エムバペ誘拐・襲撃計画:フランス警察がクレマン・Lら犯罪組織の主犯格を逮捕
フランス警察の捜査により、レアル・マドリードのスターであるキリアン・エムバペを含む26人の実業家や著名人をターゲットにした、誘拐、強盗、襲撃計画の全貌が明らかになりました。
主犯格とされているのは、フランス・スイス二重国籍を持つ18歳の男、クレマン・L(別名レスターZ)です。驚くべきことに、彼はすでに別の売春あっせんや暴力強盗の罪でヴィルパント刑務所に勾留されていましたが、刑務所内の独房から2台のスマートフォンを駆使し、Snapchatなどのアプリを通じて外部の実行犯たちに指示を送っていました。
警察は今年4月にヌイイ=シュル=セーヌで発生した高級時計職人への襲撃・強盗事件(約15万ユーロ相当の高級時計が強奪された事件)の捜査を進める中で容疑車両や通信を追跡し、この男の関与を突き止めました。押収されたスマートフォンを分析した結果、資産額が非常に高い26人のターゲットリストが発見され、その中にエムバペの名前が「桁違いに裕福なターゲット」として記されていたのです。
8月19日にボビニーの裁判所から出てきたところを再逮捕されたこの男は、自身を組織の「単なる仲介役」だと主張し、かつて料理専門学校を中退した経験から、将来は『勉強をやり直してシェフになりたい』と語っています。しかし、現在は組織的強盗などの罪で起訴され、独房で隔離されています。(via SPORT / Mundo Deportivo / MARCA)
バルデベバスの1日巨大スタジオ化:11社のCM撮影を敢行しベリンガムが権利関係で一時衝突
今週、レアル・マドリードの練習場バルデベバスが、1日限りの巨大な広告撮影スタジオへと変貌を遂げました。週末の試合が金曜日のベティス戦のみで日程に余裕がある中、BMW、マオウ、ルイ・ヴィトン、メリタ、アディダス、エミレーツ、HP、アボット、ハイセンス、EAスポーツ、ニベアという、クラブを支える計11もの主要スポンサー企業の年間CM・広告撮影を一気に完了させるための超大規模プロジェクトが敢行されました。
ジョゼ・モウリーニョ監督は、この撮影のために前日の夜に練習開始時間を午後5時に遅らせることを決定し、午前中から夕方までを撮影用に開放しました。選手たちはジムでのトレーニングや理学療法の前後に、様々な場所に設置された撮影セットを慌ただしく行き来しました。現場は終始和やかでリラックスした雰囲気で、選手同士がからかい合う場面も見られました。
そんな中、ルイ・ヴィトンのアンバサダーを務めるジュード・ベリンガムが、他社スポンサーとの権利の競合を巡って一時的にちょっとした小競り合いを起こすという一幕もありましたが、即座に解決され無事に撮影を終えました。モウリーニョ監督も選手たちの様子を確認するために2度ほどセットを訪れ、朝から夜8時過ぎまで行われた12時間以上のマラソン撮影は無事に終了しました。(via SPORT / Mundo Deportivo / MARCA)
マヌ・フェルナンデスのサクセスストーリー:下部組織で今夏2億1000万ユーロを稼ぎ出した錬金術
レアル・マドリードの下部組織「ラ・ファブリカ」は、今夏の移籍市場で2億1000万ユーロという歴史的な売却益を叩き出しました。この莫大な資金力によって、今夏にクラブが費やした約2億4000万ユーロに及ぶモウリーニョ新体制の補強費のほとんどがカバーされた形です。
この前代未聞の経済的サクセスを収めたのが、2020年6月に下部組織のフットボール・ディレクターに就任したマヌ・フェルナンデス(マヌエル・アルベルト・フェルナンデス・ゴメス)です。フロレンティーノ・ペレス会長は、国家が支援するシティやPSGといったメガクラブの資金力に対抗するため、若い才能を発掘・育成し、ピッチ内での活躍だけでなく売却による資金調達も重視する方針を掲げ、彼を抜擢しました。
マヌ・フェルナンデスは、元マドリーのレジェンド級マネージャーの息子であり、自身も下部組織出身でBチームでグティらとプレーした経歴を持ちます。さらに、引退後はシステムエンジニアとしての学位も取得したという異色の知性派です。
彼は就任直後、ラウル監督を急遽ユースAに据えて初のUEFAユースリーグ優勝を飾ると、育成組織を抜本的に改革。アルベロア監督(ユースA)と強力なタッグを組み、アレクシス・シリアなどの数々のスター候補を育成しました。さらに、買い戻し権や将来の売却時の共同保有パーセンテージを維持するスマートな売却モデルを確立。今夏にブライトンへ2300万ユーロで移籍したチェマ・アンドレスの件でも、保有権の50%にあたる1150万ユーロを臨時収入としてマドリーにもたらしました。カンプ・ノウでのエル・クラシコや新戦力獲得の裏で、下部組織がクラブの強固な財政の礎となっています。(via MARCA / SPORT)
神童セルジオ・マルティネスの動向:トップ練習に初合流を果たすも前所属ラシンSDから痛烈な皮肉
8月31日に契約解除金300万ユーロでラシン・サンタンデールから電撃加入した19歳の超新星MFセルジオ・マルティネスが、9月2日に初めてトップチームの練習セッションに参加しました。基本的にはBチーム(カスティージャ)の所属ですが、モウリーニョ監督がその成長を直接見守るため、初日からトップチームの練習に帯同させました。この日は、フィジカル調整から始まり、戦術練習、ポゼッション、コンビネーション、ミニゲームなどを消化しました。
一方、ラシン・サンタンデールのスポーツディレクターであるチェマ・アラゴンは、夏の移籍市場を振り返る会見で、移籍の噂がありながらもクラブ残留にコミットしたサリナスを引き合いに出し、『サリナスは、エンブレムにキスをしたり、そのようなポピュリズム的と呼ぶべきジェスチャーを好まないかもしれないが、彼がカンタブリア出身でラシンファンであることを証明する必要はない』と発言。さらに『ここから出て行きたい人々は、良好な関係と良いパフォーマンスによって、行くべき道を知っていると思う』『契約で合意された月給を彼らに支払っているのと同様に、出て行くためには解除金に近い金額でなければならない』と続け、さらに『夏の間、その点において本当に困難で複雑だったが、かなりうまく乗り切れた』『彼は現在のスカッドの中で、ダントツで最も給与が低い』とサリナスの昇給を約束しました。
これは、移籍直前のビジャレアル戦でゴールを決めた後に涙を流してラシンのエンブレムにキスをしながら、すぐに解除金支払いによってマドリーへ移籍していったセルジオ・マルティネスの行動を、名指しこそ避けたものの猛烈に批判・皮肉るものでした。(via MARCA / SPORT)
アセンシオの飲酒運転と性的ビデオ裁判:クラブの内部規律処分開始と少女らへの謝罪条件
レアル・マドリードのDFラウル・アセンシオが、8月16日に飲酒運転で拘束され、14,400ユーロの罰金と8ヶ月の運転免許停止判決を受けていたことが発覚しました。彼の呼気からは基準値(0.25mg/l)の約4倍となる0.90mg/lのアルコールが検出されていました。
これを受け、クラブは内部規律処分(Expediente disciplinario)の手続きを開始。ピッチ外の行動がクラブのイメージを大きく損ねたとして、過去にチュアメニやバルベルデに下された50万ユーロの罰金を基準とする高額なペナルティが科される可能性があります。
アセンシオが免停から復帰するためには、20時間に及ぶ交通安全再教育・啓発コース(受講料約300〜450ユーロ)の修了が必要で、そこでは事故被害者の生々しい告白などを聞くことになります。この不祥事に対し、著名ジャーナリストのダニ・セナブレは『決してもう私のチームではプレーさせない。彼を外す。こうしたことは非常に重く受け止めている。許可されたアルコール基準の4倍を記録する人物は、危険な運転をしているのだ』『このような運転は、潜在的な殺人マシンだ。幸いにも誰にも遭遇しなかった。もし自分がフロレンティーノなら二度と起用しない。エムバペのようなスターとは違うし、彼には前科もある』と激怒して猛批判。なお、アセンシオは負傷治療中だったため、事件当日のシャルケ戦や今季開幕戦を欠場していました。
また、アセンシオは2023年に起きた少女らとの性的ビデオを同意なく拡散した容疑(性的プライバシー侵害)で、9月3日からラス・パルマスで始まる裁判に出廷します。被害者の少女2名(当時16歳、18歳)は、アセンシオが主犯ではなく副次的な役割だったこと、そして金銭賠償(示談金は非公表、当初は5万8000ユーロ請求)と謝罪を受け入れたとして告訴を取り下げました。しかし、検察側は告訴を維持し、禁錮2年6ヶ月を求刑しています。裁判官は、アセンシオが公判の冒頭で被害者へ『犯した過ちを認め、無条件かつ明確に謝罪する』態度を直接示すことを告訴取り下げの条件としています。(via SPORT)
モウリーニョ・マドリーの戦術分析:劇的な被シュート削減とベリンガムの強烈なリーダーシップ
モウリーニョ体制の新生レアル・マドリードは、開幕3連勝(勝点9、9ゴール2失点)と素晴らしいスタートを切りました。戦術的に特筆すべきは、守備組織の劇的な改善です。GKティボー・クルトワは今シーズン、守備陣が相手の攻撃をシャットアウトしているため、窮地を救うセーブをほとんど求められていません。エスパニョール戦での相手枠内シュートは3本、ソシエダ戦も3本、マラガ戦にいたってはわずか1本に抑え込まれています。
守備の軸は、負傷離脱中のミリトンに代わって奮闘する新加入のコナテです。また、ローマ時代にモウリーニョ監督が見出したルイセンも、ミスパスについて厳しく指導されながらも信頼を勝ち取っています。サイドバックには、右にドゥムフリースとアーノルド、左にカルレラスとククレジャという贅沢な選択肢があり、疲労度に応じたターンオーバーが容易です。中盤では、バルベルデが不動のダブルピボットを務め、新加入のベルナルド・シウバは今週金曜日のベティス戦で先発に復帰する見通しです。
一方で、カマヴィンガは未だにチームの戦術に馴染みきれず、時折ミスから不協和音を生み出しています。また、練習場ではベリンガムがヴィニシウス、エムバペ、そして新星ディオマンデに対し、守備に戻るよう激しくお説教する場面が見られ、ベリンガムの圧倒的なリーダーシップが際立っています。
なお、元バルサ役員のトニ・フレイサは、『首都のメディアを聞いていると、まるでペレ時代のブラジル代表のようだ』『ベリンガムは昨年よりもはるかに高いレベルにある』と皮肉りつつ、『レアル・マドリードは選手個々のプロファイルに関して、昨年と同様の戦術的欠陥を依然として抱えている』『バルサははるかに豊かなスカッドと、特に2シーズン前から培ってきた非常に明確なプレースタイルを持っている』と一蹴。前節の対戦相手マラガのフネス監督も『マドリードの選手に息を吹きかけただけでファウルになり、我々の側は血が出ないとファウルにならない。アトレティコ戦でも同じことが起きた』『今シーズンは長距離レースになる。重要なのは立ち止まらないことであり、精神的に安定を保ちたい。選手たちには、リーグ戦の進行とともに必要な微調整が必要だ』と判定への不満を述べつつチームの立て直しを誓っています。(via Estadio Deportivo / SPORT)
新星ヤン・ディオマンデのルーツ:アビジャンのストリートでの飢えと興奮を語ったインタビュー
今夏にライプツィヒから固定移籍金1億2500万ユーロ(モウリーニョ監督は会見でジョークを交えて1億4000万ユーロと発言)で加入した19歳のコスタジボワール代表FWヤン・ディオマンデが、レッドブルの公式アスリートに就任した記念インタビューで自身の熱い想いを語りました。
彼は、アビジャンの舗装もされていない路上で、スパイクもない中でサッカーへの愛だけでボールを追いかけた日々を振り返り、『アビジャンで育つということは、サッカーがすべてであることを意味していた。本物のブーツや適切なピッチも持たず、どんな場所でもサッカーのためにただプレーした。その飢えと喜びは今も僕のプレーの基盤だ』と語りました。
その後、15歳で英語も話せないまま渡米し、フロリダのDMEアカデミーで開花。ライプツィヒでは初年度にブンデスリーガ年間最優秀新人賞に輝きました。『最初は誰ともコミュニケーションが取れずすべてが異なっていたが、サッカーが僕の言語であり、仲間が自分の場所を見つけるのを助けてくれた』と当時の苦労を述べています。
憧れのレアル・マドリードへの移籍について、彼は『幼い頃からの夢が叶った。これまで努力してきたすべてがこのためだった。このクラブで自分の歴史を刻み、成功に貢献したい』。そして『世界最大の舞台では、最も大きな冷静さが求められ、準備を信じる必要があることを学んだ』とし、『ヴィニシウスやエムバペのような世界最高の選手たちと毎日練習するのは信じられないほど刺激的で、練習のたびに基準が非常に高く、自分のレベルを引き上げるしかない。彼らが毎日どう動き、どう考え、どう準備しているかを見るだけで学べる』と興奮気味に意気込みを語りました。
一方で、チームは現在、チュアメニ, アセンシオ, メンディ, ミリトン, ロドリゴ, エンドリック, チアゴが怪我の治療プロセスを続けており、金曜日のベティス戦には誰一人間に合わない見通しです。(via MARCA / Mundo Deportivo)
バルデベバス土地再開発:アルメイダ市長が野党の批判に反論し市民の利益を猛アピール
マドリード市長ホセ・ルイス・マルティネス=アルメイダは、レアル・マドリードが所有するバルデベバスの土地44万8000平方メートルの用途変更(都市計画変更)を巡り、野党(Más MadridやPSOE)が「お友達都市計画」と批判していることに対し、真っ向から反論しました。
市長は、『これはレアル・マドリードが得るものではなく、マドリード市と市民が得る利益の物語だ』と主張。『あの土地で、レアル・マドリードだけでなく都市にとっても生産的な用途があることは合理的だ』とし、この開発によりオフィス、ホテル、商業、さらには私立の医療機関や教育機関の建設が可能となり、これまで無かった公共の緑地やインフラ用地がマドリード市民に提供され、地域経済の巨大な活性化拠点になると訴えました。
この計画により、未開発の85ヘクタールの土地を中心とした再開発が可能となり、容積率は17万2550平方メートル増加(全体で53万2550平方メートル)。クラブには約1億8500万ユーロに上る莫大な含み益が生じる見込みです。また、この地区では数週間後にF1グランプリも開催される予定です。
さらに隣接する土地では、不動産企業により、マドリード最大級のショッピングモール「バルデベバス・ショッピング(Valdebebas Shopping)」の特別計画が進行中。10万4000平方メートルの敷地に7,000台分の駐車場が整備され、土曜日には3万台の車が殺到する見込みです。都市の様相は一変しようとしています。(via SPORT)
【本日の総括】
エムバペの身に迫った驚愕の犯罪計画が明らかになる一方、バルデベバスでは巨大なCM撮影イベントや大がかりな再開発が並行して進んでおり、ピッチ外の喧騒は収まりません。さらに、期待の新戦力マルティネスが合流したモウリーニョ体制は開幕3連勝と最高のスタートを切りましたが、アセンシオの不祥事や裁判の行方はチームの影となっています。今後のベティス戦、そして新戦力の融合に注目が集まります。
