麗なゲームメイクに成功しました。

しかしその一方で、市場閉幕までにチームがさらなる獲得を成功させるためには、絶対にクリアしなければならない「放出オペレーション」という名の大きな課題に直面しています。

カルロス・ドトールをはじめとする主要ターゲットたちの契約手続きを完了させるためのサラリーキャップ( Fair Play )枠を空けるには、余剰人員の早急な整理と、それによって生み出される資金(キャッシュ)が必要です。しかし、この選手整理の動きがいまだ停滞していることから、技術部門は限られた時間の中で厳しい判断とスピーディーな手腕を求められています。(via Estadio Deportivo)

アトレティコとの1部開幕戦へのロードマップと過酷な連戦日程

1部への挑戦を間近に控えたマラガCFは、実質48時間以内に2試合という過酷極まりない「真実の1週間」に突入しています。

アル・アラビSCを破った翌日、金曜日19:00からはセウタのスタジアムでADセウタFCと対戦する「セウタ市トロフィー(Trofeo Ciudad de Ceuta)」が控えています。その後、プレシーズン最大の山場であり開幕前最後のテストマッチとして、8月12日(水曜日)21:00より、ホームのラ・ロサレダでアルバロ・アルベロア率いるフルハムを迎えて「コスタ・デル・ソル・トロフィー」に挑みます。

そして、運命の1部開幕戦は8月19日(水曜日)18:00、アウェイであるマドリードのリヤド・エア・メトロポリターノにて、名門アトレティコ・マドリードを相手にキックオフされます。この試合への注目度は恐ろしいほど高く、アトレティコ側で売り出されている65.55ユーロからのチケットは、すでに残りが「395枚」となっており、完売は時間の問題となっています。ハングリー精神に燃える昇格チームの開幕戦に向け、現地サポーターの興奮はピークに達しています。(via MARCA) (via AS) (via Estadio Deportivo)

103自治体を背負う新ユニフォームと魂を揺さぶる復帰ドキュメンタリー

ピッチの外でも、サポーターとの強い絆を示す素晴らしいニュースが続いています。チームは新たに発表した「サード・ユニフォーム」において、マラガ県を構成するすべての「103の自治体」の名前を刻むという異例の試みを行い、地元全体を1部復帰の主役にするという素晴らしいブランディングを打ち出しました。(via SPORT)

また、降格の地獄から這い上がって1部復帰を果たすまでの栄光と苦闘を克明に描いた、著名な俳優アントニオ・デ・ラ・トレとサルバ・レイナが主演を務める感動のドキュメンタリー三部作の完結編『La vuelta(帰還)』が公開され、ファンやサポーターの間で涙を誘う大きな話題となっています。

その一方で、ピッチ外ではメディア関連の波紋も広がっています。『Informativos Telecinco』の週末キャスターを降板したマリア・カサド氏が、自身のSNSで『マラガとマドリードを往復して私生活を両立させることの困難さから、少し息抜き(respiro)が必要だった』と、円満な降板であるかのような手紙を投稿しました。しかし、インサイダーであるディエゴ・アラバル氏がこれを猛烈に否定。『実際は視聴率を極限まで低迷させたことによる、2年の契約満了に伴う事実上のクビ。本人がプライベートで幹部に向けてこぼしている言葉は非常に荒々しく不満に満ちたものであり、円満というのは嘘だ』と辛辣に暴露し、現地メディアを大いに騒がせています。(via Mundo Deportivo) (via MARCA)

【本日の総括】

プレシーズンマッチのアル・アラビ戦で4-2と大爆発し、待望の初白星を挙げて攻撃陣が牙を剥き始めたマラガCFですが、ピッチ上での乱闘劇やコントラ監督の退場、そして失点癖という課題も露呈しました。しかし、103自治体を背負う新ユニフォームや胸熱の復活ドキュメンタリーなどで地元マラガのファンのボルテージは最高潮に達しており、サリナスやカレロといった新戦力の融合、そして8月19日のメトロポリターノでの強豪アトレティコとのリーガ開幕戦に向けて、ピッチ内外で劇的なエネルギーと期待感に満ちあふれた一日を過ごしています。